今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

11月のトランプ米大統領来日時は要注意!? 2度跳ね返された114円台で、ドル/円利食い ブログ

11月のトランプ米大統領来日時は要注意!? 2度跳ね返された114円台で、ドル/円利食い

■米12月利上げの可能性は高まったけど… 為替相場全体が、もみ合いの局面に入ってきました。決定的な材料が見当たらないことが原因でしょう。

 米国の金融政策ですが、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で公表された「経済・金利見通し」の中で、FOMCメンバー16名中、12名が年内の利上げを予想していたほか、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の定例記者会見や、その後の講演での発言内容を鑑みても、12月のFOMCで、今年(2017年)3回目の利上げが実施される可能性は、かなり高くなってきています。

2017年9月FOMCで示されたドットチャート(出所:FRB)

【参考記事】

●ドル/円が年初来安値から反発した理由は? 円安継続! 数週間以内に114円程度へ上昇(9月21日、今井雅人)

 FF(フェデラル・ファンド)金利先物から算出される年内の利上げ予想確率も、10月4日(水)のNY市場クローズ時点で、69.9%まで上昇してきています。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)

 ですから、仮に利上げが実施されたとしても、市場に大きな影響は出ないと思います。

 米国の長期金利は10年物が2.3%程度で推移しており、一時期よりは上昇していますが、伸び悩んでいます。

米長期金利(米10年債利回り) 日足(出所:Bloomberg)

 私自身は、この先、もう少し米ドル高になると予想していますが、それでも、上昇幅は狭く、かつスピードは緩やかなもので終わってしまうのではないかと考えています。

米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)

■11月のトランプ来日では、軍事行動含む激しいプランが? 北朝鮮情勢が気になるところでありますが、このところの状況を見ていると、市場関係者もこれらのリスクにかなり慣れてきていて、仮にミサイルの発射が再びあっても、影響は限定的で、かつ一時的だと思います。

【参考記事】

●米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か?(8月31日、今井雅人)

●米ドル/円は北朝鮮ミサイル発射でも押し目限定的。年内の上値目標は115~116円!(9月15日、陳満咲杜)

 ただ、気をつけておかなければいけないのは、来月(11月)のトランプ米大統領が来日するときでしょう。

 今、永田町の中で出ている話では、「来日時にトランプ米大統領が北朝鮮対策の具体的なプランを持ってくるが、それは軍事行動も含むかなり激しいものではないか」ということです。

永田町ではトランプ大統領が11月の訪日時に、北朝鮮対策で軍事行動も含むかなり激しいプランを持ってくるとの話も… (C) Chip Somodevilla/Getty images

 そうなってくると、今までとは違う局面に入ってくる可能性もあるでしょう。仮にそのようなことが現実に起きてくれば、市場にも大きな影響が出てくるかもしれず、注視しておきたいと思います。

【参考記事】

●10月解散総選挙とトランプ来日で円安へ!? 英ポンド急騰! でもまだ上昇余地あり?(9月18日、西原宏一&大橋ひろこ)

●米ドル/円の今年のレンジはかなり狭い! 10年ごとに起こる金融ショックに警戒!?(10月3日、バカラ村)

 これからの為替相場ですが、個人的には109円台から110円台で…
ドル高の可能性高まる! 長期金利が異常な 上昇!? ドル/円は114円台半ば目指す動きに ブログ

ドル高の可能性高まる! 長期金利が異常な 上昇!? ドル/円は114円台半ば目指す動きに

■トランプ政権が税制改革案を公表、その中身とは? 昨日、9月27日(水)のNY市場で、トランプ米政権と米共和党が「税制改革案」を予定どおり公表しました。約30年ぶりの、抜本的な改革案となります。

トランプ大統領と米共和党指導部は9月27日(水)に法人税率の引き下げや2重課税の回避などを盛り込んだ税制改革案を公表。実現すれば、かなりの減税効果が期待できる内容に。写真は就任直後、大統領令に署名するトランプ大統領 (C)Pool/Getty Images

