【2024年11月】NFT市場動向レポート|11月は回復の兆しを見せる!?

2024年11月、NFT市場は10月に引き続き回復の兆しを見せました。これは、暗号資産市場の盛り上がりが大きく影響しているものと考えられます。

本記事では、11月における暗号資産・NFT市場の動向と主要ニュースを振り返っていきます。

市場全体の概要

暗号資産市場の成長
・暗号資産市場の時価総額は3兆ドルを突破
・DeFiのTVLは$87.7Bから$126.3Bへと大幅増加
・米大統領選挙により市場全体に活気が戻り、資金流入が加速

NFT市場の回復
・9月以降の低迷から転じ、月間取引額が増加
・Ordinalsの売上高が前月比99.86%の増加
・Cryptopunksを筆頭に有名コレクションのフロアプライスが軒並み回復

暗号資産市場の概要

2024年11月の暗号資産市場は、前回バブルを彷彿とさせるかのような回復を見せました。

CoinMarketCapによると、2024年11月における暗号資産市場の時価総額は、3.4兆ドルを突破しました。この数値は、2021年11月時点での時価総額(約2.8兆ドル)を大きく超えており、前月比では約39%もの増加です。

Fear and Greed Index(市場の恐怖と貪欲指数)や、Altcoin Season Index(アルトコインシーズンインデックス)を見てみても高い数値を記録しており、暗号資産市場は楽観的なムードになっていると言えます。

今回、この結果をもたらしたと考えられる要因は下記の2つです。

  • 米大統領選におけるトランプ氏の勝利
  • ETF承認による資金流入

特に11月初めに行われた米大統領選は、市場に大きな影響を与えました。
というのも、大統領選で勝利したトランプ氏は暗号資産に対して好意的な姿勢を示しています。

トランプ氏が掲げた暗号資産に関する政策の一部が以下です。

  • アメリカを世界における暗号資産の中心地に
  • SEC議長ゲンスラー氏の解任
  • 暗号資産への敵対的姿勢の停止

実際、大統領選後には現SEC委員長のゲンスラー氏が退任を表明したり、トランプ政権が、米国企業の発行する暗号資産のキャピタルゲイン税を撤廃したりと、暗号資産に関するポジティブなニュースが多く報じられています。

注目アルトコインの振り返り

ここでは、11月に話題となった主要アルトコインと、新たにローンチされた銘柄をご紹介します。

  • ETH(イーサ)
  • XRP(リップル)
  • DOGE(ドージ)
  • SUI(スイ)
  • HYPE(ハイプ)

※価格の変動率は1日時点での価格を比較したものです。

ETH(イーサ)

引用:CoinMarketCap

イーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額2位のアルトコイン。前月比で$2,515→$3,706と約47%の上昇を見せました。

ビットコインの価格が急騰した際、他のアルトコインに比べて若干反応が悪かったものの、徐々に価格を上げてきています。一時はビットコインETFを上回る資金流入額を記録していたため、今後の動向に注目する投資家も少なくないようです。

XRP(リップル)

引用:CoinMarketCap

XRP(リップル)は米国を本拠地とするリップル社によって発行された暗号資産です。国内でも一定数の投資家から人気を集める銘柄です。

前月比での価格変動は$0.5092→$1.9441と、約282%もの上昇率を記録しました。チャートを見ると、今年に入ってからは$0.50〜$0.75の間を推移していましたが、11月に入りレンジを上抜けしたことがわかります。これほどまでの上昇を見せたのは、上述したSEC議長ゲンスラー氏の退任発表が大きな要因になっています。

また、複数の投資会社からはETFの申請もでているとのことで、今後の展開にも注目が高まる銘柄の一つと言えるでしょう。

DOGE(ドージ)

引用:CoinMarketCap

DOGE(ドージ)は、ライトコインの技術をもとに開発された暗号資産です。柴犬をモチーフとしたアイコンが特徴で、起業家のイーロン・マスク氏がXにて言及したことで話題になりました。

前月比での価格変動は$0.16→$0.42と約162%の上昇です。これには、他のアルトコインと同様、トランプ氏の大統領への再選が要因として挙げられる他、トランプ氏が新たに設立すると発表した「政府効率化省」が関係していると考えられます。

「政府効率化省」は英語に直すと、「Department of Government Efficiency」であり、頭文字を取って「D.O.G.E」となります。

上記の投稿・発表によって、DOGEコミュニティが盛り上がり、価格が上昇したと考えられます。

SUI(スイ)

引用:CoinMarketCap

SUI(スイ)は、Mysten Labsが開発したL1チェーンSui Netoworkのネイティブトークンです。Meta社出身の元メンバーが開発に関わっており、スマートコントラクト機能や高い取引処理能力などを兼ね備えていることから注目を集めています。

そんなSUIの価格は前月比で76%の上昇。一時は$3.7を記録し過去最高値を大きく更新しています。時価総額ランキングで見ると全体の17位に位置しており、勢いのある銘柄の一つとなっています。

HYPE(ハイプ)

引用:CoinMarketCap

HYPE(ハイプ)は、2023年初めにリリースされたDEX「Hyperliquid」の独自トークンです。Hyperliquidは、独自チェーンを採用しており、暗号資産のデリバティブ取引をメインに提供しています。

HYPEは11月30日にエアドロップという形で一部のユーザーに配布され、SNS上で大きな話題となりました。12月に入ってからも価格は上昇し続けており、期待度の高さが伺えます。

