米政府が闇市場から押収したビットコイン(BTC)を退蔵したとの疑惑の声
米国政府は、暗号資産(仮想通貨)絡みのダークウェブ(dark web)を利用した犯罪者から押収した10億ドル相当のビットコイン(BTC)をひそかに貯めこんでいたのではないかと批判されています。
仮想通貨アナリストでインフルエンサーのタイラー・スウォープ(Tyler Swope)氏は、フォーチュン誌の記事を引用しながら、その内幕を明らかにしています。
押収されたビットコイン(BTC)の報告書は行方知れず
米政府は押収したビットコインをこれまで定期的にオークション販売してきましたが、フォーチュン誌は2018年2月、押収された仮想通貨の総額に透明性がなく、処理そのものに疑惑があると報じました。記事の題名は「アンクルサム(Uncle Sam、米国政府のこと)によるビットコイン退蔵の秘密(Inside Uncle Sam’s Secret Bitcoin Hoard)」です。
スウォープ氏はこのフォーチュン誌の記事を引用しながら、「透明性は消滅しつつある。押収された日と報告書が公開された日との間には、長い時間差があることはよくある。さらに、報告書はオンラインで保管されず、新たな報告書が公表されるその日には、古い報告書が消失する。ペーパー上のコピーは存在するが、オンラインもしくは書類上では存在しない。連邦が保管する仮想通貨の記録は、いつでも存在しているものではないのか?」
スウォープ氏の話はさらに続きます。
「論理的言えば、連邦政府の手中にあるビットコインはすべて、追跡可能である。なぜならば、仮想通貨の取引は、ブロックチェーンに無期限に記録されているからだ。しかし、司法省の書類は時には、『政府の安全なウォレット』で確認できるというのに、多くの刑事事犯については存在せず、ビットコインがどこに行ったか不明のままとなる」
政府はビットコイン・ブラックホールと化した
司法省は11月初旬、シルクロード事件に関する10億ドル(約1,040億円)を超えるビットコインとアルトコインを押収したと発表しましたが、スウォープ氏は、ビットコインが司法省にひそかに備蓄されている疑いを次のように語っています。
「司法省がこのシルクロードと関係する10億ドル相当のビットコインを押収したのは、先週のことだと考えられる理由はあるのか?司法省は盗まれた約70,000BTCを動かしたハッカーを逮捕した。その男は、ファイルから分かるようにXと名付けられた男で、身元を知っているのは政府だけだ」
司法省が最近実施したビットコインのオークションは、ダークウェブから押収されたビットコインとは無縁の4,0411BTCであり、今年2月3日のことです。
参考
・Is the US Government Quietly Hoarding Bitcoin? Analyst Explores America’s Crypto ‘Black Hole’
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参照元:CoinChoice