米コインベース、SECとの訴訟で暗号資産のセカンダリー取引の規制判断求める=報道
地裁へ差し戻しへ
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米控訴裁判所に対し、「コインベース訴訟」を第2巡回区控訴裁判所で審理するよう求めた。また、同社の取引プラットフォーム上での暗号資産取引が証券取引法の対象となり得るか否かについて、裁判所へ判断を求めていると、米コインデスク(CoinDesk)が1月22日に報じた。
SECのコインベース訴訟
米国証券取引委員会(SEC)は2023年6月、コインベースが未登録の証券取引所、仲介業者、清算機関として活動している疑いがあるとして、同社を提訴した。
裁判所は昨年3月、SEC対コインベース訴訟において、SECの主張に説得力があるとしてコインベースの申し立てを却下し、SECのほとんどの請求を続行させると決定した。
しかし今年1月7日、判事はこの問題を上級裁判所に委ね、「重要な法的問題に関する相反する判決は、第2巡回区の指導を必要とする」と述べた。
コインベースに対するSECの訴訟は、コインベースが第2巡回区からの回答を求める間、一時停止されることになる。
今回の報道によれば、コインベースの弁護士は1月21日に提出した書類で、第2巡回区控訴裁判所に早急な審理を求めたという。
また、コインベースの弁護士は「デジタル資産のセカンダリー取引が連邦証券法に該当するかどうかは、暗号産業、消費者、金融機関、そして指針を必要とする下級裁判所にとって非常に重要な問題だ」と述べ、「この訴訟はこの問題に対処し、この数兆ドル規模の産業に明確なルールを提供するための理想的な手段である」と主張した。そして、「デジタル資産のセカンダリー取引をどう扱うかという根本的な法的問題を決定する絶好の機会だ」とも述べている。
新委員長を迎えたSEC
この訴えが行われた同日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、共和党員で米国証券取引委員会(SEC)委員のマーク・ウエダ(Mark Toshiro Uyeda)氏を同委員会の代理委員長に指名した。
ウエダ氏は、ジョー・バイデン(Joe Biden)前大統領がSEC委員長に指名したゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏の後任だ。
2022年6月以来の共和党SEC委員であるウエダ氏は、ゲンスラー氏による規則制定や執行へのアプローチを批判してきた経緯がある。
また、ウエダ氏は暗号資産企業がSECに登録する方法について明確なガイダンスを提供していないとしてSECを批判してきたため、同氏の就任は暗号資産企業から歓迎されるとみられる。
同日、SECは親暗号資産派のヘスター・ピアース(Hester Peirce)氏が主導する規制体系を整備するための専門チーム(タスクフォース)を結成したと発表した。
ウエダ氏の事務局は「専門チームは、SECがはっきりした規制の線引きをし、登録に向けた現実的な道筋を提供し、妥当な情報開示の枠組みを策定するとともに、法的執行の資源を配備するのを手助けすることに注力する」とコメントしている。
参考:報道
画像:iStock/Zolnierek
関連ニュース
- 米SEC、コインベースの召喚要請を却下するよう裁判所に求める
- コインベースとリップル社が対SEC裁判で新たな裁判資料提出、BNBの証券性却下の判断を引用で
- 米SEC、コインベースの仮抗告申し立て却下を裁判所に要請
- トランプ大統領、共和党マーク・ウエダをSEC代理委員長に指名
- SECが暗号資産の規制整備に向け専門チーム、業界締め付け方針転換へ
参照元:ニュース – あたらしい経済