REXとOsprey、ステーキング型ETH・SOL ETFを申請。SECは構造面に懸念示す

ステーキング機能付きETH・SOLのETFが申請

暗号資産(仮想通貨)ファンド運用会社REX Sharesと暗号資産投資会社Osprey Fundsが、米証券取引委員会(SEC)に対し、ステーキング機能を備えたイーサリアム(ETH)およびソラナ(SOL)のETF(上場投資信託)を5月30日に申請した。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏によれば、これらのETFは、ETF業界では非常に珍しい「C-Corp(Cコーポレーション)」構造を採用しており、「SECからある程度の承認を得るための手段だったのではないか」と推測している。

「C-Corp」は、米国連邦税法の「サブチャプターC」に基づいて課税される法人形態で、法人と株主がそれぞれ課税される二重課税構造が特徴だ。

SECは、従来のETFに多く採用されている「投資信託(RIC)」構造で暗号資産を扱うことに対して懸念を示しており、今回のETFでは、C-Corp構造を採用することでSECの承認を得やすくする狙いがあるとみられる。

両ETFは、保有する暗号資産のうち最低50%をステーキングし、報酬を得る設計。運用は、ケイマン諸島に設立された子会社が担う予定だ。

SECはファンド構造に懸念を表明

なおSECは5月30日、これらのETFに関して複数の懸念を示す書簡を発行した。

書簡では、ファンドの構造および運用方法について「依然として懸念がある」とし、登録届出書(Form N-1A)の効力発生を遅らせるよう求めていたが、懸念が解消されないまま効力が発生したと指摘している。

SECは、提案された構造では「投資会社法における投資会社」の定義を満たすか疑わしく、登録自体が不適切であった可能性を警告。また、「投資会社としてのステータス」に関する開示が投資家に誤解を与える恐れがある点にも懸念を示している。

仮に「投資会社」の定義を満たさない場合、投資会社法ルール6c-11に準拠したETFとして、取引所の上場基準を満たせない可能性もあるとし、SECは今後、連邦証券法の遵守を確保するために必要な措置を検討するとしている。

ステーキングに関する新たな見解発表も

SECは5月29日、特定の条件下において、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ブロックチェーン・プロトコルのステーキング活動が、連邦証券法上の「証券取引」に該当しないとの見解を発表している。

この見解は、PoSまたは委任型PoS(DPoS)ネットワーク上で、自らステーキングを行う者や、他者の代理でステーキングを仲介する非カストディアル/カストディアル型の「ステーキング・アズ・ア・サービス」提供者を対象としている。

SECスタッフはまた、こうしたステーキングサービスに付随する特定のサービスを組み合わせた場合でも、証券の募集には該当しない可能性があるとの判断を示した。

この規制緩和が、ステーキング機能を備えたETF申請の承認の道を開くかどうか、注目が集まっている。

参考:SEC書簡
画像:iStock/Lidiia-Moor

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました