西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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ドラギ総裁は、ややハト派会見でもユーロの 上昇トレンド不変! ユーロ/円は135円へ

■ドラギ総裁の会見はハト派でも、ユーロの上昇トレンド不変 みなさん、こんにちは。
 7月20日(木)のECB理事会後のドラギ総裁の会見は、ややハト派なコメント。
 しかしマーケット参加者の認識は「シントラショックで加熱したユーロ市場の沈静化を狙ったもの」といった見方が大勢で、ユーロの上昇トレンドは変わらず。
【参考記事】
●ドラギ総裁はハト派でも買われたユーロ! 「シントラショック」以降、ユーロは新局面へ(7月24日、西原宏一&大橋ひろこ)
 7月25日(火)の欧米市場でのユーロ/米ドルは、ついに1.1712ドルまで到達。
 このレベルは、2015年8月の高値である1.1714ドルとほぼ同値です。
ユーロ/米ドル 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
 2015年8月24日(月)は、NYダウが1000ドル以上の急落を演じた日で、米ドル/円も一時116円台まで急落したのは、記憶に新しいところ。
【参考記事】
●日経平均1343円暴騰はなぜ起きたのか? さらに利下げ見込むNZドルは0.55ドルへ(2015年9月10日、西原宏一)
 その後、ユーロ/米ドルは、この1.1714ドルを高値に今年(2017年)1月3日(火)の1.0341ドルまで下落。
 そして2017年相場が始まってすぐに到達した、この1.0341ドルが底値となり、ユーロ/米ドルは反発しました。
 7月25日(火)には、とうとう2年前の高値である1.1714ドルまで回復してきたことになります。ユーロ/米ドルにとってこのレベルまで回復したことは重要。
ユーロ/米ドル 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
■FOMCを受けて、為替相場は米ドル売りに そして、本日(7月27日)日本時間未明にFOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策発表を迎えます。FOMCは政策金利を据え置きました。
(出所:FRBのデータを基にザイFX!編集部が作成)
 声明文では、バランスシート正常化について、前回(6月)は「年内」という表現。それを今回は「比較的早期に」という表記に変えています。
 マーケットの認識は「FOMCは9月を念頭に置いている」といったところ。
 バランスシートの正常化を進めるということは、利上げ政策は見送られるといった見方が増えることとなり、早期の利上げ予想は後退。
 OIS(Overnight Index Swap、翌日物金利スワップ)によると12月の利上げ確率は44.7%と50%を切ってきました。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
 「利上げ政策が見送られる」といった観測は「米ドル売り・株買い」要因。そして、新興国にとってはポジティブに作用します。
 結果、マーケットは米ドル売りとなり、ユーロ/米ドル、米国株は上昇。そして、資源国通貨の豪ドル/米ドルも上昇しました。
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
豪ドル/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
 米ドル/円も111.00円レベルまで下落しましたが、日本は…
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ドラギ総裁は、ややハト派会見でもユーロの 上昇トレンド不変! ユーロ/円は135円へ

