暗号資産Worldcoin(ワールドコイン)とは?WLDの買い方や将来性を解説
Worldcoin(ワールドコイン)は、ChatGPTの開発者サム・アルトマン氏が立ち上げた話題のプロジェクトです。
虹彩を活用した独自の生体認証システムと暗号資産によって、世界中にベーシックインカムを提供し、平等な生活水準の保証をめざします。
本記事ではWorldcoinの特徴や購入方法、将来性についてわかりやすく解説します。暗号資産に興味のある方、新しいトレンドを抑えたい方はぜひ最後までご覧ください。
ChatGPTを生み出したアルトマン氏が仕掛けるWorldcoin(ワールドコイン)とは何か
Worldcoinは、ChatGPTの開発で知られるサム・アルトマン氏が主導するAIと暗号資産を活用したプロジェクトです。
プロジェクトの目的はユニバーサルベーシックインカムを実現することとされています。つまり、国や生い立ちに関係なく、すべての人が世界経済にアクセスし、経済的価値を受け取れる仕組みの確立です。
Worldcoinのプロジェクトは2020年に始まりました。人工知能チャットボットChatGPTの開発で一躍有名になったAI企業OpenAIのCEOである『サム・アルトマン』と、量子情報科学と機械学習の専門家『アレックス・ブラニア氏』の両名によって共同設立されます。
2023年7月24日には、プロジェクトで使用される暗号資産『Worldcoin(WLD)』のリリースが発表。同日に多くの海外暗号資産取引所の上場も果たし、話題になりました。
ユーザーは『Orb(オーブ)』という専用端末で自身の虹彩情報を提供し、対価としてWLDを受け取ることができます。
ベーシックインカムの実現
サム・アルトマン氏は「貧困をなくすのに十分なほど豊かな社会があるなら、私たちには問題の解決方法を見つける道徳的義務がある」とユニバーサルベーシックインカムの重要性を語ります。
ユニバーサルベーシックインカムとは最低限所得保障であり、一般的には政府が全国民に対して決められた金額を定期的に支給する活動のことです。Worldcoinでは、AIと暗号資産を活用してすべての人に独自トークン『WLD』を配布することで、富の分配を目指します。
ただし、グローバルな分配システムの実現には、オンライン上で自分自身を認証するシステムが必須です。
また、AIの発展により「AIが人間のふりをする可能性」も考慮する必要性が生じてしまいました。そこでWorldcoinは、人の目から虹彩データをスキャンし、人間である認証を行うシステムを開発します。人間である証明を得たユーザーには、唯一無二のIDが発行され、定期的にWLDが配布されます。
シンプルかつ多機能なウォレット
暗号資産WLDの受け取りには、Worldcoinが開発したウォレットアプリ『World App』が必要です。
World Appの主な機能は次の4つ。
- 暗号資産の管理・入出金
- サービス利用時の決済
- DeFiや取引所との連携
- WLDの受け取り
World Appは無料で使えるウォレットアプリです。
暗号資産ウォレットを使い慣れていない初心者でも扱いやすいよう、シンプルな設計を採用しています。
虹彩認証によって発行されるWorld IDを登録すると、毎月WLDを受け取れたり、送金時に発生するガス代(システム手数料)が無料になったりと、より多くのメリットを享受できます。
イーサリアムのプロトコルを利用しているので、イーサリアムを含む複数の暗号資産にも対応。また、分散型取引所(DEX)のUniswapと連携したことで、手軽にトークンの取引が可能になりました。
【World Appのダウンロードリンク】
App:https://apps.apple.com/jp/app/world-app-worldcoin-wallet/id1560859847
GooglePlay:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.worldcoin&hl=en_US
多岐にわたるユーティリティを設計
暗号資産WLDには、ガバナンストークンとしての機能があります。
ガバナンストークンとは、プロジェクトの方針や開発など、運営に関わる意思決定に参加する権利をもつ暗号資産のこと。一般的には、ガバナンストークンを多く保有するほど、プロジェクト内で強い発言権を持つことになります。
しかし、Worldcoinでは特定の個人がIDで紐づけられているため、1トークン=1票の従来方式に加え、1人=1票の投票方式を導入を予定しています。
今後は、商品購入やサービスに対する支払い、送金、アーティストへの投げ銭など通貨としての用途拡大を計画し、利便性の高い通貨を目指します。
目の虹彩を使う画期的なユーザー識別
Worldcoinの中核をなす仕組みが、虹彩による生体認証システムです。
個人の目から虹彩を撮影し、デジタルコードに書き換えて『World ID』という独自コードを生成します。虹彩の撮影は各地に設置された『Orb(オーブ)』と呼ばれる球体の端末でおこないます。