 具体的に見てみると、法人税率を現行の35%から20%に引き下げることが柱となっていますが、個人の所得税についても、現在は7段階に分類されているものを、12%、25%、35%の3区分に簡素化。その結果、最高税率が39.6%から35.0%へ引き下げられることになりました。

 また、米企業のほとんどすべてが対象になる、個人事業主やパートナーシップなどのパススルー企業に対しては、税率を25%に設定しました。現状では、パススルー企業に対して39.6%の税率が課せられているわけで、かなりの減税効果が期待できるものとなりました。

 また、海外での配当などに対して、原則、2重課税を回避することも盛り込まれています。

■時間外で米長期金利が異常なほど上昇 市場では、事前に詳細が報じられていたこともあって、いったんは利食いの米ドル売りや米国株の下落という反応となりましたが、米長期金利の上昇などを受けて、結果的にはどちらも買い戻されて引けました。

米ドルVS世界の通貨 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)

9月27日(水)のNYダウ 5分足(出所:Bloomberg)

 そして、本日9月28日(木)のアジア市場で、米10年債利回りはなんと、2.355%まで、さらに上昇しました。

 米国債はアジア時間でも時間外の取引が行われていることから、米長期金利には何らかの動きはあるものの、通常では1BP(ベーシスポイント)となる0.01%も利回りが動けば、市場では「大きな動き」と認識されるところです。

 それが、本日は、4BP(0.04%)を超える、異常ともいえる大幅な上昇となりました。

米長期金利(米10年債利回り) 30分足(出所:Bloomberg)

 市場の関係者から話を聞いてみましたが、「米系の短期ファンドなどが米国債を売り続けている」ことによるものだったようです。

【参考記事】

●ドル/円、下がらないけど上がりもしない理由は? ユーロのカギ握るECBに注目!(9月7日、今井雅人)

 NY時間に入ってから取引すればいいところを、こうやって…
ドル/円が年初来安値から反発した理由は? 円安継続! 数週間以内に114円程度へ上昇 ブログ

ドル/円が年初来安値から反発した理由は? 円安継続! 数週間以内に114円程度へ上昇

■ミサイル発射への反応は徐々に薄れていく 9月15日(金)の早朝に、北朝鮮が再びミサイルを発射し、市場も一時的にリスクオフの動きで円高に向かいましたが、今回はその円高の深さも、時間的にも、これまでよりは小さく、市場は非常に落ち着いた反応を見せました。

 米ドル/円はミサイル発射の発表前は110円台でしたが、発表後、一時的に109円台半ばまで下落しました。しかし、すぐに110円台を回復する展開となりました。

9月15日(金)の米ドル/円 30分足(出所:Bloomberg)

 北朝鮮の問題は緊張感が高まってきているのは事実ですが、米国、北朝鮮の双方ともに手詰まり感があるため、当面、挑発活動が継続する程度で大きな衝突にまでは至らないという様相を呈してきています。

【参考記事】

●米ドル/円は北朝鮮ミサイル発射でも押し目限定的。年内の上値目標は115~116円!(9月15日、陳満咲杜)

 今後は、ミサイル発射などに対して、市場の反応は徐々に薄れていくのではないかと考えています。(ただし、事態が深刻化したときは局面が一変するので、それは常に頭に入れておく必要があるでしょう)

■溜まった円買いポジションが反発の原因 9月15日(金)以降は、米ドル高・円安の流れが徐々に進行しています。

 チャート的に言えば、北朝鮮の核実験で米ドル/円が年初来安値を更新して107円台になった局面がありましたが、そこで、かなり短期的な円買いポジションが溜まってしまったことで、逆に反発のきっかけになってしまっています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 そして、その後は緩やかな上昇トレンドを形成しています。

