eスポーツの賞金も仮想通貨で?コンセンシスがイーサリアム利用のプラットフォームを開発
イーサリアムベースのeスポーツ用プラットフォーム
イーサリアム開発のスタートアップである「コンセンシス(ConsenSys)」は、北米大学リーグ(NACL:North American Collegiate League)と提携し、イーサリアム(ETH:Ethereum)ベースのeスポーツプラットフォームをローンチしたことを発表しました。
NACLはアメリカに本拠を置き、eスポーツ(electronic sports)とエンターテインメントを提供するNPO組織です。エンターテインメントとして初めて競技型ゲームの放映を行った、200以上の大学が加入している組織であり、直近6カ月の平均視聴者数は世界中で40~50万人にも上ります。
NACLではこれまで、マッデンNFL(Madden NFL)、リーグオブレジェンド(League of Legends)、フォートナイト(Fortnite)などのビデオゲーム・トーナメントを主催しています。
仮想通貨によりプレイヤーへの支払いを迅速に
このイーサリアムベースのプラットフォームは、eスポーツのトーナメントにおける問題報告と試合結果の確認作業を改善する目的で設計されました。イベントでは、管理者と第三者が手作業でクレームやゲームの結果を確認する必要がありました。しかし、現状のプロセスでは時間がかかることも多く、プレイヤーへの賞金支払いも滞ってしまう恐れがありました。
今回の提携により、プレーヤーへの支払いは自動的に暗号資産(仮想通貨)ウォレットに入金されるようになります。もしプレイヤーがウォレットを持っていない場合は、自動的にウォレットが生成され、そこにステーブルコインであるダイ(DAI)かETHで入金されます。プレイヤーが望めば、賞金は法定通貨に換金することもできます。
NACLで開催されるトーナメントでは、優勝者に通常500ドル(約55,000円)ほどの賞金が支払われていました。しかし、この新たなプラットフォームによって、プレイヤーのパフォーマンスとプレイ観客動員数に応じた報酬の仕組みを組み込めるようになり、また支払いに関する透明性も向上します。
2020年4月にはプラットフォームのテストを行い、このときのプレイヤーはDAIによる支払いを受けています。
ブロックチェーンで進化するeスポーツ
ConsenSysのゲーム部門提携責任者であるクリス・ゴンサルブス(Chris Gonsalves)氏は、同社が出資する仮想通貨関連メディアのデクリプト(Decrypt)にて、「他のオンラインリーグでは、プレイヤーとチームからの、透明性を欠いたルールに反する行為への不平が後を絶たない。その結果、数カ月の支払い遅延や不履行、または大会運営が故意にスポンサーマネーを誤配分しているといったリーグそのものへの告発などが起こる可能性があった」と述べています。
さらに、改善の余地はまだあるとした上で「スマートコントラクトを用いることで、視聴者数やソーシャルメディアでの指標を基準としたボーナスを、チーム・プレイヤー・ゲーム開発者へ配分するプログラムの構築も可能となるだろう」とも付け加えています。
NACL代表のデビッド・チェン(David Chen)氏も、Decryptに対して「世界的展望からしても、ブロックチェーンは支払いプロセスをより迅速にしている。eスポーツのオンライントーナメントへの参加も容易となっており、ウォレットを登録もしくは生成しておけば、APIでサポートされているゲームの結果を自動的に入手できたり、迅速で透明性の高い支払いができる。しかも手数料は、従来のプラットフォームに比べてほんのわずかだ」と述べています。
現在このプラットフォームの支払いスピードは、およそ30~40分で完了するとのことです。
【参考】
・Consensys launches Ethereum-based platform for e-sport tournaments
・Esports league now paying winners in DAI and Ethereum
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参照元:CoinChoice