テザー社、ドル送金処理にバハマ拠点の銀行利用か=報道

米銀行の提携解消が理由か

ステーブルコインUSDTの発行元であるテザー(Tether)社が、バハマ拠点の非上場銀行ブリタニア・バンク&トラスト(Britannia Bank & Trust)を利用し、ドル送金を処理しているようだ。ブルームバーグが関係者の話をまとめる形で8月29日報じた。

報道によればテザー社はここ数カ月間、顧客に対しブリタニア・バンク&トラストの口座に送金するよう指示しているという。なお同銀行との提携開始時期は不明だ。

顧客はテザーにてステーブルコインを購入する際にドルをデポジットする必要があるが、その際のドル送金先がブリタニア・バンク&トラストになっているということだ。

現在「USDT」は最も利用されているステーブルコインであり、流通総額は約828億ドルとなっている。(2023年8月30日16:00時点コインマーケットキャップ調べ)

ブルームバーグによれば、テザー社は取引銀行との関係を獲得・維持することに苦労してきたという。

2017年にはウェルズ・ファーゴ・アンド・カンパニー(Wells Fargo & Co.)との契約が終了。

またテザー社の一部顧客は、NY拠点のシグネチャー銀行(Capital Union Bank)が今年3月に閉鎖するまでは、同銀行経由でテザー社の銀行パートナーであるキャピタル・ユニオン・バンク(Capital Union Bank)を介してドル送金を処理できていたとのことだ。

過去に準備金不正利用で裁判も

テザー社は2021年2月、準備金不正利用をめぐるニューヨーク州司法当局(NYAG)との裁判に和解。

この裁判は2019年4月にニューヨーク州司法当局がビットフィネックスとテザー社を、ビットフィネックスがテザー社の裏付け資産から約900億円(8億5,000万ドル)を不正に利用したとして告訴したことに端を発し始まった裁判で、その後の調査によって2017年以降の一部期間においてテザー社の発行するUSDTが米ドルと1対1で担保されていなかったことが判明していた。

和解の条件として暗号資産(仮想通貨)取引所のビットフィネックスとテザーは和解金1,850万ドル(当時の価格で約19億5,000万円)の支払いとニューヨーク州での顧客へのサービス停止に合意した。

またテザー社はこの和解に伴い、USDTの裏付け資産に関する情報を四半期ごとに公開することを約束している。

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参考:ブルームバーグ
デザイン:一本寿和
images:iStock/urii-Garmash

参照元:ニュース – あたらしい経済

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