■ドラギ総裁の会見はハト派でも、ユーロの上昇トレンド不変 みなさん、こんにちは。
 7月20日(木)のECB理事会後のドラギ総裁の会見は、ややハト派なコメント。
 しかしマーケット参加者の認識は「シントラショックで加熱したユーロ市場の沈静化を狙ったもの」といった見方が大勢で、ユーロの上昇トレンドは変わらず。
【参考記事】
●ドラギ総裁はハト派でも買われたユーロ! 「シントラショック」以降、ユーロは新局面へ(7月24日、西原宏一&大橋ひろこ)
 7月25日(火)の欧米市場でのユーロ/米ドルは、ついに1.1712ドルまで到達。
 このレベルは、2015年8月の高値である1.1714ドルとほぼ同値です。
ユーロ/米ドル 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
 2015年8月24日(月)は、NYダウが1000ドル以上の急落を演じた日で、米ドル/円も一時116円台まで急落したのは、記憶に新しいところ。
【参考記事】
●日経平均1343円暴騰はなぜ起きたのか? さらに利下げ見込むNZドルは0.55ドルへ(2015年9月10日、西原宏一)
 その後、ユーロ/米ドルは、この1.1714ドルを高値に今年(2017年)1月3日(火)の1.0341ドルまで下落。
 そして2017年相場が始まってすぐに到達した、この1.0341ドルが底値となり、ユーロ/米ドルは反発しました。
 7月25日(火)には、とうとう2年前の高値である1.1714ドルまで回復してきたことになります。ユーロ/米ドルにとってこのレベルまで回復したことは重要。
ユーロ/米ドル 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
■FOMCを受けて、為替相場は米ドル売りに そして、本日(7月27日)日本時間未明にFOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策発表を迎えます。FOMCは政策金利を据え置きました。
(出所:FRBのデータを基にザイFX!編集部が作成)
 声明文では、バランスシート正常化について、前回(6月)は「年内」という表現。それを今回は「比較的早期に」という表記に変えています。
 マーケットの認識は「FOMCは9月を念頭に置いている」といったところ。
 バランスシートの正常化を進めるということは、利上げ政策は見送られるといった見方が増えることとなり、早期の利上げ予想は後退。
 OIS(Overnight Index Swap、翌日物金利スワップ)によると12月の利上げ確率は44.7%と50%を切ってきました。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
 「利上げ政策が見送られる」といった観測は「米ドル売り・株買い」要因。そして、新興国にとってはポジティブに作用します。
 結果、マーケットは米ドル売りとなり、ユーロ/米ドル、米国株は上昇。そして、資源国通貨の豪ドル/米ドルも上昇しました。
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
豪ドル/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
 米ドル/円も111.00円レベルまで下落しましたが、日本は…
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日本がゼロ金利固定の間に欧州や米国は 金利正常化へ! ユーロに優位性あり!

■トランプ政権の政策に疑問符…。米ドルの上値重い みなさん、こんにちは。
 今週(7月17日~)は総じて米ドルの上値が重い展開に。
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
 7月18日(火)の米議会上院で、オバマケア代替法案の可決が絶望的になったことがきっかけ。
 結果、トランプ政権が掲げる税制改革、インフラ投資、金融規制緩和などの実現性に疑問符がつき、米ドルは、円やユーロに対して下落。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
 ただ、多くのマーケット参加者はこの米ドル安の動きを一過性のものと捉えています。
 なぜなら現在、多くの市場参加者の目は米国の政治よりも各国の中央銀行の政策に集まっているからです。
【参考記事】
●引き締めに向かう主要国中銀が「密約」? ECB理事会でのテーパリングの行方は…!?(7月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
 金利正常化に最初に舵を切ったのは米国。
 昨年(2016年)末の米国の利上げに向けて、米ドルは大きく上昇し、米ドル/円は一時118.66円という高値をつけました。
 そして、追随してECB(欧州中央銀行)、そしてBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])、加えてRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])と中央銀行がタカ派なスタンスをみせるたびに、その通貨は急騰しています。
【参考記事】
●株式よりも金利の動きが今後もカギに? 米国債利回り上昇なら米ドル/円も続伸!(7月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
■日銀がゼロ金利固定の間に欧米は金利正常化へ 一方売られる通貨は、ゼロ金利固定の円ということになります。
 これはある意味、円安容認?との誤解も生じやすく、各国から批判があがりそうですが、日銀のみが金利をゼロで固定してくれている間に、米国、欧州が順調に金利正常化を進められるという意味もあり、この点においてはお互い利するところがあるため、この状況がしばらく続くのかもしれません。
 結果、直近の加ドル/円、豪ドル/円は急騰しています。
加ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:加ドル/円 日足)
豪ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
 そして、金利正常化という点においては…
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日本がゼロ金利固定の間に欧州や米国は 金利正常化へ! ユーロに優位性あり!