インターネット上で人間とAIを区別することが難しくなるなか、人間であることを証明する方法として取り入れられました。虹彩認証の採用により、氏名や電話番号などを明示しなくても実在する人間である証明が可能になります。
World IDのメリットは、いかなる手段を用いても本人以外ログインできず、よって堅牢なセキュリティを保てる点です。加えて、自己管理型のデバイスパスポート機能も期待されます。IDやパスワード自体が不要になるため、入力の手間を省くこともできるでしょう。
虹彩データの取扱いについて不安の声もあるようですが、Worldcoin運営は「ユーザーが同意しない限り虹彩の画像は保存されない」と明記しています。
くわえて、ゼロ知識証明という暗号システムを活用し、プライバシー保護を徹底しながら個人識別をおこなっています。
2023年8月時点でWorld ID登録者は220万人を超えました。Orbはバルセロナ・ベルリン・ニューヨーク・ソウルなど世界34か国の都市に設置。日本では東京の3か所で虹彩撮影を実施しています。
なお、Orbによる撮影には事前予約が必要です。利用時にはWorld Appにて予約してから行くようにしましょう。
※電話での予約はNGとされています。
【国内Orb設置箇所】
・SingularityTokyo
〒150-0041
東京都渋谷区神南1丁目20−8 パークウェイテラス 3F
・NOX Gallery Tomigaya
〒151-0063
東京都渋谷区富ケ谷2丁目44−12 1F
・EDGE off
〒150-0034
東京都渋谷区代官山町13−5 135ビル 1F
Worldcoin(WLD)の買い方
WLDは、現時点で国内取引所には上場しておらず、海外取引所での購入が必要です。
また、海外取引所では日本円での取引ができないため、暗号資産で取引をおこないます。
WLDは以下の手順で購入しましょう。
- 国内取引所・海外取引所で口座を開設
- 国内取引所で、元手となる暗号資産を購入
- 購入した暗号資産を海外取引所口座に送金
- 海外取引所でWLDを購入、あるいはスワップ
▼取り扱い通貨数国内最大級の取引所『Coincheck(コインチェック)』の口座開設・利用方法はこちらの記事をご参照ください。
▼WLDを購入できる海外取引所は以下の13社です。※2023年8月22日時点
- BINANCE(バイナンス)
- KuCoin(クーコイン)
- OKX(オーケーエックス)
- Bybit(バイビット)
- Bitget(ビットゲット)
- Gate.io(ゲート)
- MEXC(エムイーエックスシー)
- Crypto.com(クリプトドットコム)
- Huobi Global(フォビグローバル)
- Bitrue(ビットゥルー)
- Indodax(インドダックス)
- ProBit Global(プロビットグローバル)
- WhiteBIT(ホワイトビット)
上記の中から、ご自身の用途に合った取引所を利用しましょう。
ただし、海外取引所の利用にはリスクが伴います。
金融庁の許可を得ずに運営されている場合もあり、取引時のトラブルや取引所の倒産時に保障を受けられない可能性があります。
ご利用時には、事前にリサーチをおこないましょう。
Worldcoin(ワールドコイン)の将来性
Worldcoinは、ブロックチェーンとAIの技術を活用した革新的なプロジェクトとして期待されています。
ベーシックインカムの実施と、独自の人体認証システムは世界中で活用されるアイディアです。
アクセス管理を行う企業『Okta』の認証プラットフォーム『Auth0』では、すでにWorld IDによる認証システムが追加されました。Auth0はSUBARUやdocomoなど、日本の有名企業も利用するシステムです。Auth0を介して、World IDによるログインシステムが世界中で活用される未来も考えられます。
Worldcoinプロジェクトがいかに期待されているかは、多額の出資額にも表れています。『a16z crypto(アンドリーセンホロウィッツ・キャピタル)』など名だたる企業や機関投資家が出資に参加。これまでに総額324億円以上の資金調達に成功しました。
野心的なプロジェクトとアルトマン氏のこれまでの功績が後押しをした結果でしょう。
Worldcoinの今後の課題として、他プロジェクトとの差別化と、Orb設置個所の拡充があげられます。プロジェクトの中核であるベーシックインカムは、多数の競合プロジェクトが乱立するレッドオーシャンです。独自の強みを見出し、市場での存在感の確立が求められます。
また、虹彩認証に必要なOrbの数も問題です。国内ではまだ3か所しかなく、世界中の人間が利用するには圧倒的に数が足りていません。より広いエリアでの提供が不可欠です。
しかし、課題を解決した暁にはWorldcoinが世界に不可欠なプロジェクトになる可能性は十分にあるでしょう。
参照元:NFT Media