
中央アフリカ共和国、大統領令で土地のトークン化を発表
中央アフリカ共和国のファスティン=アルシャンジュ・トゥアデラ大統領は2025年5月30日、自身のX(旧Twitter)アカウントで「ミームコインによる土地のトークン化」に関する大統領令に署名したことを明らかにしました。
この大統領令により、中央アフリカ共和国は1,700ヘクタール以上の土地をトークン化し、国が発行するミームコイン「$CAR」を用いてその運用を行う計画です。
土地の利用権は、2025年6月からオンラインで提供される予定です。取引にはソラナ(SOL)のブロックチェーン技術を活用し、仮想通貨「$CAR」での購入や管理が可能になると報告されています。
I have signed a presidential decree to tokenize over 1,700 hectares of land in the Central African Republic.
Starting June, land concessions will be accessible online using $CAR, directly on @solana.
A new era of access and transparency begins.https://t.co/d04OcRJIB7 pic.twitter.com/fzSEANEt6w
— Faustin-Archange Touadéra (@FA_Touadera) May 29, 2025
私は、中央アフリカ共和国において1,700ヘクタール以上の土地をトークン化する大統領令に署名しました。
土地の権利は、6月よりソラナ上で$CARトークンを使用してオンラインで取得できるようになります。
アクセスと透明性の新しい時代がいよいよ始まります。
仮想通貨「$CAR」は、2025年2月に登場した中央アフリカ共和国独自のミームコインで、トゥアデラ大統領は「ミームのように単純なものが人々を団結させ、国家の発展を促し、中央アフリカ共和国を世界に知らしめる実験」と述べていました。
今回の土地トークン化の発表を受けて、$CARの価格は直近1週間で127%以上の価格上昇を記録し、仮想通貨市場から大きな注目を集めています。
今話題の「RWAのトークン化」とは
ボソンゴ近郊1,700haの土地が対象に
トゥアデラ大統領はX上で今回の大統領令を公開し「2025年6月から土地利用権(コンセッション)がオンラインで$CARを使って利用可能になる」と述べました。
また「新たなアクセスと透明性の時代が始まる」と強調し、この土地トークン化が国家開発に仮想通貨を統合する最新の取り組みであることを示しています。
大統領令にはこの施策の法的根拠も明記されており、中央アフリカ共和国の鉱業法および2023年8月に制定された天然資源のトークン化関連法に基づく措置となっています。
トークン化の対象となる土地は、首都バンギから西へ約45km離れたボソンゴ(Bossongo)近郊の地域で、面積は約1,700ヘクタール(サッカー場約2,500個分)に及びます。
また、この大統領令には同地が金やダイヤモンドといった鉱物資源採掘のための土地である可能性も示唆されています。
中央アフリカ共和国では鉱業が主要産業の一つであり、トゥアデラ政権下ではロシアの民間軍事会社ワグネル・グループが国内の複数の採掘プロジェクト(特に金とダイヤモンド)に関与してきた経緯があります。
ミームコイン「$CAR」を発行
$CARが1週間で2倍超の急騰
今回の土地トークン化発表を受け、仮想通貨$CARの価格は急激な上昇を見せました。
発表数日前の2025年5月26日時点で1 $CARあたり約0.025ドル(約3.6円)だった価格は、その後徐々に上昇し、発表当日には0.06ドル(約8円)付近まで値上がりしています。
低迷が続く仮想通貨市場において$CARの価格上昇率は際立っており、過去2か月間で300%以上の値上がりを記録するなど、他のアルトコインとは一線を画す動きを見せています。
ただし、現在の価格水準は過去最高値と比較すると大幅に低く、依然として回復途上であることに注意が必要です。
$CARは2025年2月のローンチ直後に一時0.7ドル(約100円)付近まで高騰しましたが、その後は実需の不透明さや関心の低下から下落し、現在の価格は過去最高値から約92.7%低い水準にとどまっています。
決済通貨にビットコインを採用
中央アフリカ共和国、仮想通貨政策の転換点
サンゴコイン構想の停滞と再出発
中央アフリカ共和国が以前から推進していた国家仮想通貨プロジェクト「サンゴコイン(Sango Coin)」にも最近動きがありました。
サンゴコイン(Sango Coin)は2022年に開始された中央アフリカ共和国の国家デジタル通貨プロジェクトで、国内の豊富な天然資源を活用して外国からの投資誘致を目指すものでした。
しかしプロジェクト開始後は進捗が停滞し、透明性の欠如に対する批判や投資家の不満が高まっていたとされています。
2025年4月29日、サンゴコインの開発チームが「当初のサンゴプロジェクトは従来の形では継続しない」と発表し、新たな方向性に向け準備を進めていることを明らかにしました。
トゥアデラ大統領の仮想通貨戦略
一方で、トゥアデラ大統領は$CAR発行後も積極的な情報発信を続けています。
大統領はX上で定期的に$CARに関する投稿を行っており、2025年4月末には$CAR保有上位100名の支持者に自らとドバイで会う機会を提供すると投稿しました。
こうした仮想通貨を通じた積極的なプロモーションは、アメリカでドナルド・トランプ氏が展開する公式ミームコイン「$TRUMP」などにも共通するもので、政界リーダーが仮想通貨を活用して話題作りをする新たな動きとして注目されています。
中央アフリカ共和国は2022年4月、世界で2番目(アフリカ初)のビットコイン法定通貨化を実施した国でもあります。
トゥアデラ大統領は当時から「仮想通貨こそ金融包摂の課題を解決する手段だ」と強調しており「資源の民主化とトークン化こそが莫大な可能性を秘めた新たな章になる」とするビジョンを示していました。
今回発表された土地トークン化は、そうしたビジョンが別の形で具体化した取り組みの一環と見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.90円)
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Source:トゥアデラ大統領X投稿
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像
I have signed a presidential decree to tokenize over 1,700 hectares of land in the Central African Republic.






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