GMOコインに上場をしたBATとは?特徴や可能性、リスクを解説
日本では規制の観点から、取引所に新しいトークン(アルトコイン)が上場するということが約2年間行われてきませんでした。しかしながら2020年に入り、さまざまなコインの新規上場が始まっています。今回のコラムでは3月にGMOコインに新規上場をしたBATについて解説します。
BAT(basic attention token)とは?特徴や可能性
BATは、ブレイブ(Brave)というWebブラウザのエコシステムで利用できるトークンです。Bravreはネイティブで広告をブロックするプライバシー重視のブラウザであることが特徴です。
Braveブラウザのユーザーにとってのメリットや特徴は主に下記の4点です。
- デフォルトで広告をブロック
- クッキーのブロック
- 上記2点によって実現する高速なページ読み込み
- 広告の閲覧による少額のリワードを得ることが可能(オプトイン)
Bravre Software によると、同社のブラウザはほとんどの場合Chromeより5倍以上スピードが早いとされています。
Bravreはクロミウム(Chromium)をベースとして開発されており、一般的なChromeエクステンションをそのまま使用できる他、Chromeからのブックマークやパスワードマネージャーなどの移行が容易になっています。Brave ブラウザでは、ユーザーの行動をトラッキングして、特定のサーバーに送信することはしていません。
しかしユーザーの行動をローカルクライアントで学習し、外部にそれを送信することなく、広告のターゲティングをする設計を行っています。そして最も特徴的な点は、ブラウザ内でユーザは広告を閲覧するとトークンがもらえることです。ユーザーが貰ったトークンは取引所で売却したり、トークンを利用してAmazonギフト券などを購入できるマーケットが存在します。すでに広告を提供するサプライヤー(供給元)として、 コンセンシス(ConsenSys)やイートロ(eToro)、ホーム・シェフ(Home Chef)など 55,000の企業が登録しています。
BATの投資評価、リスク
Braveのブラウザは、ダウンロード数も実際に使用しているアクティブユーザーも急激に成長をしています。同社の発表によると、月間のアクティブユーザーは1,000万であると発表されています。この点では、BATのトークンとしてのファンダメンタルも高いと言えるでしょう。
ユーザーが多くなり企業の広告需要が高まれば、ブラウザ内の広告ネットワークに入札する広告出稿にはBATトークンが必要です。またはバックエンドでBATで購入され、これらはBATトークンの価格上昇に寄与します。
懸念点としては、BATのトークンモデルは、ユーザーが広告を閲覧したあとに貰ったトークンを保有し続け設計になっていないことです。そのまま取引所で売却や、ギフト券への転換がいずれもトークンの価格を押し下げることにつながります。BATトークンについて投資を検討する場合、このような仕組みについて理解しておくべきでしょう。投資検討をする際に、このようなトークンモデルを理解することの重要性は筆者のこちらの記事でも解説しています。
関連:トークンモデルの分析、価値が蓄積されるトークンの考察・検討が今なぜ重要か。投資家の視点と開発者・起業家の視点
投資は慎重に各自でデューデリジェンスを実施してリスク管理しましょう。
参考
・Brave Browserーis it really Better and Faster than Google Chrome
・Brave Passes 10 Million Monthly Active Users, and Sees 19% Growth since 1.0 Launch
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・仮想通貨統合型ブラウザBraveにWebアーカイブ参照機能が標準搭載
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参照元:CoinChoice