「ビットコイン(BTC)からイーサリアム(ETH)へとトレンドが移行」社ジェネシスがレポート発表
デジタル資産の仲介業を営むジェネシス(Genesis)は8月4日、2021年第2四半期の仮想通貨市場レポートを発表した。この中で同社は、ビットコイン(BTC)からイーサリアム(ETH)へとトレンドが移行していることを明らかにしている。
ビットコインのドミナンスは2018年1月以来の最低レベルに
今回のレポートの中でジェネシスは、現物取引におけるビットコイン取引の割合に注目している。2020年第2四半期のビットコイン取引の割合は約80%だった。しかし、2021年第2四半期のビットコイン取引の割合は約47%に減少している。仮想通貨のエコシステムにおけるビットコインのドミナンスは、2018年1月以来の最低レベルに低下した。一方で、イーサリアムは現物取引全体の約25%を占めていた。
またジェネシスは、デジタル資産のレンディングに関する考察を行っている。同社は、2021年第1四半期には200億ドル(約2兆2,000億円)の新規ローンを組成した。これに対して2021年第2四半期では、250億ドル(約2兆7,400億円)の新規ローンを組成している。この数字は、四半期単位では最大の数字だ。
ジェネシスは、2018年3月に融資事業を開始しており、13四半期連続で貸付額が大幅に増加した。累積ローン組成額は、660億ドル(約7兆2,400億円)に達している。なお、2021年3月末と2021年6月末を比較すると、ビットコインの価格は約40.5%下落した。しかしローン残高は、8.1%減の83億ドル(約9,100億円)にとどまっている。
イーサリアムと分散型金融に注目
ジェネシスのマイケル・モロ(Michael Moro)CEO(最高経営責任者)は、「従来の金融機関の仮想通貨市場への関与が強まっており、無視できない状況になっている」と述べた。「デジタル資産市場には、機関投資家にとってはまだ参入障壁がある。だが、成熟しつつあるデジタル資産市場にアクセスしやすいことが、ジェネシスへの需要が高まっている理由だと思われる。この業界は、仮想通貨の導入や空間内の多様化が進むにつれて、成熟していくだろう」と話している。
ジェネシスのマット・ボールンスウェイグ(Matt Ballensweig)機関投資家向け融資の責任者は、「ジェネシスの活動と市場全体のトレンドは、業界のゲートウェイ資産としてのビットコインの役割の変化を確認し、イーサリアムと分散型金融が新たな主役であることを強調している」とコメント。また「時価総額におけるビットコインのドミナンスは、2020年末の70%以上から第2四半期末には45%以下に低下し、イーサや主要な分散型金融トークンのほとんどが年初から2倍以上の価格になっている」と語った。
参考
・Genesis Q2 2021 Market Observations
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文:かにたま
参照元:CoinChoice