ジェネシスが1950億円超の現物ビットコインETF「GBTC」売却へ、破産手続きの一環で

ETHEやETHCGも売却申請中

米連邦破産裁判所が、暗号資産(仮想通貨)レンディング業者ジェネシスグローバル(Genesis Global )に対して、同社保有の現物ビットコインETF「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」約3500万株(13億ドル超相当:約1,950億円以上)を売却することを許可した。ブルームバーグが2月15日報じている。

報道によれば、ショーン・レーン(Sean Lane)判事は2月14日にジェネシスによる株式売却要求を認めたという。

ジェネシスは2月2日、破産手続きの一環として、GBTCの他に「グレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」、「グレイスケール・イーサリアム・クラシック・トラスト(ETHCG)」の株式を清算する許可も裁判所へ申請している。

ジェネシスによると同売却プロセスはブローカーの助けを借り、段階的に時間をかけて実施される予定だという。

ジェネシスの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)は、グレイスケール株があまりにも早く売却され、価格が下落した場合、ジェネシス債権者が回収できる資産額も減少する可能性があることへの懸念を示しており、DGCはグレースケール株について協議する権利を求めた。

しかしレーン判事は、独立採算で運営されているジェネシスには、資産の売却方法を決定する権利があり、売却はブローカーと戦略的に行い、株式の売却が早くなりすぎないように注意するだろうとの見解を示した。

またレーン氏は、暗号資産に関するかなりの専門知識をジェネシス及び同社債権者は持っており、グレースケール株を可能な限り高値で売却できるはずだと評価している。

GBTCについて

「GBTC」は、暗号資産運用会社グースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が運用する現物ビットコインETF。「GBTC」は元々グレースケールが運用していたビットコイン投資信託を名称そのままにETFへ転換したものだ。SECはこの転換についての承認を拒否したが、グレースケールが起こした裁判によって、昨年8月に承認拒否を取り消すよう命じられた。

その判決後となる1月11日グレースケールは、既存のビットコイン投資信託のETFへの転換が承認されたことで、一夜にして280億ドル(約4兆円)以上の運用資産を持つ世界最大のビットコインETFを誕生させた。

しかし、その後破産したFTXによるGBTC売却や手数料など複合的な影響により、GBTCの流出は続いている状況だ。

ビットメックス(BitMEX)リサーチのデータによれば、2月13日時点でのGBTCのトータルフローはマイナス約65.5億ドル(約9833億円)となっている。

JPモルガンのアナリストは1月11日のレポートでGBTCから流出した資産のうち約13億ドル(約1921億円)は、同社より手数料の低いブラックロック(BlackRock)とフィデリティ(Fidelity)に流れたと分析していた。

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参考:ブルームバーグ
images:iStocks/Wiphop-Sathawirawong

参照元:ニュース – あたらしい経済

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