■トランプ政権の政策に疑問符…。米ドルの上値重い みなさん、こんにちは。
 今週(7月17日~)は総じて米ドルの上値が重い展開に。
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
 7月18日(火)の米議会上院で、オバマケア代替法案の可決が絶望的になったことがきっかけ。
 結果、トランプ政権が掲げる税制改革、インフラ投資、金融規制緩和などの実現性に疑問符がつき、米ドルは、円やユーロに対して下落。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
 ただ、多くのマーケット参加者はこの米ドル安の動きを一過性のものと捉えています。
 なぜなら現在、多くの市場参加者の目は米国の政治よりも各国の中央銀行の政策に集まっているからです。
【参考記事】
●引き締めに向かう主要国中銀が「密約」? ECB理事会でのテーパリングの行方は…!?(7月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
 金利正常化に最初に舵を切ったのは米国。
 昨年(2016年)末の米国の利上げに向けて、米ドルは大きく上昇し、米ドル/円は一時118.66円という高値をつけました。
 そして、追随してECB(欧州中央銀行)、そしてBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])、加えてRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])と中央銀行がタカ派なスタンスをみせるたびに、その通貨は急騰しています。
【参考記事】
●株式よりも金利の動きが今後もカギに? 米国債利回り上昇なら米ドル/円も続伸!(7月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
■日銀がゼロ金利固定の間に欧米は金利正常化へ 一方売られる通貨は、ゼロ金利固定の円ということになります。
 これはある意味、円安容認?との誤解も生じやすく、各国から批判があがりそうですが、日銀のみが金利をゼロで固定してくれている間に、米国、欧州が順調に金利正常化を進められるという意味もあり、この点においてはお互い利するところがあるため、この状況がしばらく続くのかもしれません。
 結果、直近の加ドル/円、豪ドル/円は急騰しています。
加ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:加ドル/円 日足)
豪ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
 そして、金利正常化という点においては…
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なぜ英国への投資機運は高まらないのか? 中長期的に英ポンドは続落の可能性高まる

■ドル/円は1カ月続伸し、114円台半ばへ到達後に調整へ… みなさん、こんにちは。
 米ドル/円はこのコラムでご紹介させていただいたように、6カ月サイクルをきれいにトレースする形で上昇。
【参考記事】
●米ドル/円の6カ月サイクルは継続中!上昇トレンドは不変! 中期的には120円へ(7月6日、西原宏一)
●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
 6月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に108.83円でボトムアウトした後は、目立った押し目もなく、ほぼ一本調子に上昇しました。
 7月11日(火)には、114.49円まで急騰。
 わずか1カ月弱で、約5.60円急騰したことになります。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 ECB(欧州中央銀行)の緩和解除観測が高まっていることを背景に、ユーロ/円も一時130.77円まで急騰しました。
ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
 その後、本稿執筆時点では米ドル/円で112.86円、ユーロ/円では129.08円まで調整しています。
 米ドル/円、ユーロ/円の急騰が一本調子であったため、どちらも調整することには違和感はないのですが、調整を深くする要因となりそうなのが、英ポンド/円の148円台の重さ。
■英ポンド/円は重要なレジスタンスをブレイクできず… 米ドル/円、ユーロ/円同様、英ポンド円も6月中旬の138円台から急騰。
 ただ、英ポンド/円は148円というかなり重要なレジスタンスがあり、英ポンド/円は今回もそのレベルがブレイクできず反落しています。
 以下は、英ポンド/円の日足チャートです。
英ポンド/円 日足(出所:Bloomberg)
 英ポンド/円は、
(1)2016年12月15日(木)の148.46円
(2)2017年5月10日(水)の148.11円
 と、148円台でダブルトップをつけて反落しています。
 今回、このレベルを抜けるかどうかにマーケットの注目が集まっていましたが、今回は148円台までも届かず反落。
 日足ではTDシーケンシャル(※1)もMACDプレディクター(※2)も調整を示唆しており、テクニカル分析では、今回も英ポンド/円は148円台をトップとして調整を示唆しています。
(※1 編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
(※2 編集部注:「MACDプレディクター」とは、ジョー・ディナポリ氏が開発したテクニカル指標の1つ。MACDをローソク足の上に表示したもの)
 この英ポンド/円の調整が、ユーロ/円や米ドル/円の調整を深くしています。
ユーロ/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
 では、中期での英ポンドの動向は…
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なぜ英国への投資機運は高まらないのか? 中長期的に英ポンドは続落の可能性高まる

