米新財務長官に指名される仮想通貨に厳しかった元FRB議長イエレン氏とは?
米次期大統領のジョー・バイデン氏が、財務長官に元連邦準備制度理事会(FRB)議長だったジャネット・イエレン(Janet Yellen)氏を指名する見通しとなっています。史上初のFRB女性議長(2014-18年)と注目されたイエレン氏は、今度はこれも史上初の女性財務長官として手腕が問われますが、同氏は暗号資産(仮想通貨)が極めて投機性の高い資産であると考え、ビットコイン(BTC)に懐疑的なことで知られています。
新財務長官は金融プライバシー守れるか、ウォール街は手腕に期待
コンパウンド・ファイナンス(Compound Finance)の法務顧問であるジェイク・チェルヴィンスキ(Jake Chervinsky)氏は、この人事が仮想通貨市場に与える影響について、「米国における今後4年の仮想通貨政策にとって、最も重要な決定である。次期財務長官は、金融プライバシー(金融分野における個人情報保護)に対する権利が、大規模な監視および強制的な管財から守られるかそれとも見捨てられるかに関して大きな影響力を持つことになる」とコメントしています。
一方、ウォールストリートは、イエレン氏が10月に「米国は引き続き、並外れた経済支援が必要である」と述べていることに好感を示しています。同氏は30年間にわたり、金融政策の前面に立ち、誰よりもFRBの立場に精通しています。仮想通貨のトレーダーでありエコノミストのアレックス・クルーガー(Alex Kruger)氏はツイッターに、「イエレン氏は優れた財務長官になる。彼女は政府による金融と財務政策の間の調整に手腕を発揮するだろう」と期待を表す投稿をしています。
イエレン氏がビットコイン(BTC)支持者ではなかった数々の発言
はかつて、現代貨幣理論(MMT)の提唱者は「理路整然としていない」と批判しています。またビットコイン(BTC)の支持者でないことでも知られており、同氏はビットコイン価格が2万ドルになった2017年12月、「ビットコインは極めて投機的な資産である」とコメントしました。
同氏はその際、「ビットコインは決済システムにおける役割が非常に小さく、安定した価値の(保存)ソースではなく、法定通貨でもない」と断じ、「私が思うに、ビットコインを推奨するメリットは限られ、ニーズも限定され、いくつかの実質的な懸念もある」と語っています。
新財務長官就任後問われるイエレン氏の仮想通貨対策
イエレン氏は2018年10月、ビットコインのギフトサービス会社ビテリカ(Biterca)の創設者ラズ・サプロヴィッチ(Raz Suprovici)氏から当持20ドル相当のビットコインを贈られています。その際、同氏は「今朝、ビットコインの贈り物を受け取りましたが、その後ずっと忙しくしており、確認しておりません」と反応しています。
イエレン氏はその月にカナダで開かれたフィンテックフォーラムで、かなりの数のビットコインが、違法な取引に関係しているとの見解を表明しました。
時代は、イエレン氏が仮想通貨について発言してきた時とは大きく変わっています。同氏が財務長官に就任するだろう2021年1月に、仮想通貨にどのような方針で臨むか注目してみましょう。
参考
・Bitcoin and MMT Critic Janet Yellen Picked as Treasury Secretary by President-Elect Joe Biden
【こんな記事も読まれています】
・バイデン米次期大統領の仮想通貨政策は厳しいが進展もある?
・ビットコイン(BTC)が2017年の過去最高値を更新して1000万円を目指すために必要なものは
・ビットコイン(BTC)価格の異常な高騰を支える3つの要因を探る
参照元:CoinChoice