日本政府が6月1日よりトラベルルール開始、暗号資産規制を国際基準に=報道

厳格なアンチマネーロンダリング対策施行へ

日本政府が、暗号資産(仮想通貨)に関する政令を5月23日閣議決定した。

今回閣議決定された法令は、犯罪収益移転防止に関する法律等の改訂と、関連規定の施行期日を定める法令だ。なおこれら関連規定は6月1日より施行されることが各社が報じている。

報道によれば、新たな規定では、金融活動作業部会(ファトフ:FATF)が提唱する「トラベルルール」を遵守し、マネーロンダリングなどに対する犯罪対策を強化するという。日本の法的枠組みを国際基準の暗号資産規制と一致させる狙いだ。

日本は、2021年8月に公表された第4次対日相互審査報告書にて、FATFより実施的な不合格となる「重点フォローアップ国」と評価されたことを報告している。以後3年間、FATFへの改善報告を毎年求められていた。

金融活動作業部会とは

FATFは、Financial Action Task Forceの略で、マネーロンダリングやテロリストへの資金供給を防ぐ対策の基準をつくる国際組織だ。2023年2月末時点で約37の加盟国・地域及び2つの国際機関で構成され、各国の取り組みを相互審査している。

G7もトラベルルールを支持

「トラベルルール」は、5月中旬に日本で開催されたG7財務相会合でも議論が行われている。

その議論にてG7は「[トラベルルール]を含む金融活動作業部会(FATF)による暗号資産に関するFATF基準のグローバルな実施を加速する取り組み、およびDeFi取引ピアツーピア取引などからの新たなリスクに関する作業を支持する」立場を明らかにしている。

トラベルルールについて

トラベルルールとは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与への対策を目的として、金融活動作業部会(FATF)が定めた顧客情報の共有に関するルールである。トラベルルールによると、顧客によって一定額以上の資金が送信される場合、受信側と送信側の暗号資産プロバイダーはその顧客に関する情報を共有しなければならない。

なお先日より国内暗号資産(仮想通貨)取引所らが、「トラベルルール」の対応により暗号資産の直接送付ができない交換業者について通知を行っている。

bitbank(ビットバンク)および楽天ウォレットでは、bitFlyer(ビットフライヤー)、コインチェック、Crypto Garage(クリプトガレージ)が対象で、ザイフではビットフライヤーとコインチェックを対象にあげている。

楽天ウォレットでは、この対応を5月24日から開始するとし、またZaifは5月~6月中に行うとしている。またビットバンクは対応開始予定日が決まり次第、告知を行うとしている。

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参考:首相官邸共同通信共同声明
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Rawpixel

参照元:ニュース – あたらしい経済

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