DeFi市場の概要

DeFi市場全体のTVL(Total Value Locked)は$87.9bから$127bと約44%の上昇を見せました。

引用:DefiLlama

2024年のみで見ると、10月までは一定範囲での低迷が続いていましたが、11月に入りようやくそのレンジを抜けたことがわかります。こちらも11月初めに行われた大統領選が影響していると考えて良いでしょう。

下記は、DEXの取引量を各チェーンごとに比較したものです。

引用:DefiLlama

10月に引き続き、SolanaやEthereum、Base等の取引量が大きく伸びています。

上位5チェーンの前月比
  • Solana:約148%↑
  • Ethereum:約70%↑
  • Base:約65%↑
  • BSC:約46%↑
  • Arbitrum:約110%↑

11月は特にミームコイン市場が活況を呈しており、ミームコインの時価総額は1ヶ月弱で2倍以上の成長を見せました。
特にSolanaベースのミームコインは人気が高く、PNUTやPOPCAT、AI16Zなど複数の銘柄が時価総額100位に迫る勢いを見せています。

NFT市場の概要

続いては、11月におけるNFT市場の動向について見ていきます。

下記の画像は、CryptoSlamのデータを引用したものです。

引用:CryptoSlam

NFT市場の月間取引数は前月比で約26%の減少、取引参加者数(Unique SellersとUnique buyersの合計値)も約31.3%の減少でした。

一方で、月間売上高は前月比で約57.7%の増加を見せ、6億ドルに迫る勢いを見せています。このような数値になっているのは、単一取引の平均額(Avg Sale)が2倍以上と大きく増加していることが要因になっていると考えられます。

そのため、暗号資産市場ほどではないものの、NFT市場にも資金流入が増えているものと考えられます。

これに加えて、11月はイーサリアムを基盤としたNFTプロジェクトの復調が、売上高の変化に大きく影響しています。

チェーン別動向

ブロックチェーンごとの月間売上高では、前月に引き続きイーサリアムが首位を走っています。

引用:CryptoSlam

イーサリアム基盤のNFT売上高は前月比で12.75%の上昇、全体で4分の1ほどのシェアを占めます。

一方でイーサリアム以上に大きな上昇を見せたのが、ビットコイン基盤のNFTです。ビットコインを基盤としたNFT(Ordinals)の売上高は99.86%もの上昇、単月ではソラナ基盤のNFTを上回る結果となりました。

これは、トランプ氏の再選による、ビットコイン価格の上昇が起因していると考えて間違い無いでしょう。実際に、ビットコインを基盤としたNFTの取引高を週ごとで見た時に、大統領選の前後で平均して2倍弱の上昇を記録しています。(下記参照)

引用:THE BLOCK

ビットコインが最高値を更新する流れで、Ordinalsに投資するトレーダーも増えてきている様子です。

マーケットプレイスの動向

下記は、マーケットプレイスごとの月間データを表したものです。
11月はOpenSeaとOKX NFT Marketplace、Blurの3つが月間取引量で大きな割合を占めました。

引用:DappRadar

OpenSeaは取引量が$188.44M(+15.65%)に増加し、引き続き市場のリーダーである一方、トレーダー数は20.23%の減少でした。X(旧Twitter)では、11月初めに新たなプラットフォームの発表を行ったものの、そこまで影響はなかったように思われます。

OKX NFT Marketplaceは、取引量が$171.17M(+295.98%)、トレーダー数も+180.66%と全体的な成長を見せました。

引用:OKX

OKX NFT Marketplaceは、大手暗号資産取引所OKXがリリースしたマーケットプレイスであり、ビットコイン基盤のNFTを取引できる点が特徴です。OpenSeaやBlurはビットコインに対応していないため、ビットコイン基盤のNFTの取引が活発化したことが、今回の結果に影響したものと考えられます。

Blurは$133.82M(+89.45%)を記録し、イーサリアム基盤の高額取引が活発化しました。一方、SolanaチェーンのTensorは$29.66M(+51.34%)と成長し、ETH以外のマーケットプレイスも拡大しています。

主要NFTコレクションの動向

続いて、主要NFTコレクションの動向について見ていきます。
下記はMagic Edenのデータを引用したものです。

引用:Magic Eden

11月は、CryptoPunksやBAYCなど主要NFTコレクションのフロアプライス(以下、FP)が全体的に上昇していることがわかります。

特にCryptoPunksのFPは前月比で59.7%増加し、41.98 ETHに到達しています。

引用:Magic Eden

取引量は14.6K ETHと高水準を記録しており、月間の高額取引ランキングでは、上位8つが同コレクションの作品でした。前回バブルとは言わないまでも、高額NFT市場の復調が感じられます。

国内のNFT市場動向

海外市場が盛り上がる一方で、国内のNFT市場がそこまで盛り上がっていないように感じられました。

下記は、NFTRankingのデータを引用したもので、11月における取引量が多いコレクション順にランキング付けされています。

引用:NFTRanking

Murakami.FlowersやCNPといった、PFP系市場を築き上げたNFTプロジェクトが上位に複数見られる一方で、SNPITやSyFuなどゲーム系のNFTプロジェクト、NOT A HOTELのメンバーシップNFTのようなユーティリティのあるNFTなどがランクインしています。

フロアプライスで見ると、前回バブルのような盛り上がりはまだ感じられないものの、今後の動向に引き続き注視していきたいところです。

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参照元:NFT Media

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