 私は、前回のコラムで、米ドル/円は111.00円を抜けたからといって、一気に上昇するとは考えていないと話しました。

【参考記事】

●米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理…(9月14日、今井雅人)

 実際は、米ドル/円は一時、111.00円を上に抜けたものの、すぐに伸び悩んでしまったわけですが、その後、北朝鮮のミサイル発射をこなして、再び111円台に乗ってきたことで、下値の堅さを感じました。

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

 そして、111円台が定着すれば、さらなる上昇が期待できます。まずは、小さなチャートポイントとして112円、そして、その次は114円と予想してきました。

 そんな中、米ドル/円は一気に112.00円を上に突破する展開となってきています。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 そのきっかけとなったのは、9月20日(水)のFOMC…
米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理… ブログ

米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理…

■米ドル/円は完全にダマシのチャートに 北朝鮮が9月9日(土)の建国記念日に何か行動を起こすのではないかという懸念から、先週末8日(金)はリスクオフの流れとなり、円高が進行。米ドル/円は一時、107円台前半まで下落しました。

【参考記事】

●ドル/円は108円を割込み「売りシグナル」に!? 米金融政策は重要だが雇用統計は価値低下(9月6日、松田哲)

 マーケット関係者の中には、今年(2017年)の安値を下抜けしたため、105円ぐらいまで米ドル安・円高が進むと予測している人もいました。しかし、9日(土)に北朝鮮が何も行動を起こさなかったことで、週明け11日(月)から、一気に巻き戻しが進みました。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 予想は一瞬にしてはずれ、チャート的には完全にダマシとなってしまいました。その後、今週(9月11日~)は円買いの解消が進み、米ドル/円は110円台後半まで戻してきています。

【参考記事】

●北朝鮮リスクでドル/円下落も急反発警戒! 上昇再開のユーロ/米ドルは新ステージへ(9月11日、西原宏一&大橋ひろこ)

■税制改革への期待だけじゃない。米ドル/円反動の原因は? 米ドル/円が110円台を回復してから、110円台後半まで米ドル高・円安が進んだ直接的な原因となったのは、昨日、9月13日(水)のトランプ米大統領の発言でした。

 トランプ米大統領は自身のツイッターで、「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」と発表しました。

トランプ米大統領は「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」とツイッターで発言。米ドル高・円安の要因に (C)Mark Wilson/Getty Images

 さらに、それと呼応する形でライアン米下院議長が、「税制改革が25日週に発表される骨子でスタートし、税制を策定する委員会が議員らの意見を募ることになる」と表明しました。

 こうした発表を好感して、米ドル高がさらに進みました。

米ドルVS世界の通貨 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)

 しかし、本質的には、元々、北朝鮮のリスクを大きく見すぎていた投資家が多くいたため、一時的な円買いポジションが積み上がり過ぎてしまったことが、米ドル/円の反動をここまで大きくさせた原因であると私は考えています。

 さて、ここにきて、今度は市場の中では米ドル/円は111.00円を…
ドル/円、下がらないけど上がりもしない 理由は? ユーロのカギ握るECBに注目! ブログ

ドル/円、下がらないけど上がりもしない 理由は? ユーロのカギ握るECBに注目!

■不安感が蔓延、相場が戻らない状態に… 北朝鮮情勢が緊迫化してきました。

 9月3日(日)に北朝鮮は、これまでにない大規模な核実験を実施しました。さらに、韓国の李洛淵首相は本日7日(木)、北朝鮮が9日(土)にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射する可能性があると述べています。

世界の通貨VS円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)

 こうした行動に対して、米国は現在、国連で北朝鮮向けの石油禁輸を検討しています。マティス国防長官からは、「平和的な解決を目指す」としながら、「軍事的行動のいくつかのオプションがある」という発言も出始めています。

 北朝鮮と米国のチキンレースが、ますます深刻化してきています。これからどうなっていくのか、政府関係者、専門家とて予測不能な状況になってきています。

【参考記事】

●米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か?(8月31日、今井雅人)

