ブロックチェーンで「週刊少年ジャンプ人気漫画の公式コミュニティ」構築:Gaudiy
エンターテインメント業界のDXを推進している「株式会社Gaudiy(ガウディ)」は2020年10月22日に、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された人気漫画「約束のネバーランド」で、ブロックチェーン技術を活用したコミュニティサービスの提供を開始したことを発表しました。同社は分散型ID管理システム「Gaudiy-DID System」を活用した取り組みの検討を開始したことも報告しています。
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「約束のネバーランド」のコミュニティサービス提供開始
Gaudiy(ガウディ)は音楽・ゲーム・マンガ・アニメ・アイドルなどといった総合エンターテイメント領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、日本が誇る知的財産を使用したコンテンツから世界規模のビジネス展開を目指しているブロックチェーン企業です。
ファンコミュニティを中心とした知的財産(IP)とファンとのトークンエコノミーをつくり出し、ブロックチェーン技術などの技術を用いて「新たなユーザー体験の創出・既存問題の解決」に取り組んでいる同社は2020年10月22日に、マンガ領域における新たな取り組みとして週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された人気漫画「約束のネバーランド(約ネバ)」とのプロジェクトを開始したことを発表しました。
約束のネバーランド(約ネバ)は2020年7月時点でコミックス累計発行部数2,500万部を突破した「週刊少年ジャンプ(集英社)」で2020年6月まで連載された人気漫画であり、今後は実写映画の公開、アニメ第2期の放送、画集販売、展示会など様々なコンテンツ展開を控えています。
「Gaudiy」と「約束のネバーランド」が開始したブロックチェーン技術を活用した公式コミュニティサービス「みんなのネバーランド」は、2020年10月2日から運用が開始されており、記事執筆時点では5,800人以上のメンバーがコミュニティに参加しています。
公式コミュニティ「みんなのネバーランド」とは
「みんなのネバーランド」は誰でも参加することができる「約束のネバーランド」の公式コミュニティであり、コミュニティ参加者は原作・アニメ・映画などといった約ネバに関する様々な話題で盛り上がることができるようになっています。
コミュニティ内には様々なチャットルームが公開されているため「約束のネバーランド」を愛する仲間を見つけたり、自分で企画と立ち上げてみたり、描いたイラストをシェアしたり、など様々な形で約ネバコミュニティと交流を図ることが可能です。
また、約ネバに関する様々な情報や企画をコミュニティ発で盛り上げていくイベントも実施され、活動に応じて付与されるコインは「コミュニティ限定グッズ」に交換することもできるようになっています。
分散型ID管理システム「Gaudiy-DID System」の活用も
Gaudiy(ガウディ)は今回の発表の中で、コミュニティサービスの機能であるブロックチェーンを活用した分散型ID管理システム「Gaudiy-DID System」を活用した取り組みの検討を開始したことも報告しています。
知的財産(IP)コンテンツビジネスでは1つのIPを元に異なる企業がアニメ・漫画・ゲーム・映画などのビジネスを展開しており、そのようなコンテンツの多くは「動画配信サービス」や「マンガアプリ」などといった異なる企業が運営するプラットフォームを通じて消費者に提供されているため、『各企業やサービスで連携した価値提供を行うことが難しい』という問題がありました。
具体的には「連携用システムの開発コスト、ユーザーの個人情報を扱うセキュリティ面の対策コスト、継続的な追加開発や仕様変更対応などの運用コスト」などといった”コストの高さ”が課題となっており、それらを複数の企業間で継続的に連携しながら対応し続ける必要もありました。
Gaudiyが提供する「Gaudiy-DID System」はこれらのコストを大幅に削減し、関連サービス全体の継続的な連携を支援することによって、アニメ・ゲーム・マンガなどといった「単体でのサービス提供」から「IPコンテンツを中心とした横断的な顧客体験の提供」を実現できるものとなっています。
「Gaudiy-DID System」について
「Gaudiy-DID System」は、ブロックチェーン上で構築された分散型ID(DID)を利用することによって、これまで企業によって中央集権的に管理されていた個人のIDを”ユーザー自身”が管理できる仕組みを提供しています。
Gaudiyはこのような技術を、秘密鍵を簡単に扱うことができるウォレット機能と組み合わせることによって、低コストでの情報連携を実現しています。
「Gaudiy-DID System」を導入するメリットとしては以下の5点が挙げられています。
開発コストの大幅削減
連携するサービス間で新規の仕様を実装することなく、ユーザーがメールアドレスを活用して自身の秘密鍵を管理することができるウォレット機能と、ブロックチェーン上で個人のアイデンティティを管理する仕組みをSDKとして提供。システム開発コストの大幅な削減を実現。(UnityやJavaScriptなど各種言語に対応)
セキュリティ対策コストの削減
ユーザーが個人情報を管理することで、情報漏洩などサービス提供側でのプライバシー保護に関する考慮が必要な事項を減らし、企業やサービス間での連携に伴う調整や対応のコストを大幅に削減することができる。
ブロックチェーンを使ったデジタル決済インフラ
ブロックチェーンを活用した独自の決済システムを簡単に導入できる。これにより、中間マージンの発生しない決済を、IPコンテンツ業者が提供するアプリやwebサービス、リアルのイベントなどへ導入することができる。
クロスメディア施策の運用コストを削減
特定の決済情報やデジタルコンテンツの保有情報をDIDを利用して参照可能にすることで、異なるメディアでコンテンツを提供する企業間で相互連携が可能に。新規システムの開発などをすることなく、特定のIPコンテンツのクロスメディア施策を実施できます。
IPコンテンツの経済圏を構築
高いセキュリティのもとで実現される決済やコンテンツへの消費状況のデータを企業間で連携することにより、IPコンテンツのファンによる活動に対して報酬を還元するトークンエコノミーの構築が可能になる。
「Gaudiy-DID System」の今後の展開について
「Gaudiy-DID System」は、『IPコンテンツ事業者やプラットフォーマー間の連携にとどまらず、多様なプレイヤーが簡単に連携して、IPを中心とした新たな価値を提供できる世界を目指している』と説明されており、具体的な例としては以下のようなサービスが挙げられています。
- 飲食店や個人書店などの中小個人事業者が、DIDに紐づくデータを参照した顧客体験を提供する
- 保険・不動産・決済事業者などが、DIDに紐づいて蓄積された信用情報を活用した新たなサービスを提供する
「Gaudiy-DID System」はすでに大手ゲームIPでも導入されており、『現在は複数社と活用に向けた検討を進めている』とも報告されているため、今後のさらなる技術活用にも期待が高まります。
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