バイナンス元CEO、判決前に米国出国を認めるよう裁判官へ要請=ロイター
CZ氏の米国出国認めるよう要請
大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)の元最高経営責任者で創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏の弁護士団が、マネーロンダリング防止要件違反の罪で判決が言い渡されるまで、CZ氏がアラブ首長国連邦(UAE)の自宅に戻ることを禁じるよう求める司法省(DOJ)の要請を却下するよう、米判事に求めている。
弁護団は11月23日に提出した書類にて、シアトル連邦裁判所のリチャード・ジョーンズ(Richard Jones)連邦地裁判事に対し、11月21日に判事が設定した保釈条件を覆さないよう要請した。
UAEとカナダの国籍を持つCZ氏は、バイナンスが効果的なマネーロンダリング防止プログラムを保てない原因を故意に作ったとして有罪を認めた後、11月23日にバイナンスのCEOを辞任した。
米国当局は、バイナンスが米国のマネーロンダリング防止法と制裁法を破り、米国がハマス、アルカイダ、イラクとシリアのイスラム国を含むテロリスト集団と評する組織との10万件以上の疑わしい取引を報告しなかったと発表している。
司法取引の一環として、バイナンスは43億ドル(約6,417億円)以上を支払うことに同意。CZ氏は、米商品先物取引委員会(CFTC)に1億5000万ドル(約223.8億円)の違約金を支払うことに同意した。検察は11月24日に提出した書類の中で、CZ氏は最高で18ヶ月の禁固刑に処される可能性があると述べている。
DOJは、ブライアン・ツチダ(Brian Tsuchida)米判事による、1億7500万ドル(約261.1億円)の保釈保証金で釈放することに同意したCZ氏を、2月23日の判決前にUAEに帰国させるという決定を11月27日までに取り下げるようジョーンズ判事に要請した。
政府は、UAEと犯罪人引き渡し条約を結んでいないこと、CZ氏が巨額の資産を持つ億万長者であることを考慮し、同氏が判決を受けるために米国に戻らないことを選択した場合、同氏の帰国を確保できない可能性があると述べた。
しかしCZ氏の弁護団は、CZ氏は「多額の」保釈金に同意し、自らの行動の責任を受け入れるために自発的に渡米したことで、逃亡の危険性がないことを証明したと主張した。
CZ氏がUAEに帰ることを許されれば、同氏はパートナーと3人の子どもたちの世話をし、判決に備えることができる、と弁護団は主張した。
DOJは11月24日に提出した準備書面で、11月21日の審問でCZ氏に判決前の釈放を提案したのは「異例」であり、渡航を制限することで逃亡のリスクを「管理」できると考えたからにほかならないと反論した。
DOJの弁護士は、「大半の場合、有罪を認め、実刑の可能性に直面し、米国への身柄引き渡しをしない国に住む数十億の富豪である被告は拘留されるだろう」と述べている。
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Reporting by Nate Raymond in Boston; Editing by Alexia Garamfalvi, Marguerita Choy and Daniel Wallis
翻訳:髙橋知里
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
参考:提出書類
images:Reuters
参照元:ニュース – あたらしい経済