 これまでは、北朝鮮のミサイル発射はある程度のインターバルが空いていたため、市場は一時的に円高になっても、1日たつと元の相場に戻るという反応をしていました。

 しかし、事態が緊迫化してきたことで、次がいつ起きるかわからないという不安感が蔓延し、相場が戻らなくなってきています。

■しばらくは北朝鮮情勢の動向に左右される展開に 9月6日(水)に米国のトランプ大統領は、ハリケーン「ハービー」の被害救済法案に、連邦債務の上限適用停止を3カ月延長することと、政府運営資金の確保を抱き合わせることで議会指導部と合意しました。

 これにより、米ドルが一時的に買われ、米ドル/円も109円台を回復する動きとなりましたが、やはり戻りは弱いです。

米ドル/円 15分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 15分足)

 北朝鮮情勢が重しになっています。こうなってくると、他の相場要因はあまり意味を持たなくなってしまいます。これからしばらくは、北朝鮮情勢の動向に左右される相場展開が続くでしょう。

■チキンレースが続く間は108円割れを回避しそう ただ、本格的な軍事衝突が起きなければ、それほど大きな動きとはなりません。

 今年(2017年)に入って、米ドル/円は108円を割り込んだことがありません。昨日も108円台では、日本の機関投資家がしっかり買いを入れていました。

 チキンレースの間は、米ドル/円が108円を割り込むようなことはないと考えています。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

【参考記事】

●ドル/円は108円を割込み「売りシグナル」に!? 米金融政策は重要だが雇用統計は価値低下(9月6日、松田哲)

●北朝鮮にハリケーンなど、トランプ政権は難題山積! 米ドル逆襲のカギを握るのは?(9月4日、西原宏一&大橋ひろこ)

 一方で、ここのところの米国の…
米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は 一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か? ブログ

米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は 一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か?

■北朝鮮のミサイル発射で動いたところを円売り! 先週(8月21日~)まで、相場はレンジに入ると予測をして、それに従ってトレードを続けてきました。

【参考記事】

●トランプ大統領への不信感でドル買えず…。割り切ってレンジディールに徹するべき!(8月24日、今井雅人)

 直近1週間も、米ドル/円、ユーロ/円のロング(買い)ポジション(=円売りポジション)をいったん決済して、次の仕込みどころを待っていました。

 そうしたところ、北朝鮮が北海道の襟裳岬上空を通過するミサイルを発射したことで円高になったので、米ドル/円の108円台、ユーロ/円の129円台で、またロングポジションを作って、今はそれをじっと持っています。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

ユーロ/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)

 これまで、北朝鮮のミサイル発射で円高になったところは、確実に円売りをしてきましたが、今回も同様でした。

■北朝鮮情勢による円高は今後も一時的な反応か この北朝鮮の問題ですが、大変に憂慮すべき状況であることは事実です。しかし、一気に武力衝突に発展するということは、到底、考えづらいです。

【参考記事】

●米軍の北朝鮮攻撃はあるのか? ないのか? 元航空自衛隊空将が語る攻撃の前兆とは?(4月18日、織田邦男)

 今は、米国と北朝鮮のチキンレースです。北朝鮮は、これからも挑発を繰り返すでしょう。特に、次は9月9日(土)の北朝鮮の建国記念日が危ないです。

 昨年(2016年)も、北朝鮮はこの日に核実験を実施しています。そうした挑発に対して、米国を始め、各国は経済制裁の強化で対抗しています。

 大きな鍵を握っているのは、言うまでもなく中国です。北朝鮮の貿易の9割は中国が相手国であるからです。中国も、今回は、これまでと違った危機感を持っていることは間違いありません。

 米国も中国に対して、経済制裁の確実な実行を迫っています。それに対して中国は、国連安全保障理事会の非難決議にも賛成し、経済制裁を強化する姿勢を見せています。まずは、それを確認するということが、しばらく起きるでしょう。その間は、大きな衝突が起きる可能性は低いと考えています。

