「獺祭」の旭酒造、正規品の証明にブロックチェーン活用。SBI「SHIMENAWA」導入で
「獺祭」の旭酒造が「SHIMENAWA」導入
SBIトレーサビリティが提供するブロックチェーントレーサビリティサービス「SHIMENAWA(しめなわ)」が、山口県旭酒造に採用されたことが11月5日発表された。
同サービスの導入は、旭酒造による日本酒ブランド「獺祭」の最高峰「獺祭 Beyond the Beyond 2024」が対象だ。同サービスにより同日本酒が充填後、未開封状態で顧客に届いたことが証明できるとのこと。
「SHIMENAWA」は日本酒の不正な流通を防ぐことを目的に、日本酒の「真贋証明」や「開封検知」、「正規品管理機能(出荷先情報の紐付け)」、「日本酒のストーリー可視化(ファンマーケティング機能)」を提供するソリューション。米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン基盤「Corda(コルダ)」が活用されている。
なお「開封検知」にはNFCタグが利用されている。しかし今回の「獺祭 Beyond the Beyond 2024」ではチタン製のボトルが導入されており、金属質のものと接触した状態にするとNFCタグは内部アンテナの周波数帯に影響し、読み取りができないとのこと。
そこで今回の事例では、SBIトレーサビリティとUni Tag(ユニタグ)社が共同開発した世界初のチタン素材対応開封検知機能付きNFCタグを採用したとのことだ。
「SHIMENAWA」の「真贋証明」機能では、商品(現物資産)ひとつ一つにセットされるNFCタグに記録されている固有IDと、ブロックチェーン上に改ざんができない状態で記録される「いつ」、「どこで」、「誰が」醸造した日本酒かのデジタル情報が強固に紐付けされることで、その日本酒の醸造元・酒造会社を証明するとのこと。
また「開封検知」機能では、日本酒が未開封であることと、開封した瞬間が地図上に証明ができるという。またその銘柄が「いつごろ」、「どこで」、「どのくらい」消費されたかのデータを取得できるという。そしてそのデータは、蔵元が経営に活用できるとのこと。
「正規品管理機能」では、酒造会社でNFCタグにより日本酒ひとつ一つに付された固有IDに出荷先情報を紐付けし、データベースで管理可能になるとのこと。これにより不正な横流しの抑止効果が働くと共に、不正に横流しされた日本酒の出どころの傾向を把握し、特約店管理に活せるという。
また「日本酒のストーリー可視化」では、日本酒の原料となる山田錦を作った生産者から旭酒造までのトレーサビリティ情報が地図画面で顧客に提供されるとのこと。また「獺祭」がどのようなスペックか、旭酒造の酒造りのこだわりや歴史を画像や動画などのコンテンツ(日本語、英語、フランス語、中国語・簡体字、中国語・繁体字の5つに対応)で顧客に伝える機能、さらに開封(購入)を顧客自身で登録することで特別な画面が表示される機能も備わってるとのこと。
限定(非公開)サイトへの誘導の他、NFTが受け取れる機能もあるという。同機能は、SBINFTが提供する総合NFT運営支援サービス「SBINFT Mits」を活用し、現物資産と強固に紐付けたNFTによる顧客ロイヤリティ向上などの取組みが進められるとのことだ。
参考:SBIトレーサビリティ
画像:プレスリリースより
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参照元:ニュース – あたらしい経済