アルゼンチン大統領選、ビットコイン支持派のハビエル・ミレイ氏が勝利
ビットコインも上昇
11月19日に行われた南米アルゼンチンの大統領選挙の決選投票で、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)支持派のハビエル・ミレイ(Javier Milei)氏(野党・右派)が勝利した。各社が報じている。
ミレイ氏の勝利報道を受けてかビットコイン価格は上昇をはじめ、11月20日8:45頃に約37,502ドル(約559.6万円)まで上昇。記事執筆時点(11月20日14:40)では約37,074ドル(約552.6万円)で24時間比で1.43%上昇している。(コインマーケットキャップ調べ)
アルゼンチンの選挙管理委員会によると、開票率約99%でミレイ氏の得票率は55.6%。ミレイ氏の対抗馬で、中道左派の与党候補セルヒオ・マッサ(Sergio Massa)経済相の得票率は44.3%でミレイ氏の勝利となったとのこと。
なおミレイ氏は12月10日より同国大統領に就任する。
ミレイ氏はSNSを活用し、政治的無関心な有権者から関心を得ることに成功していた。選挙キャンペーンの最終日には、自身が熱狂的に応援するメタリカ(METALLICA)の楽曲「ドント・トレッド・オン・ミー(Don’t Tread On Me)」のロゴに使われた蛇のデザインのケープをはおり、「メイク・アルゼンチン・グレート・アゲイン(アルゼンチンを再び偉大に)」と書かれた帽子をかぶって登場。また支持者の集会でロックを歌う等、若い層を中心にカリスマ的人気を得ていた。
過激な施策で知られる
また経済学者であるミレイ氏は独立系右派のリバタリアン(自由至上主義者)であり、経済施策として法定通貨のドル化や中央銀行の廃止を訴えた。その他にも臓器売買の合法化、銃器販売の規制緩和など様々な施策案を打ち出した。
またミレイ氏は外交面では現政権が重視する中国との関係の見直しやアメリカとの関係強化を主張している。
一方、今回敗れたマッサ経済相の施策は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行し、長引くインフレ解決を目指すものであった。
なおミレイ氏はその過激な政策から、アメリカのドナルド・トランプ(Donald John Trump)元大統領と比較され、「アルゼンチンのトランプ」と表現されることもある。
アルゼンチンでは現在、年率140%を越える急激なインフレや貧困率40%などの経済問題を抱えている。喫緊の問題に対処するにはミレイ氏の奇抜な施策が支持を得た形となった。
同氏は勝利宣言の演説にて、「衰退モデルは終わりを迎えた」と宣言。アルゼンチンの抱えるインフレ、仕事不足、貧困などの危機的問題に立ち向かうには生ぬるい口先だけの対策はゆるされないと強調した。
ビットコインを支持するミレイ氏だが、今後の経済施策にビットコインを活用するかについては明言されていない。
ビットコイン関連の政策で言えば、2021年9月7日にエルサルバドルでビットコインが法定通貨になったことが知られている。
また2022年4月27日には中央アフリカ共和国でビットコインが法定通貨となり、アフリカ諸国では初、世界全体では2カ国目の事例となった。
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参照元:ニュース – あたらしい経済