■ドル/円は1カ月続伸し、114円台半ばへ到達後に調整へ… みなさん、こんにちは。
 米ドル/円はこのコラムでご紹介させていただいたように、6カ月サイクルをきれいにトレースする形で上昇。
【参考記事】
●米ドル/円の6カ月サイクルは継続中!上昇トレンドは不変! 中期的には120円へ(7月6日、西原宏一)
●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
 6月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に108.83円でボトムアウトした後は、目立った押し目もなく、ほぼ一本調子に上昇しました。
 7月11日(火)には、114.49円まで急騰。
 わずか1カ月弱で、約5.60円急騰したことになります。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 ECB(欧州中央銀行)の緩和解除観測が高まっていることを背景に、ユーロ/円も一時130.77円まで急騰しました。
ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
 その後、本稿執筆時点では米ドル/円で112.86円、ユーロ/円では129.08円まで調整しています。
 米ドル/円、ユーロ/円の急騰が一本調子であったため、どちらも調整することには違和感はないのですが、調整を深くする要因となりそうなのが、英ポンド/円の148円台の重さ。
■英ポンド/円は重要なレジスタンスをブレイクできず… 米ドル/円、ユーロ/円同様、英ポンド円も6月中旬の138円台から急騰。
 ただ、英ポンド/円は148円というかなり重要なレジスタンスがあり、英ポンド/円は今回もそのレベルがブレイクできず反落しています。
 以下は、英ポンド/円の日足チャートです。
英ポンド/円 日足(出所:Bloomberg)
 英ポンド/円は、
(1)2016年12月15日(木)の148.46円
(2)2017年5月10日(水)の148.11円
 と、148円台でダブルトップをつけて反落しています。
 今回、このレベルを抜けるかどうかにマーケットの注目が集まっていましたが、今回は148円台までも届かず反落。
 日足ではTDシーケンシャル(※1)もMACDプレディクター(※2)も調整を示唆しており、テクニカル分析では、今回も英ポンド/円は148円台をトップとして調整を示唆しています。
(※1 編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
(※2 編集部注:「MACDプレディクター」とは、ジョー・ディナポリ氏が開発したテクニカル指標の1つ。MACDをローソク足の上に表示したもの)
 この英ポンド/円の調整が、ユーロ/円や米ドル/円の調整を深くしています。
ユーロ/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
 では、中期での英ポンドの動向は…
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米ドル/円の6カ月サイクルは継続中! 上昇トレンドは不変! 中期的には120円へ

■米ドル/円はジリ高の展開が継続 みなさん、こんにちは。
 6月14日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に、108.83円に到達し底値を確認した米ドル/円は、今週(7月3日~)も変わらずジリ高の展開。
【参考記事】

