XRPの有価証券性をめぐる裁判の判決「今後覆される可能性」元SEC関係者の意見
「リップル裁判の判決は覆される可能性が高い」と指摘
米証券取引委員会(SEC)執行部の元弁護士であるジョン・リード・スターク氏は2023年7月15日に、米SECのRipple社に対する訴訟で「XRP自体は有価証券に該当しない」との判決が出たことについての自信の見解を語りました。
米SECは仮想通貨XRPは有価証券であると主張していましたが、ニューヨーク州南部地区地方裁判所は今月13日に「XRP自体は有価証券に該当しないが、Ripple社の販売・配布方法によって判断が異なる」という見解を示しました。
具体的には「XRPの一般販売などは証券販売に該当しないが、機関投資家への販売は未登録証券の販売に該当する」との見解が示されており、この判決が出た後にはXRP価格が60%近く上昇していました。
しかし、ジョン・リード・スターク氏は15日に公開した記事の中で『今回の判決は不安定で、いずれ控訴される可能性が高く、覆される可能性も非常に高いため、必ずしも喜ばしいこととは言えない』との見解を語っています。
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Ripple社が直面する問題について
ジョン・リード・スターク氏は最初に、米SECはリップル社のXRP販売を「機関投資家向け販売・プログラム販売・その他の販売」という3つのカテゴリーに分類していると説明しています。
同氏によると「機関投資家向け販売」に関しては”有価証券に該当する”との判断が下されているため、Ripple社は「機関投資家への販売撤回」や「違反に対する支払い」の問題に直面しているとのことです。
機関投資家は一連のXRP取引を取り消して資金返還を求める権利を有していることになるため、これによって大量のXRPが返還され、市場やXRP価格に影響が出る可能性があると懸念されています。
なお、機関投資家向け販売に関連する金額については『7億2000万ドルだったと伝えられている』とも説明されており、「裁判所はリップル社の幹部が同社の無登録発行を幇助・教唆したかどうかを判断するには陪審が必要であるとの判決を下した」とも指摘されています。
一般投資家へのXRP販売について
また「一般投資家は発行者の努力による利益を期待していなかった」という裁判所の判断についても投資の基本的な概念と矛盾していることが指摘されており、『個人投資家がXRPを選んだのには理由がある。Ripple社の努力で価格が上がると信じていた』と述べられています。
裁判所の見解では、一般投資家はXRPの発行者などに関する詳細を認識していなかったとの見解が示されているとのことですが、同氏は『個人投資家が無知だったという考えには同意しない』として、個人投資家もある程度の情報を認識していたはずであるとの見解を示しています。
同氏は『購入者が発行者を知らないはずがない』とも述べており、『たとえ購入者が発行者について知ることを拒否していたとしても、それによって”有価証券ではない”ということにはならないはずだ』ともコメントしています。
過去には「米SECは正しい」の見解も
投資家保護の目的に反するとの指摘も
ジョン・リード・スターク氏は米SECが”投資家保護”を使命としていることを説明した上で「機関投資家にはSECの保護や救済措置が与えられているのに、個人投資家には保護が全く与えられていないのはおかしい」とも指摘しています。
同氏は「無知な個人投資家ほど受ける保護が少なくなり、トークンに関する情報開示が少ないほどトークン発行者の責任が軽くなるのはおかしい」と指摘しており、投資に関連する資料を読んだかどうかによって投資家の保護レベルが変わるべきではないとしています。
このように語るスターク氏は『株は常に株であり”株でないもの”には変化しない』と述べており、米SECは今回の判決を不服として控訴し、第2回目の裁判では「プログラム販売」や「その他の販売」に関する地方裁判所の判決が覆ることになるだろうと結論付けています。
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