 従って、ミサイル発射などで円高になっても、それは一時的な反応で、すぐに反発するという展開がこれからも続くだろうと思っています。

世界の通貨VS円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)

 もちろん、時間が経過して状況に変化が出てきた場合は、また作戦を練り直す必要がありますが、今のところは、この方針を維持しておきたいです。

【参考記事】

●“アレ”に比べたら北朝鮮リスクもトランプ氏のゴタゴタも小粒! クロス円は一巡後上昇へ(8月18日、陳満咲杜)

 さて、8月30日(水)に、米国の第2四半期GDP…
米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は 一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か? ブログ

米国と北朝鮮のチキンレースによる円高は 一時的。雇用統計後、ドル/円は一段高か?

■北朝鮮のミサイル発射で動いたところを円売り! 先週(8月21日~)まで、相場はレンジに入ると予測をして、それに従ってトレードを続けてきました。

【参考記事】

●トランプ大統領への不信感でドル買えず…。割り切ってレンジディールに徹するべき!(8月24日、今井雅人)

 直近1週間も、米ドル/円、ユーロ/円のロング(買い)ポジション(=円売りポジション)をいったん決済して、次の仕込みどころを待っていました。

 そうしたところ、北朝鮮が北海道の襟裳岬上空を通過するミサイルを発射したことで円高になったので、米ドル/円の108円台、ユーロ/円の129円台で、またロングポジションを作って、今はそれをじっと持っています。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

ユーロ/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)

 これまで、北朝鮮のミサイル発射で円高になったところは、確実に円売りをしてきましたが、今回も同様でした。

■北朝鮮情勢による円高は今後も一時的な反応か この北朝鮮の問題ですが、大変に憂慮すべき状況であることは事実です。しかし、一気に武力衝突に発展するということは、到底、考えづらいです。

【参考記事】

●米軍の北朝鮮攻撃はあるのか? ないのか? 元航空自衛隊空将が語る攻撃の前兆とは?(4月18日、織田邦男)

 今は、米国と北朝鮮のチキンレースです。北朝鮮は、これからも挑発を繰り返すでしょう。特に、次は9月9日(土)の北朝鮮の建国記念日が危ないです。

 昨年(2016年)も、北朝鮮はこの日に核実験を実施しています。そうした挑発に対して、米国を始め、各国は経済制裁の強化で対抗しています。

 大きな鍵を握っているのは、言うまでもなく中国です。北朝鮮の貿易の9割は中国が相手国であるからです。中国も、今回は、これまでと違った危機感を持っていることは間違いありません。

 米国も中国に対して、経済制裁の確実な実行を迫っています。それに対して中国は、国連安全保障理事会の非難決議にも賛成し、経済制裁を強化する姿勢を見せています。まずは、それを確認するということが、しばらく起きるでしょう。その間は、大きな衝突が起きる可能性は低いと考えています。

 従って、ミサイル発射などで円高になっても、それは一時的な反応で、すぐに反発するという展開がこれからも続くだろうと思っています。

世界の通貨VS円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)

 もちろん、時間が経過して状況に変化が出てきた場合は、また作戦を練り直す必要がありますが、今のところは、この方針を維持しておきたいです。

【参考記事】

●“アレ”に比べたら北朝鮮リスクもトランプ氏のゴタゴタも小粒! クロス円は一巡後上昇へ(8月18日、陳満咲杜)

 さて、8月30日(水)に、米国の第2四半期GDP…
トランプ大統領への不信感でドル買えず…。 割り切ってレンジディールに徹するべき! ブログ

トランプ大統領への不信感でドル買えず…。 割り切ってレンジディールに徹するべき!