●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
 今週(7月3日~)は米ドル/円の上昇にとってネガティブな要因が多数。
(1)東京都議選で自民党が歴史的敗北
(2)7月4日(火)に北朝鮮が弾道ミサイルを発射
 (1)の東京都議選での自民党の歴史的敗北は海外でも大きく報道されていました。
 ただ、それをリスクオフの要因として、円高要因としたのは、本邦勢のみでした。
 欧米のメディアは政治的イベントとしては取り上げましたが、為替に対する影響はローカルイシューとして認識しており、円高要因としては取り上げず…。
 (2)の北朝鮮の弾道ミサイルの問題も、一時的には円高となるのですが、過去数カ月の反応と同じで、円高がトレンドとなり得ず。
4月の「太陽節」に行われた北朝鮮の軍事パレードで披露されたICBMと推定されるミサイル。北朝鮮は、7月4日(火)に発射したミサイルはICBMだと発表している  (C)Kyodo News/Getty Images
 特に今週(7月3日~)の米ドル/円は、調整での円高局面では機関投資家がまとまった米ドル買い注文を置いているとのウワサもあり下げ渋り。
 マーケットのウワサによれば、米ドルを買い遅れている機関投資家は本邦勢とのこと。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■本邦機関投資家の「米ドル買い遅れ傾向」が顕著に 2017年も早いもので半分を終了。
 振り返ってみれば、今年(2017年)前半も多くのリスク要因が話題となりました。
 不安定なトランプ政権、フランス大統領選、北朝鮮による弾頭ミサイル発射。
 これだけ多くのリスク要因が取り上げられれば、多くの本邦投資家もリスクオフによる「株安・円高」を警戒することになります。
 ただ今年(2017年)前半、(豊富な?)リスクオフ要因にも関わらず、懸念されたように円高に向かわないため機関投資家の中でも現場レベルでは、深い押し目を待たず米ドルを買ったほうがいいという意見も目立っていたようです。
米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
 ただ、グローバルに事態が悪化して、報道されていたようなリスクオフ、つまり大規模な「株安・円高」が起きるリスクは当然否定できないため、現場レベルも米ドルを積極的に買い進めることに責任を取れません。
 そのため、多くの機関投資家は米ドルを買い遅れるという結果となっています。
 そして、フランス大統領選が…
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米ドル/円の6カ月サイクルは継続中! 上昇トレンドは不変! 中期的には120円へ

■米ドル/円はジリ高の展開が継続 みなさん、こんにちは。
 6月14日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に、108.83円に到達し底値を確認した米ドル/円は、今週(7月3日~)も変わらずジリ高の展開。
【参考記事】

●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
 今週(7月3日~)は米ドル/円の上昇にとってネガティブな要因が多数。
(1)東京都議選で自民党が歴史的敗北
(2)7月4日(火)に北朝鮮が弾道ミサイルを発射
 (1)の東京都議選での自民党の歴史的敗北は海外でも大きく報道されていました。
 ただ、それをリスクオフの要因として、円高要因としたのは、本邦勢のみでした。
 欧米のメディアは政治的イベントとしては取り上げましたが、為替に対する影響はローカルイシューとして認識しており、円高要因としては取り上げず…。
 (2)の北朝鮮の弾道ミサイルの問題も、一時的には円高となるのですが、過去数カ月の反応と同じで、円高がトレンドとなり得ず。
4月の「太陽節」に行われた北朝鮮の軍事パレードで披露されたICBMと推定されるミサイル。北朝鮮は、7月4日(火)に発射したミサイルはICBMだと発表している  (C)Kyodo News/Getty Images
 特に今週(7月3日~)の米ドル/円は、調整での円高局面では機関投資家がまとまった米ドル買い注文を置いているとのウワサもあり下げ渋り。
 マーケットのウワサによれば、米ドルを買い遅れている機関投資家は本邦勢とのこと。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■本邦機関投資家の「米ドル買い遅れ傾向」が顕著に 2017年も早いもので半分を終了。
 振り返ってみれば、今年(2017年)前半も多くのリスク要因が話題となりました。
 不安定なトランプ政権、フランス大統領選、北朝鮮による弾頭ミサイル発射。
 これだけ多くのリスク要因が取り上げられれば、多くの本邦投資家もリスクオフによる「株安・円高」を警戒することになります。
 ただ今年(2017年)前半、(豊富な?)リスクオフ要因にも関わらず、懸念されたように円高に向かわないため機関投資家の中でも現場レベルでは、深い押し目を待たず米ドルを買ったほうがいいという意見も目立っていたようです。
米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
 ただ、グローバルに事態が悪化して、報道されていたようなリスクオフ、つまり大規模な「株安・円高」が起きるリスクは当然否定できないため、現場レベルも米ドルを積極的に買い進めることに責任を取れません。
 そのため、多くの機関投資家は米ドルを買い遅れるという結果となっています。
 そして、フランス大統領選が…
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強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は 135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!

