ポンド相場の2大テーマはBrexitとBOE
このところのポンド相場のテーマは大きく分けて2つある。ひとつは英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitであり、もうひとつは英中銀(BOE)の金融政策運営だ。英国とEUの離脱交渉が「移行期間」の合意に漕ぎ着けた事で本題の「通商問題」に進むと見られる(最終的には明日のEU首脳会議で決定)。こうした動きを好感してポンドは足元で上昇している。 そして本日は、BOEが金融政策の発表と同時に議事録を公開する予定であり、ポンドの追撃材料となるか注目が集まっている。BOEは前回、「経済が予想通り成長した場合、引き締めはやや早期に実施する必要がある」との見解を示したが、今回もこうした姿勢を維持しているのかが焦点となる。なお、市場は次回の5月会合で政策金利が0.75%以上に引上げられる確率を6割程度と見ており「半信半疑」の状態に近い。Brexit懸念の後退に加え、追加利上げ期待が高まる事になればポンドは一段高が見込めそうだ。その反面、喫緊の追加利上げに慎重な見方を示すようなら、ポンドは昨日の上げ幅を吐き出す可能性もある。 ポンド/円は昨日、1カ月ぶりに一時150円台に乗せた。本日は149円台後半に押し戻されているが、ここから再度上値を試すのか、あるいは達成感が広がり反落するのか、そのカギはBOEが握っていると言って良いだろう。