メディア「Decrypt」が広告モデルからトークンモデルへ移行
メディア「Decrypt」が広告モデルからトークンモデルへ移行
アメリカの仮想通貨関連メディア「Decrypt」が、2020年第2クォーターに独自トークンを発行することが、The Blockの報道によって明らかになった。
Decryptは、Ethereumベースのトークンインフラストラクチャプロバイダー企業「OST」と提携して、トークンを開発する。
このトークンは、ユーザーがDecryptのコンテンツを読んだり、シェアすることで獲得できる。そして、Amazon、Airbnb、Starbucksなどで利用できるギフトカードと交換することができる予定とのこと。
OSTのCEOである Jason Goldberg(ジェイソン・ゴールドバーグ)氏は「Web3時代では、消費者は自分の行動が価値のあることなのかを、より意識するようになるだろう。それは、メディアのコンテンツにも同様のことが言えます」とThe Blockにコメントしている。
Decryptの編集ディレクター兼共同創立者であるJosh Quittner(ジョシュ・クイットナー)氏は「Decryptの従来の広告モデルからトークンモデルへの移行は、一部の現在の広告モデルが壊れているという考えによるものです。 広告収入を追求するために、出版社はクリックを奪い合うことを強いられており、編集力を完全に損ねてしまっています。我々は、OSTと提携することで、ユーザーが関心のあるコンテンツを読み、広告主が邪魔にならないという革新的なスポンサーシップのアプローチを構築することができました。彼らは真の価値を付加します。ただし、これはDecryptが完全に広告主なしになるという意味ではありません。 トークンはシーズンごとにリリースされ、各シーズンのスポンサーは広告主となります。このスポンサーシップモデルは、広告主が従来の広告に対して悪いイメージを持つ読者と連携すると同時に、新しいテクノロジーの最前線に立つ機会を提供します」とコメントしている
編集部のコメント
Decryptは2018年に分散型のWebを分かりやすく説明するために立ち上げられたメディアです。NYを拠点とするインキュベーターであるConsenSysによって、Decryptは資金提供されています。今回、従来の広告モデルからトークンモデルへの移行は、非常に思い切った決断で、良いとあたらしい経済は考えます。
ちなみに、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査」の結果によると、広告というもののイメージについて「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」という評価が29%~38%と、他のメディアに比べて遥かに高い水準となっています。
Decryptのトークンモデルでの利益は、スポンサーがトークンを発行するための費用と発生するトランザクション割合で生まれるのではないか、とあたらしい経済編集部は考えます。メディアにおいて重要な要素であるユーザーとうまく関係性が構築できるエコシステムが、Web3.0時代には必要だと、感じております。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:artsstock,RyanKing999)
参照元:ニュース – あたらしい経済