初の公共メタバースプラットフォーム「Metaverse Seoul」が韓国で誕生
韓国のソウル市は、ソウル市民が仮想空間で自治体のサービスにアクセスできる公共メタバースプラットフォーム「Metaverse Seoul(メタバース・ソウル)」の一般公開を開始しました。
独自の公共メタバースプラットフォームを立ち上げた都市は、ソウル市が初です。
▼メタバースについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください
行政業務の全領域に対応可能なプラットフォーム
メタバース・ソウルは、行政の全領域(経済、文化、観光、教育、苦情など)にわたるエコシステムを、メタバースプラットフォームで実現していく画期的なプロジェクトです。
ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は、このプロジェクトがベータ版を終えて第1フェーズに入ったことを発表しました。
ベータ版では、バーチャル市長室前に「フィードバック」ボタンが設置されており、市民がクリックして市政やメタバースサービスに対して意見を登録し、登録された意見は関連部署から返信を受けることができるといった意見収集などが行われました。
▼メタバースはまだリモートワークに適していないのか
これまでにない行政サービスを実現
メタバース・ソウルは、5年後のビジョンとして、公文書へのアクセスや免許の取得、サービスに対する苦情申し立てなどができるフルサービスのバーチャルワールドを構築することを掲げています。
ソウル市の呉世勲市長は会見にて、「メタバース・ソウルは、時間や場所に影響されることなく、誰もが活用できる包括的な行政サービスです。そして、市民にとってこれから重要なコミュニケーションツールになることでしょう。」と述べています。
このメタバースプロジェクトを展開するにあたり、ソウル市は約20億ウォン(約2億円)を費やしました。
今後、直接役所に出向くことが困難な高齢者が、バーチャル体験にアクセスできるようにするなど、利用者の拡大を計画しています。
▼メタバースの土地NFT6億円分が9時間で完売!【Web3.0型メタバースXANA】
企業への遠隔コンサルティングサービスや、若者向けの相談窓口を開設
メタバース・ソウルは、アメリカのニュース雑誌『TIME』の「2022年ベストインベンションズ200」にも掲載されています。
この公共メタバースプラットフォームの具体的なサービス内容として、例えば、企業に対して、専門家との遠隔コンサルティングセッションの機会の提供や、青少年に対して、キャリアカウンセリングやメンタリングなどの相談窓口があります。
相談窓口はアバターサービスが故に、相談者が直接出向く必要がないため、比較的に気負うことなく利用できることが伺えます。
また、メタバースにてソウルプラザを再現した空間でゲームをしたり、市長室を見学することができるほか、人気の観光地10カ所が再現されており、市民の繋がりの場ともなるでしょう。
▼東京大学が「メタバース工学部」設立を発表
イノベーション大国である韓国
韓国は技術面に強くインターネット接続速度が最も速い国の一つであり、長い間eスポーツの世界的なハブとなってきました。
そして、ゲーム産業が成長を続ける一方で、Web3やメタバースの技術革新にも取り組んでいます。
韓国は、2016年以降、メタバース関連の特許出願件数でアメリカに次いで2位となっており、全世界で行われた総出願件数7,760件のうち、19%が韓国企業によるものという驚異的な数字です。
今回一般公開されたメタバース・ソウルはまだ第1フェーズで、2026年までに第3フェーズまで展開されていく予定であり、市政全てのサービスをメタバースで行うほか、スマートワークシステムやXRスマートタウンなどの計画が進められています。
これから韓国で進むWeb3やメタバースの開発に注目です。
Metaverse Seoul:
TIME「THE BEST INVENTIONS OF 2022」:
https://time.com/collection/best-inventions-2022/6226981/metaverse-seoul/
▼メタバース関連企業10選
▼【メタバース×福祉】メタバースは障害者の日常生活をどのように支援できるのか?
元記事:https://nftnewstoday.com/2023/01/18/seoul-metropolitan-government-opens-public-metaverse/
参照元:NFT Media