NFT詐欺防止ツール「KEKKAI」とは?特徴や仕組み・使い方を紹介
Web3のセキュリティ向上させるプラグイン「KEKKAI」は、全ての人が安心してWeb3を楽しめるために開発されました。Web3市場では、偽のWebサイトへ誘導しウォレットをハッキングする詐欺や、有名プロジェクトのアカウントを装った詐欺アカウントなどが多発しています。
しかし、ブロックチェーンのトランザクションは複雑になっているため、Web3を日頃から触っている人でも詐欺を正確に検出するのはかなり難しいです。
本記事では、危険な取引を検出し、リスクを警告してくれるサービスKEKKAIの特徴や仕組みなどを解説していきます。
KEKKAIとは
KEKKAIは、「全ての人が安心できるWeb3を」というビジョンの実現を目指して開発されているセキュリティ向上プラグインです。
KEKKAIの開発背景
KEKKAIは、Web3業界の詐欺の多さと、今後、さらに詐欺が拡大していってしまうリスクがあったために、その問題を解決するために開発されています。
2022年の5月頃から日本のNFT市場が急成長した一方、NFT初心者やNFTのリスクへの理解が低いユーザーが増加し、世界中の詐欺師に狙われる可能性が高まりました。
2022年のクリプト年間詐欺被害総額は世界で4,900億円にもなったと言われており、Web3ユーザーが安心して楽しめる環境ではありませんでした。
そのような状況を 改善するためにWeb3のセキュリティを底上げし、Web3全体の環境改善に向けてKEKKAIが開発されました。
KEKKAIが提供しているサービス
KEKKAIは、ウォレットでのトランザクション実行時にシミュレーションを行い、危険な操作やコントラクトが検出された際には警告をしてくれる無料のブラウザ拡張機能を提供しています。
Web3詐欺被害者の多くは、知らぬ間にリスクのある取引を実行してしまうケースが大半を占めているため、取引実行前に詐欺を検出し警告することで詐欺を未然に防げるようになります。
今までのNFT詐欺対策は、各NFTプロジェクトやNFTマーケットプレイスによる注意喚起や、リスクがあることを理解し、個人で対策をするのが一般的でした。しかし、NFTに精通していると思われていた人ですら、詐欺に遭ってしまうほど対策は難しいままでした。
KEKKAIを利用することで、個人で対策しきれない部分を代わりにサポートしてくれるようになります。
KEKKAIの特徴と仕組み
KEKKAIは、Chrome拡張機能であり、簡単に無料でダウンロードができます。WebブラウザにインストールするだけでKEKKAIの準備は完了となります。
続いて、KEKKAIがどのようにNFT詐欺を防止するするのか、その仕組みを解説していきます。
KEKKAIの詐欺防止の仕組み
KEKKAIは、MetaMaskなどのウォレットで取引を実行する前にKEKKAIがシミュレーションを自動で実行し、考えられるリスクを表示します。リスクがある場合は、赤色で警告メッセージが表示されるため、詐欺を未然に防ぐことが可能です。
詐欺被害の多くは、NFTの取り扱い権限を与える「Set approval for all」やETHなどの暗号資産の取り扱い権限を与える「ETH Sign」によるものです。
これらのコントラクトは、MetaMaskなどに表示がされているものの、基本的に英語、プログラム言語で標記されているため、取引の度に確認するのは困難です。
KEKKAIは、リスクのあるコントラクトを確認する手間を省き、詐欺リスクのある取引の場合には、一眼でわかるように警告メッセージを表示してくれます。
KEKKAIのAPI・SDKサービス
KEKKAIは、取引前のトランザクションシミュレーション機能と詐欺リスクのある取引を検出し警告する機能をパッケージ化したSDK・APIサービスを提供しています。
SDKでは、3行ほどの少ないコードで簡単に実装可能となっており、暗号資産ウォレットやdAppsのセキュリティUXを向上させることができます。
KEKKAIが提供するリボーク機能
KEKKAIは公式サイト上でリボーク機能を提供しています。
リボークとは、NFTやトークンに付与した「Approval」を取り消しするトランザクション(処理)です。Approvalは、正しく利用されれば便利なコントラクトですが、詐欺師が悪用するケースも多くあります。
そのため、リボークでApprovalを解除することでセキュリティが向上させることが重要です。
しかし、従来のリボークは日本語に対応しておらず使いにくいという課題がありました。KEKKAIが提供しているリボーク機能は日本語に対応しており、シンプルなUI/UXで使いやすいのが特徴です。
また、リボークの優先順位を算出して表示する機能も実装しているため、どれをリボークしたらいいかわからないという人でも安心して利用できます。
KEKKAIが提供する便利な機能
KEKKAIでは、ユーザー体験を向上させる便利な機能を数多く提供しています。
■ホワイトリスト
頻繁にアクセスする安全なWebサイトをホワイトリストに登録することで、取引のシミュレーションを行わないようにできます。
■NFT valuation
NFTの価格をリアルタイムで確認し、適切な価格で売買されているかどうかを判断します。また、大きな値動きがあった際には、詐欺を防ぐために警告が表示されます。
■マルチチェーンのサポート
約70種類のチェーンに対応しており、様々なケースで詐欺に対応できる。
■多言語対応
日本語・英語に対応しているため、安心して利用できる。
■一時停止機能
NFTのミント時など特定の状況で、KEKKAIの機能を30分間、一時停止できる。
KEKKAIの使い方
KEKKAIの使い方を解説していきます。
初めに、KEKKAIをWebブラウザ上にインストールしていきます。
対応しているブラウザは、
・Chrome
・Edge
・Brave
・Firefox
となっています。
ご自身のPCで下記のダウンロードページにアクセスします。
https://chrome.google.com/webstore/detail/kekkai-%E7%B5%90%E7%95%8C/ahidmapichficbkfglbhgmhjcojjmlnm
画面右上にある「Chromeに追加」をクリックします。
「拡張機能を追加」をクリックします。
KEKKAIのインストールが完了すると、チュートリアルページに遷移します。
「ウォレット接続」をクリックし、テストトランザクションを行うことでチュートリアル特典がもらえます。
あとは、取引の際にKEKKAIによってシミュレーションが行われ、詐欺リスクがある場合は警告がされます。
KEKKAIを使用する際の注意点
KEKKAIは、取引の際にシミュレーションを行い、詐欺の可能性がある取引を検出し表示するツールです。
そのため、正しい取引であっても警告やエラーが表示されてしまう場合があります。信頼できる取引の場合は、警告やエラーが出た場合でも取引を実行しましょう。
また、頻繁にアクセスする安全なWebサイトはホワイトリストに登録しておくことで、取引のシミュレーションを行わないように設定もできます。
ホワイトリストへの登録方法は、KEKKAIを起動し、「設定」をクリックします。
「ホワイトリストに登録」をクリックします。
URLやアドレスを入力し、「ホワイトリストに追加」をクリックして、ホワイトリスト登録は完了です。
参照元:NFT Media