■ユーロ/円の上昇が米ドル/円を押し上げ みなさん、こんにちは。
 前回のコラムでご紹介させていただいた、米ドル/円の6カ月サイクル。
 このサイクル通り、6月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に、108.83円に到達し底値を確認した米ドル/円は、その後、じり高で推移しました。
【参考記事】
●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
 ただ、米ドル/円は底堅いものの、なかなか節目である112円を上抜けられなかったのですが、ついにそのレジスタンスを突破。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 そのレジスタンスを超えるきっかけとなったのが、ユーロ/円、英ポンド/円を筆頭とするクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇。
 特に強烈なレジスタンスだった126.00円をブレイクし、本稿執筆時点で128円台まで急騰しているユーロ/円が米ドル/円を押し上げています。
ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■ドラギ総裁の発言で、ユーロ/円は急騰 では、何がユーロ/円を急騰させているのか?
 ユーロ円を急騰させたのが、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁のコメント。
 6月27日(火)にドラギ総裁は「デフレ圧力はリフレ(※)に変わった」とコメント。
(※編集部注:「リフレ」とは、デフレからは脱したが、まだインフレにはなっていない状態のこと)
 呼応して、独国債利回りは急上昇 、ユーロ/米ドルも節目の1.1300ドルを超えて大幅に上昇しました。
独長期金利(独10年物国債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
 米ドル/円が6カ月サイクルに入っているため、ユーロ/米ドルの上昇は、ユーロ/円の急騰につながります。
 結果、ユーロ/円は重要なレジスタンスだった126.00円をあっさりブレイクし、本稿執筆時点では、128円台まで急騰しています。
 ここで、6月27日(火)のドラギ総裁のコメントを確認すると「Deflationary forces have been replaced by reflationary ones=デフレ圧力はリフレ圧力に置き換わった」とコメントしています。
 5月25日(木)の当コラムでマーケットのコンセンサスを…
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強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は 135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!

■ユーロ/円の上昇が米ドル/円を押し上げ みなさん、こんにちは。
 前回のコラムでご紹介させていただいた、米ドル/円の6カ月サイクル。
 このサイクル通り、6月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)前後に、108.83円に到達し底値を確認した米ドル/円は、その後、じり高で推移しました。
【参考記事】
●米ドル/円は半年サイクルでトレンド転換! FOMCきっかけの米ドル高は継続か?(6月22日、西原宏一)
 ただ、米ドル/円は底堅いものの、なかなか節目である112円を上抜けられなかったのですが、ついにそのレジスタンスを突破。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 そのレジスタンスを超えるきっかけとなったのが、ユーロ/円、英ポンド/円を筆頭とするクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇。
 特に強烈なレジスタンスだった126.00円をブレイクし、本稿執筆時点で
128円台まで急騰しているユーロ/円が米ドル/円を押し上げています。
ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■ドラギ総裁の発言で、ユーロ/円は急騰 では、何がユーロ/円を急騰させているのか?
 ユーロ円を急騰させたのが、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁のコメント。
 6月27日(火)にドラギ総裁は「デフレ圧力はリフレ(※)に変わった」とコメント。
(※編集部注:「リフレ」とは、デフレからは脱したが、まだインフレにはなっていない状態のこと)
 呼応して、独国債利回りは急上昇 、ユーロ/米ドルも節目の1.1300ドルを超えて大幅に上昇しました。
独長期金利(独10年物国債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
 米ドル/円が6カ月サイクルに入っているため、ユーロ/米ドルの上昇は、ユーロ/円の急騰につながります。
 結果、ユーロ/円は重要なレジスタンスだった126.00円をあっさりブレイクし、本稿執筆時点では、128円台まで急騰しています。
 ここで、6月27日(火)のドラギ総裁のコメントを確認すると「Deflationary forces have been replaced by reflationaryones=デフレ圧力はリフレ圧力に置き換わった」とコメントしています。
 5月25日(木)の当コラムでマーケットのコンセンサスを…