スマートコントラクトとは何かを改めて理解する
スマートコントラクトとは最近の一般的な解釈ではブロックチェーン上にデプロイされるプログラムコードをそのように呼ぶことが多いです。スマートコントラクトは日本語では契約の自動執行と説明されることが多いですが、この表現はスマートコントラクトの特性の一部のみを表しています。
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトは、プログラムコードを分散ネットワークに第三者に検証可能な形でデプロイ・運用して、かつし自動執行できる点に新規性があると言えます。
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通常のプログラムのケースでは、あるインプットを入れてアウトプットが出力されるとき、ユーザーや第三者からはどのようなプログラムが動いているかは分かりません。プログラムは閉じられたサーバー内やコンピュータが処理します。上記のケースでは、この自動販売機はきちんとコーラとおつりを返すだろう、という信用に基づいて利用されます。
これに対してスマートコントラクトのケースを見てみましょう。スマートコントラクトの場合、どのようなプログラムが動いたかを第三者が検証可能です。コードはブロックチェーン上にホストされていて、ブロックチェーンに記録されているバイトコードとソリディティ(Solidity)などのスマートコントラクトコードは検証可能だからです。この場合、150円でコーラを販売するプログラムであることや、お釣りを返すロジックも組まれていることが検証可能です。スマートコントラクトは、不正ができず透明性があるプログラムを実現できます。
スマートコントラクトはどのように社会で使われるか
スマートコントラクトの特性を理解した上で、スマートコントラクトがどのように社会で使われるか考えてみましょう。最も顕著な例では、一般的なプログラムとは異なる新しい様式であるスマートコントラクトによって、プロフラムそのものに価値移転や契約の要素を任せられるようになります。
例えば、スマートコントラクトによってブロックチェーンを参照するユーザー間で下記のような状態を作ることができます。
- この証券は担保に差し入れされていると第三者が検証可能な状態
- この債券は毎クオーターのクーポンの支払いが自動執行されると第三者が検証可能
- 担保に差し入れされたこの資産は基準価格がある時点を下回ったら自動で清算されることが第三者でも検証可能
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これらの例はいずれも今まで「この資産は担保に差し入れ済です」「毎月利払いを支払います」という約束や信用・人手によって制御されていました。しかしスマートコントラクトによりプログラムが制御可能になります。価値の移転はこれまでもインターネット上でできていたかもしれませんが、それはフロントはデジタルになっていただけでバックエンドは判子や書類作業がありました。スマートコントラクトはこれをより広範にプログラムで担保することができると期待されます。
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参照元:CoinChoice