仮想通貨規制の不明確さ「損害と悪影響を及ぼした」SEC公式声明
SEC委員、規制の不透明さを批判
SEC(米国証券取引委員会)の委員であるヘスター・パース氏は2025年2月27日に、米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)への訴訟却下に関する公式声明を発表し、これまでのSECにおける規制方針を批判しました。
この訴訟の却下は、SECが仮想通貨業界に対して強硬な執行措置を行う一方で、明確な規制を策定していないという批判を強める結果となりました。
声明の中で、パース氏は「規制の枠組みが不明確であることが市場に悪影響を及ぼしていた」と指摘し、SECが執行措置による規制ではなく、明確なルール策定を進めるべきだと主張しています。
また、同氏は、SECの執行部門が規制の決定権を持ちすぎている現状を問題視し、政策部門が主導する形でのルール策定が必要であるとの見解を述べています。
さらに、不明確な規制環境が「悪質な行為を助長し、誠実な市場参加者を排除する結果につながっていた」との懸念を示しました。
FTXの破綻はゲンスラー元委員長が招いた?
ニュースメディア「Decrypt」によると、FTXの破綻など過去の事例を踏まえ、不明確な規制のもとでは市場の透明性が損なわれ、リスクの高いビジネスモデルが生まれやすくなると報じています。
同メディアは、FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード氏の裁判において、SECの対応の遅れや規制の不透明さが問題の発覚を遅らせた間接的要因の1つと見なされていると伝えられています。
また、SECのゲイリー・ゲンスラー元委員長による厳格な反仮想通貨政策が原因となり、FTXの破綻が起きた可能性があるとも報じています。
現在、業界全体で「より明確なルール作り」を求める声が強まっており、今後のSECの動向に注目が集まっています。
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Souce:ヘスター・パース氏公式声明
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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