米CFTC:暗号資産取引所「BINANCE」を提訴|Voyager買収計画も保留に


米商品先物取引委員会(CFTC)は2023年3月27日に、大手暗号資産取引所BINANCE(バイナンス)や同社のCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao/CZ)氏を提訴したことを発表しました。同日27日には「Binance USのVoyager買収計画が差し止めになったこと」も報告されており、本日28日にはBINANCE・CZ氏からの公式コメントも公開されています。

こちらから読む:仮想通貨関連の注目記事を新着順で「暗号資産」関連ニュース

米顧客向けに違法にサービスを提供したと指摘

米商品先物取引委員会(CFTC)は2023年3月27日に、大手暗号資産取引所「BINANCE(バイナンス)」のCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao/CZ)氏とBINANCEを運営している以下3つの事業体を提訴したことを発表しました。
・Binance Holdings Limited
・Binance Holdings (IE) Limited
・Binance (Services) Holdings Limited

CFTCは「BINANCEの関連会社はCZ氏を指導者として不透明な共通企業を通じて、他の多数の企業体と共に中央集権型の暗号資産取引プラットフォームである”BINANCE”を運営している」と説明しており、BINANCEは米国でデリバティブ取引サービスを提供するために必要となるCFTCへの登録作業などを意図的に無視してサービス提供を行なっていたと指摘されています。

具体的には「BINANCEは2019年7月から現在に至るまで、米国居住者に対して商品デリバティブ取引を提供していた」とされており、「CZ氏は企業利益を最大化するために従業員と顧客にコンプライアンス管理を回避するよう指示した」とも説明、さらに「BINANCEのような先物取引業者は顧客情報収集の義務があるにも関わらず、取引前に身元確認情報の提出を求めず、マネロン防止などのための手順を実施していなかった」といった指摘もなされています。

このように主張するCFTCは「罰金の支払い、不正利益の返還、永久的な取引・登録の禁止」などを求めています。なお、今回の発表では、BINANCEの違反を幇助したとして、BINANCEの元最高コンプライアンス責任者であるSamuel Lim氏を提訴したことも説明されています。

Binance USのVoyager買収計画も差し止めに

BINANCEに関しては、米国の暗号資産取引所「Binance US」が仮想通貨レンディング企業「Voyager Digital」の買収に向けた動きを進めていることも報告されていましたが、2023年3月27日には米ニューヨーク連邦破産裁判所が「Binance USのVoyager買収計画の仮差し止め」を命じたことも報告されています。

Binance USのVoyager買収案は2023年3月7日に米連邦破産裁判所から承認されていましたが、米国証券取引委員会(SEC)や米連邦取引委員会(FTC)はBinance USによる買収に反対、アメリカ合衆国司法省(DOJ)も買収に異議を唱える上訴を提出を提出していました。

裁判所は今回の買収に関する計画を保留するための要求を認可したとのことで、これによって裁判所で上訴が行われるまでの間は売却が保留になると報告されています。なお、判決理由をまとめた意見書は近日中に発行される予定とのことです。

BINANCE・CZ氏からの公式コメントも

BINANCEとChangpeng Zhao氏は米商品先物取引委員会(CFTC)の訴訟を受けて2023年3月28日に公式サイトでCZ氏のコメントを発表しています。

公式発表の冒頭では『我々は2年以上にわたってCFTCと協力してきたにもかかわらず、CFTCは予想外の残念な民事訴状を提出した』と記載されており、『この訴状には正確ではない内容も含まれているようで、私たちはこの訴状で主張されている多くの問題の特徴に同意していない』とも説明されています。

具体的には「Binance.comはコンプライアンスを確保するために業界最高水準の技術を開発・導入している」と説明されており、「BINANCEは本人確認プログラムを実施した最初のグローバル取引所であり、国籍・IP・モバイルキャリア・デバイスの指紋・銀行の入出金・ブロックチェーンの入出金・クレジットカードのビン番号などで米国ユーザーをブロックしている」とも説明されています。

さらにBINANCEは「法執行機関と協力して透明性の確保に取り組んでいること・これまでにも資金凍結/押収などで協力していること・世界で最も多くのライセンスを取得していること・利益のための市場操作などを行なっていないこと」なども説明しており、記事の最後では『BINANCEはすべての問題に対する友好的な解決策を探している』とも説明されています。

仮想通貨関連企業などに対する米政府機関の訴訟はここ最近で急速に増えてきていますが、BINANCEは仮想通貨業界を代表する最大手の暗号資産取引所であるため、今後の動向には注目が集まっています。

>>「CFTC」の公式発表はこちら
>>「買収計画差し止めの裁判資料」はこちら
>>「BINANCE」の公式発表はこちら

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です