イーサリアム財団、トルネードキャッシュ開発者に弁護費用で125万ドル寄付

イーサリアム財団がトルネードキャッシュ開発者に125万ドル寄付

イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)が、トルネードキャッシュ(Tornado Cash)の開発者アレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏の法的弁護費用として125万ドル(約1.9億円)を寄付すると、公式Xアカウントから2月26日発表した。

ペルツェフ氏は、暗号資産ミキサー(Crypto Mixer)であるトルネードキャッシュを通じて、12億ドル(約1,800億円)相当の暗号資産(仮想通貨)の資金洗浄を助長した罪で、昨年オランダの裁判所から5年4ヶ月の懲役刑を言い渡されている。

暗号資産ミキサーは、複数ユーザーの暗号資産の取引を混ぜ合わせることで、利用者の取引履歴を匿名化する技術のことだ。そもそも利用者のプライバシーや匿名性の維持に活用されるために開発された。しかし、その特性がサイバー犯罪に関与した資産のロンダリングに利用され、問題視されている。 ・EFは公式Xアカウントで、「プライバシーは普通のことであり、コードを書くことは犯罪ではない」と述べている。

また今回のXの投稿でEFは、米暗号資産特化のベンチャーキャピタル「パラダイム(Paradigm)」のマット・ファン(Matt Huang)氏の投稿を引用した。

ファン氏は今年1月、トルネードキャッシュの共同創設者で、昨年ニューヨークの連邦検察官から資金洗浄および制裁違反で起訴されたローマン・ストーム(Roman Storm)氏の法的弁護に125万ドルを寄付するとXから発表していた。

その際のXの投稿でファン氏は「検察側の裁判は、第三者の悪行に対してソフトウェア開発者に刑事責任を負わせる恐れがあり、これはクリプト(ブロックチェーンと暗号資産の総称)やそれ以外の分野に冷ややかな影響を与えるでしょう」と主張していた。

なおペルツェフ氏は今月初めに勾留から釈放された。現在同氏は、控訴に向けて準備を進めているという。オランダの裁判所は電子監視を条件に同氏の未決拘禁を解除した。

一方、ストーム氏は米国で法的弁護を進めている。イーサリアム(Ethereum)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏を含む複数の暗号資産コミュニティのメンバーが、ダークウェブ上のECサイト「シルクロード(Silk Road)」の創設者ロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)を恩赦したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対し、ストーム氏の容疑も撤回するよう要請している。 

画像:iStocks/your_photo・antoniokhr

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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