高級時計メーカーのウブロが品質保証にブロックチェーンを導入
スイスに本社を構える高級時計メーカーのウブロ(Hublot)が11月19日、ケークエスト(KerQuest)と共同で開発した、ブロックチェーン上で商品の品質を保証するサービスの提供開始を発表した。このサービスでは、ウブロ電子保証(Hublot-e-warranty)というアプリを使い、写真で時計の品質を識別する。
3年以上の研究開発をかけて実装
ケークエストは、ソリッドメディアメッセージング(Solid Media Messaging)というプラットフォームを開発。このプラットフォームでは、スマートフォンを使って製品やドキュメントを直観的に探索できる。
ウブロは2017年から、ケークエストと共同でアルゴリズムの開発に着手。時計を構成する材料の細かい違いを認識し、それによって本物かどうかを見分ける技術を開発した。ウブロは数年前から素材識別の研究に取り組んでいたが、実際の識別には問題があったとされている。しかし、近年のスマートフォン、特にカメラと人工知能の改善により、ウブロとケークエストは、初となる時計の視覚的識別が可能となった。この技術により同じモデルの時計でさえも識別できるという。
ウブロの時計は、生産終了時に写真撮影が行われ、販売された際に再度ウブロ電子保証アプリで時計を撮影。この写真はサーバに送られ処理し、正しく認識した場合には保証を有効化する。認証されるとSMSやメールなどの連絡手段を通じて、顧客は電子保証を受け取ることができる。
イーサリアムベースのオーラブロックチェーンを使用
ウブロが今回品質保証のために使うのは、2019年5月にコンセンシス(ConsenSys)が発表したオーラ(AURA)ブロックチェーン。これはモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH)グループと、マイクロソフトが提携して提供するイーサリアムベースのブロックチェーン。
原材料から販売時点管理、中古市場に至るまで、高級品の製品履歴と信頼性の証明にアクセスできるという。ウブロのリカルド・グアドラップ(Ricardo Guadalupe)最高経営責任者(CEO)は、「ウブロの電子保証のおかげで、携帯電話で撮った簡単な写真だけで、製品の真正性を確認しながら、保証を有効にしてアクセスすることができる。開発された技術は複雑なアルゴリズムに基づいているが、シンプルでユーザーフレンドリーだ。技術的な複雑さと使いやすさの完璧な融合だ」とのコメントを発表している。
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文:かにたま
参照元:CoinChoice