厳冬の仮想通貨業界、ジェネシスが再度30%のレイオフを発表
ウォールストリートジャーナルによると、アメリカの暗号資産(仮想通貨)企業ジェネシス(Genesis Global Trading)社は、1月5日付で従業員の30%をレイオフすると発表しました。レンディング業界の苦境は深刻さを増しています。
従業員を半減させる苦渋の決断
ジェネシスの広報担当によれば、前例のない業界危機に対処するため、同社は世界規模でスタッフのレイオフに踏み切ったということです。
さらに同社は対象になるスタッフに対して、将来的な経営、クライアント、スタッフに利益をもたらすため、長期的で献身的な努力を捧げてくれたことに心から感謝するとも述べています。
2023年を迎えてからジェネシスはクライアントに対して、借り入れとレンディング部門に関わる問題解決に取り組むことを約束しましたが、それには時間がかかるとも釈明しています。2022年11月にはFTX破綻の影響を受けて、同社の預金引き出しと新規ローンの受け付けは完全にストップしました。
ジェネシスの暫定CEO(最高経営責任者)デラル・イスリム(Derar Islim)氏もクライアントに向けて、可能な限り早く問題を解決させたいが、非常に複雑なプロセスが必要になるため、もう少し時間を要すると陳謝しています。
出口の見えない破綻の連鎖
ジェネシスは2022年の8月にも、全従業員260人のうち20%をレイオフしました。法定文書により、同社がヘッジファンドのスリー・アロウズ・キャピタル(Three Arrows Capital)社に、24億ドル(約3,210億円)を融資していたことが明るみに出てから、わずか数週間後のことでした。
8月17日には、前CEOのマイケル・モロ(Michael Moro)氏が電撃辞任し、同社は組織全体の歩調を合わせて今後の戦略を立て直す計画を発表しました。モロ氏は2016年からCEOを務め、機関投資家向け借り入れ・レンディング、デリバティブ、カストディ、プライム・ブローカレッジなどのサービスを拡充し、OTC(店頭取引)を越えてジェネシスの可能性を広げてきました。
スリー・アロウズ・キャピタルの破綻は、ジェネシスに深刻な打撃を与えました。一方でジェネシスは同社への24億ドルの融資に、50%の担保を設定していました。ジェネシスがデジタルカレンシー・グループ(DCG:Digital Currency Group)の完全子会社であることから、DCGはスリー・アロウズ・キャピタルに対して12億ドル(約1,605億円)の請求権を持っており、担保の清算後もその最大の債権者であることに変わりありません。
参考
・Genesis says 30% of employees will go in new lay-offs
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