TRONとWavesの提携により拡大するDeFiエコシステム
TRONとWavesの提携
トロン(TRON)とウェーブズ(Waves)のパートナーシップにより、分散型金融(DeFi:decentralize finance)の分野における市場拡大を見せるでしょう。
クロスチェーンのプロトコルを提供するグラビティ(Gravity)の協力により、TRONとWavesはお互いのトークン保有者が自由に取引できるDeFiのエコシステムを創設することになりました。Gravityが開発しているブロックチェーン非依存型プロトコルによって、WavesのネイティブトークンであるWAVESホルダーは、TRONのTRC20トークンを用いる分散型サービスにアクセスできます。同様にTRONのネイティブトークンであるTRX保有者および開発者も、自由なトークン取引を介して、WavesのDeFiエコシステムにアクセスできます。
汎用性が拡大する2つのトークン
Gravityのプロトコルは、ブロックチェーンが長年抱えてきたチェーン間での相互利用という最大の問題を解決します。TRONのスマートコントラクトは、イーサリアム(Ethrtrum)と同じプログラム言語「ソリディティ(Solidity)」で開発されていますが、一方のWavesは「ライド(Ride)」を使っています。この違いが相互運用の壁となっていました。
しかし、今回の提携によって、TRONとWavesという異なるチェーン間での相互利用が可能になったため、DeFiのユーザー層は更に自由な活動が可能になったと言えます。これまで1つの言語に縛られてきた開発者は、2つのブロックチェーンの要素を組み合わせて、より幅広いユーザー層を対象にした分散型アプリケーション(dApps:decentralized applications)を作り出せるようになります。
このプロジェクトが進行すれば、TRX、ビットトレント・トークン(BTT)、ジャスト(JST)などのTRONベースのトークンが、Wavesの分散型取引所(DEX)で取引可能になります。また、ポロニデックス(PoloniDex)やトロントレード(TronTrade)などのTRONと直接つながりのあるDEXでは、WAVES、ニュートリノ・ダラー(USDN)、ウェーブス・エンタープライズ(WEST)といったWavesベースのトークンを扱えるようになります。
TRONはJustSwapもローンチ
TRONの創始者ジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、TRONブロックチェーン初の分散型トークン交換プロトコルとして、ジャストスワップ(JustSwap)を近々ローンチすることを発表しました。ユーザーはこのプロトコルに流動性をもたらすことにより、手数料やマイニング報酬などの利益を受け取ることができます。JustSwapはユニスワップ(Uniswap)のようなTRONベースのサービスになります。
また、世界人口の約28%にあたる20億人ものユーザーが、ファイル転送ソフトのビットトレント(BitTorrent)を使っているというニュースも、TRONのDeFiネットワーク拡大に貢献しています。2020年8月13日、分散型ファイル共有プロトコルのビットトレント・ファイル・システム(BTFS)が、JUSTトークンの公式分散型ストレージプラットフォームとして採用されました。これによりTRONベースのDeFiがさらに市場へ進出することが期待されています。
参考
・TRON and Waves Link Blockchains to Catalyze DeFi Growth
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参照元:CoinChoice