8月からのビットコイン(BTC)価格はどうなる?強気と弱気の境界線で繰り広げられる攻防と予測
7月最後の週は、アマゾン(Amazon)が暗号資産(仮想通貨)決済を導入するという話題により、マーケットは熱気に満ちた強気傾向で始まりました。しかし、その話題が誤りであったことが確かとなったことでビットコイン(BTC:Biotin)価格は40,000ドル(約438万円)付近で勢いを削がれ、状況は沈静化しつつあります。
ただ、現在の価格帯である40,000ドルは一種の分水嶺となっています。今後強気相場に移行するのか、もしくは弱気相場がそのまま続いていくのか、さまざまな予測や行動が繰り広げられています。
21週EMA指数から見た強気と弱気の境界線
仮想通貨アナリストのレクト・キャピタル(Rekt Capital)氏は、ビットコインが31,000ドル(約339万5,000円)から40,925ドル(約448万1,000円)へ急激に上昇したことで、21週間を期間として設定した指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)に一気に近づいたことを指摘しています。ビットコイン価格が21週EMAを上回れば強気傾向となり、下なら弱気傾向となることは広く知られています。
The 21-week EMA is largely regarded as a #BTC Bull Market indicator
When $BTC is above it – BTC is thought to be in a Bull Market
When price is below it – BTC is thought to be in a Bear Market
BTC is now fighting to breakout beyond the 21-week EMA (green)#Bitcoin #Crypto pic.twitter.com/rMqeWzJS4i
— Rekt Capital (@rektcapital) July 28, 2021
キャピタル氏のツイートでは、21週EMAは現在4万ドル付近にあり、強気と弱気とを分ける「境界線」を形成しているとのことです。ただ、この考えに対しては、過去に同様の動きがあったものの、逆に弱気傾向へ移行したことを例に挙げ、強気傾向を期待しすぎるトレーダーに注意喚起する意見もあります。
ビットコインを貯め込むクジラ
マーケットでほとんどためらいを見せずに売買を行う「クジラ」は、投資家のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏の名言である「他者が貪欲な時は恐れを持ち、他者が恐れている時は貪欲になれ」という教えに従って、価格が下がったビットコインを貪欲に買い漁っているように見えます。
#Bitcoin's whales have been staying busy, and addresses holding between 100 and 10,000 $BTC just reached a combined #AllTimeHigh 9.19m coins held. They have added 170,000 more $BTC since May 22nd, and a staggering 130,000 $BTC in the past 4 weeks alone. https://t.co/qv5IbYXgGQ pic.twitter.com/PwrmUyz9Of
— Santiment (@santimentfeed) July 29, 2021
オンチェーン分析プラットフォームであるサンティメント(Santiment)によると、ビットコインが35,000ドル(約383万4,900円)以下で取引されていた直近の4週間で、クジラたちは130,000BTCを購入しています。30,000ドル(約328万7,000円)から35,000ドル幅の価格帯で、これだけ多くの買いが入るということは、クジラたちは価格の引き戻しによって、さらに買いを続けるのではないかと指摘するアナリストもいます。
強気傾向にしたいオプション市場
ここでオプション市場を見てみると、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析による根拠と関係なく、強気筋にとっては40,000ドルを維持することによるいくつかのメリットが存在しています。
取引所のデリビット(Deribit)では、7月30日を限月とするプットオプションの87%が39,000ドル以下に並んでいます。成立までこのレベルを下回る価格を維持できれば、合計1億500万ドル(約110億1,168万円)のプットオプションが行使されることになります。
参考:bybt.com
ただ、39,000ドル以下には3億2000万ドル(約350億6,208万円)分のコールオプションも存在しており、プットオプションに比べると2億1,500万ドル(約235億5,733万円)も上回っています。もし40,000ドル以上で限月を迎えたとしても、まだ1億4,000万ドル(約153億3,966万円)分上回った状態になるため、それまでに価格を押し上げてコールオプションを成立させようとする動きが出てもおかしくはありません。
日本時間で7月31日午前0時が期間満了となる限月においては、オプション市場全体で合計6億5000万ドル(約712億1,985万円)相当のBTC先物が失効予定ですが、先んじてポジションが閉じられる可能性もあるため、価格への影響は主にCMEで取引されている額の4億5500万ドル(約498億5,389万円)分の決済で生じるものになるでしょう。ただ、オプション市場のデータは現在、少なくとも当面の強気傾向を示唆しています。
参考
・Bitcoin traders express mixed emotions about what’s next for BTC price
・Bitcoin Bulls Grab Market As Friday’s $1.7B monthly Options Expiry Remain Within Green Territory
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参照元:CoinChoice