プログマが社債プレマーケティングシステム「ビアンカ」連携でデジタル債の効率化検証、大和証券・SBIR3と

プログマがビアンカと連携でデジタル債の効率化検証

デジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」と社債プレマーケティングシステム「Biancha(ビアンカ)」の連携により、社債発行の効率化について検証を進めるという。「プログマ」開発のプログマと「ビアンカ」開発の大和証券およびSBI R3Japanの3社は、この検証を進めることについて合意したとのこと。

プレマーケティングとは、社債などの発行にあたり、引受証券会社が機関投資家の投資意向を確認する意見聴取のこと。日本国内では公募債の発行条件を適切に決定するために、そのほとんどの案件において行われている。

このプレマーケティングのプロセスは、各社に重複業務が発生している他、ヒアリングは電話やメール、チャットで行われ、情報集約もエクセルにより行われていることから、業界全体で大きな業務負担が発生しているとのこと。

大和証券及びSBI R3 Japanでは、社債発行プロセスの中でも特に作業が煩雑であるプレマーケティングに着目し、社債プレマーケティングシステム「ビアンカ」を開発。同システムは、投資家が直接的にブロックチェーンに投資意向を入力し、それを集計するシステムとなっているという。

なお現時点で「ビアンカ」は、上記の通りプレマーケティングプロセスの効率化を目的とするシステムであるが、今後はプレマーケティングの先に行われる、条件決定およびアロケーションの決定が可能なシステムへの拡張を予定しているとのこと。

アロケーションの決定後、発行・払込プロセスにおいて「プログマ」を活用することで債権のライフサイクル全体の効率化を目指すとのことで、3社は協同して検討を進めるとのことだ。

なお「ビアンカ」には、米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」が採用されている。ブロックチェーンプラットフォームとして「コルダ」を利用することで、真正性を担保したまま情報を集約できるだけでなく、参照が認められた会社間でのみデータが共有されることを可能としたとのことだ。

ちなみに「コルダ」の国内販売およびサポートは、SBI R3が行っている。

一方で「プログマ」は、「振替債」における受託金融機関向けシステムとして国内で圧倒的なシェアを誇るNTTデータグループの社債管理基盤「B-Apps Online」のデジタル社債管理向け機能「DBM(仮)」と連携し、「デジタル社債向け標準化インフラ」の構築を進めると8月に発表している。

なお証券保管振替制度に基づく「振替債」は、日本国内で年間20兆円超発行される公募債の大半となっている。

「ビアンカ」は「振替債」の発行プロセスの効率化を念頭に開発が進められていたというが、「デジタル社債向け標準化インフラ」の構築を進めるプログマにおいても、デジタル証券/デジタル債用のブロックチェーンプラットフォームは「コルダ」を採用していることから、両システムは相互運用性が期待できるとし、今回両システムを連携させた債券のライフサイクルの効率化について検証することを決定したとのことだ。

なお「プログマ」は、セキュリティートークン(ST)用のインフラ「Progmat ST」とユーティリティトークン(UT)用のインフラ「Progmat UT」、そしてステーブルコイン(SC)用のインフラ「Progmat Coin」の3つで構成されている。

「Progmat ST」においてはエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」が、「Progmat UT」では同じくエンタープライズ向けブロックチェーン「Quorum(クオーラム)」が採用されている。また「Progmat Coin」ではEthereum(イーサリアム)やPolygon(ポリゴン)等、複数のパブリックブロックチェーンを利用するマルチチェーン対応のプラットフォームとなっている。

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images:iStocks/Aleksandra-Zhilenkova

参照元:ニュース – あたらしい経済

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