中国がブロックチェーン・サービス・ネットワーク(BSN)を25日にも運用開始
中国は4月25日にも、習近平主席が国家プロジェクトとして進めてきたブロックチェーン・サービス・ネットワーク(Blockchain Service Network/BSN)を公開、運用を開始しようとしています。中国はすでに、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発をほぼ完了し、国有農業銀行を通じてCBDCの運用テストを開始しており、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術の運用で世界を先駆ける勢いです。
BSNはブロックチェーンアプリを低コストで展開
複数の情報筋によると、BSNプラットフォームは将来的には、最小限のコストで誰でも非集中型の新しいブロックチェーンアプリをネット上に展開して、関心のある人々に広く利用してもらいます。これを運用する主たる国家機関は、1987年に発足した国家発展改革委員会(NDRC)のシンクタンクである国家情報センター(SIC)です。
BSN開発は2019年に始まりました。計画書によると発足の趣旨は「高コストの開発、運用、保守構造は、ブロックチェーン開発に対するボトルネックになっており、開かれたインフィラストラクチャーによるネットワークの構築は、業界内の緊急ニーズである」としています。
BSNは公益電話回線を全面的に利用する全国ネットワークのようなものであり、「ブロックチェーンのインターネット(the internet of blockchains)」だとされています。計画書によると、「これは多数の中小企業、マイクロエンタープライズ、学生などの個人に対してBSNを利用して開発、イノベートを奨励することで、ブロックチェーン技術の迅速な展開と広範な利用を加速する」ものです。
BSNにはすでに百度が開発した「超級鎖(XuperChain)」などが投稿
中国政府は併せて、国家ブロックチェーン委員会を発足、フアウェイ(Fuawei)や百度(Baidu)、テンセント(Tencent)などテクノロジー大手企業代表が参集しています。ちなみに委員会の正式名は「ブロックチェーン・分散型会計技術標準化技術委員会」(National Blockchain and Distributed Accounting Technology Standardization Technical Committee)であり、BSNによるブロックチェーン技術標準化を進める母体となります。
BSNにはすでに、国内と海外からのいくつかの認可されたプロトコルが導入されています。検索エンジンの百度(Baidu)が開発したブロックチェーン新製品「超級鎖(XuperChain)」はすでに、BSNにつながっている技術の1つです。
当面のアプリ展開、利用は認可された人と機関に限定
BSNに接続し、アプリを展開することができるのは当面、認可された人もしくは機関に限定されています。また政府によってコントロールされていることから、真の分散型台帳技術(DLT)プラットフォームになりうるか、疑問視されています。
計画書によれば、BSNは匿名のユーザーによるトランザクションが保証されていますが、多くの懐疑派はそれを信じていません。BSNにはさらに、約100都市のノードがつながっており、2021年にはそれが倍増する可能性があります。中国政府にとって、新たな情報スーパーハイウエイとして有用になるかもしれません。BSNは果たして、中国政府が期待するようなビッグバンになるでしょうか?
参考
・China Plans to Launch National Blockchain Platform Next Week
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参照元:CoinChoice