
テン氏が示す仮想通貨の未来
大手仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」のCEOであるリチャード・テン氏は2025年7月2日に、自身のX(旧Twitter)への投稿で、仮想通貨(暗号資産)市場に近い将来、価格上昇を含めた大きな変化が訪れる可能性を示唆しました。
テン氏は「CRYPTO」と書かれた建物に人々が殺到する様子を描いたAI生成画像に「sooner or later(遅かれ早かれ)」というコメントを添えて投稿しました。
sooner or later pic.twitter.com/IMVD0ffBNL
— Richard Teng (@_RichardTeng) July 2, 2025
この投稿は、大量の新規投資家が仮想通貨市場に参入するマスアダプション(一般層による大規模な普及)の到来を示唆したものとみられています。
この投稿には、仮想通貨コミュニティから歓迎するコメントがX上で多数寄せられました。その中で「仮想通貨こそ未来」というコメントに対し「その通り」と返信し、自身の強気な市場観をあらためて示しました。
BTC準備金「世界に波及する」
テン氏が語る仮想通貨市場の未来
金融機関の関心は「参入方法」へ
テン氏の今回の発信は、個人投資家の大規模な参入によって市場が活性化するという見方を示したもので、これまで同氏が提示してきた市場予測にも沿うものです。
同氏は6月12日のX投稿で「大手金融機関はもはや仮想通貨に投資すべきか否かではなく、どのように関与するかを検討する段階に入っている」と指摘しました。
また、カストディ(資産管理)ソリューションや現物ETF、銀行向けブロックチェーン基盤の整備が進んだことで、仮想通貨が金融業界に定着しつつあると強調しています。
金融統合を見据える市場ビジョン
テン氏はさらに「今後10年は仮想通貨と既存金融の大規模な統合が進む時代に入る」との見解も示しています。
同氏は2023年秋、バイナンスの創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏からCEO職を引き継ぎました。それ以降、Xを通じて仮想通貨市場の将来について積極的に見解を発信し、仮想通貨のマスアダプションは避けられないとの姿勢を一貫して示しています。
前CEOも語る市場の変化と拡大
CZ氏も、2025年に行われたアンソニー・ポンプリアーノ氏とのインタビューで「大口機関投資家による仮想通貨の採用拡大は時間の問題であり、将来的にはAI(人工知能)技術との融合も進むだろう」との見解を示しました。
このように、業界内では規制環境の整備を背景に、機関投資家や個人投資家の市場参入が急速に進んでいるとの見方が強まっています。
テン氏の今回の発言も、こうした市場の動向を後押しするものと受け止められています。
ビットコインはマクロ資産に
ビットコイン年末価格に注目集まる
仮想通貨市場全体の上昇期待が強まる中、ビットコイン(BTC)の価格予想に関しても、複数の専門家や金融機関が強気な見解を示しています。
大手銀行も強気なビットコイン見通し
英大手銀行スタンダードチャータードは、2025年4月に発表したレポートで、ビットコイン価格が同年上半期に12万ドル(約1,720万円)を突破し、年末には20万ドル(約2,870万円)に達すると予測しています。
米投資会社スカイブリッジ・キャピタルの創業者であるアンソニー・スカラムッチ氏も、2024年4月のビットコイン半減期を起点とした強気相場を前提に、2025年中頃から後半にかけて価格が17万ドル(約2,440万円)を超える可能性があると述べています。
米国の著名な仮想通貨アナリスト、スコット・メルカー氏は、ビットコインが2025年末までに25万ドル(約3,620万円)に到達する可能性があるとの見通しを示しました。
不確実性を織り込んだ慎重な見解
一方でメルカー氏は、多くの専門家が今回の強気相場における高値を12万〜15万ドル程度と見積もっている点にも触れ、過度な楽観論に対しては注意が必要だと警鐘を鳴らしています。
機関投資家の参入拡大や金融商品の整備といった前向きな動きがある一方で、仮想通貨市場にはなお不確実性が残されています。そのため、各専門家による価格予想にも一定の幅が生じています。
いずれにしても、ビットコインをはじめとする主要仮想通貨の価格見通しは概ね強気とされており、テン氏の示唆した投資家の本格参入に対する関心が高まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.57 円)
価格予想関連の注目記事はこちら
Source:リチャード・テン氏X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







コメント