イーサリアム「Pectra」アップグレード、メインネット実装前にテストネット「Hoodi」立ち上げ

「Pectra」メインネット実装前にテストネット「Hoodi」立ち上げ

イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」をテストネット「ホルスキー(Holesky)」および「セポリア(Sepolia)」で実装した際に発生した問題を受け、イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)は新しいテストネット「フーディ(Hoodi)」を立ち上げる。

「フーディ」は、3月17日から稼働を開始し、バリデータの離脱テストに注力するとのこと。「ホルスキー」では離脱キューをクリアするためのカスタムコードを記述することで問題に対処するという方法もあったが、更なるバグが発生する可能性があったため、新たなテストネットを立ち上げるという選択をしたという。

「フーディ」への「ペクトラ」実装は3月26日に予定されている。

なおバリデータの離脱以外の「ペクトラ」の機能は、引き続き「ホルスキー(Holesky)」と「セポリア(Sepolia)」でテストできるとのことだ。

「ペクトラ」のメインネットへの実装時期については、3月6日に行われた開発者会議「Ethereum All Core Developers(ACD)call」では「ペクトラ」のメインネット実装は延期と発表され、実装日も未定とされていた。しかし、今回の発表では「フーディ」に実装されてから30日後の4月25日以降になると述べられている。

なお「ペクトラ」の次の大型アップグレードである「フサカ(Fusaka)」は、これらと並行して進められる。現在「フサカ」で実装されるEIPの追加提案の締め切りは3月24日を予定しており、クライアントチーム内でどのEIPの組み入れを拒否すべきかを含め、「フサカ」の内容に関する議論を行う期限が3月31日となっている。4月10日には「フサカ」の詳しい内容が決定されるとのこと。

「ペクトラ」の主なアップグレードとして「EIP-7702」と「EIP-7251」の2つの実装がある。

「EIP-7702」は、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提案したウォレットのユーザー体験を向上させるアップグレードだ。これにより通常のアカウントとして利用されているEOA(外部所有アカウント)を、一時的にスマートコントラクトとして扱える仕組みを導入し、既存のスマートコントラクトに追加の実装を行わずにEOAに様々な機能を導入可能になる。

「EIP-7251」は、バリデーターがステークできる最大量を32ETHから2,048ETHに増加させるというものだ。これにより32ETHよりも大きな額をステーキングしたいユーザーが、これまでのように複数のノードに分割せず、1つのノードで行えるようになる。そのため、新しいノードの構成をする必要があり、数週間の待ち時間が必要とされることもあったステーキングの開始がよりスムーズに行えるようになると予想されている。

参考:Ethereum
画像:Ethereum

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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