■日ごとに高まるトランプ大統領への不信感… トランプ大統領への不信感は、日を追うごとに高まってきています。これは、決して逆に向かうことはないでしょう。

 この政権が続く限り、米ドルは買いたくないとさえ思えてしまう状況です。

 トランプ大統領は、頼みの経済界からもそっぽを向かれてきています。

【参考記事】

●ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを買えない一番の原因はトランプ大統領だ!(8月17日、今井雅人)

 トランプ大統領は日本時間の8月23日(水)に、メキシコとの国境付近に壁を建設する問題で、政府閉鎖も辞さない姿勢を示したほか、これができなければ、NAFTA(北米自由貿易協定)から離脱するとも取れる発言をしました。

 これを受けて23日(水)のNYダウは下落し、為替市場では米ドル安、円高が進行しています。

NYダウ 日足(出所:Bloomberg)

米ドル/円 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)

■マーケットにネガティブな発言が一段と増える!? こうした傾向は、これからも続くでしょう。それは、トランプ大統領の置かれている立場を考えてみれば、よくわかります。

 トランプ大統領は、共和党支持者で、特に白人至上主義の人たちに押し上げられて大統領になっています。最近、一部メディアの調査でトランプ政権の支持率が、就任以来最低の34%となりましたが、この支持率を支えているのが、白人至上主義の人たちです。

 つまり、34%はコアなトランプ支持者です。トランプ大統領の立場になって考えてみれば、これだけ世間の目が厳しくなってきている中、原点に返ってコアな支持者を大切にしようというマインドになることは想像に難くありません。

一部メディアによると、トランプ大統領の支持率は就任以来最低の34%に低下。世間の目が厳しくなる中、コアな支持者を大切にしようという姿勢が強まりそう… (C)Mark Wilson/Getty Images

 であるとすれば、マーケットに対してネガティブな発言が今後も続く、あるいは、さらに増えてくると考えておくべきでしょう。

【参考記事】

●“アレ”に比べたら北朝鮮リスクもトランプ氏のゴタゴタも小粒! クロス円は一巡後上昇へ(8月18日、陳満咲杜)

●トランプ氏の“ご乱心”に市場は過剰反応。今回の「リスクオフ」はホンモノではない!(8月14日、陳満咲杜)

 そうした状況下では、やはり米ドルを積極的に買っていくのは…
トランプ大統領への不信感でドル買えず…。 割り切ってレンジディールに徹するべき! ブログ

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■日ごとに高まるトランプ大統領への不信感… トランプ大統領への不信感は、日を追うごとに高まってきています。これは、決して逆に向かうことはないでしょう。

 この政権が続く限り、米ドルは買いたくないとさえ思えてしまう状況です。

 トランプ大統領は、頼みの経済界からもそっぽを向かれてきています。

【参考記事】

●ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを買えない一番の原因はトランプ大統領だ!(8月17日、今井雅人)

 トランプ大統領は日本時間の8月23日(水)に、メキシコとの国境付近に壁を建設する問題で、政府閉鎖も辞さない姿勢を示したほか、これができなければ、NAFTA(北米自由貿易協定)から離脱するとも取れる発言をしました。

 これを受けて23日(水)のNYダウは下落し、為替市場では米ドル安、円高が進行しています。

NYダウ 日足(出所:Bloomberg)

米ドル/円 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)

■マーケットにネガティブな発言が一段と増える!? こうした傾向は、これからも続くでしょう。それは、トランプ大統領の置かれている立場を考えてみれば、よくわかります。

 トランプ大統領は、共和党支持者で、特に白人至上主義の人たちに押し上げられて大統領になっています。最近、一部メディアの調査でトランプ政権の支持率が、就任以来最低の34%となりましたが、この支持率を支えているのが、白人至上主義の人たちです。

 つまり、34%はコアなトランプ支持者です。トランプ大統領の立場になって考えてみれば、これだけ世間の目が厳しくなってきている中、原点に返ってコアな支持者を大切にしようというマインドになることは想像に難くありません。

一部メディアによると、トランプ大統領の支持率は就任以来最低の34%に低下。世間の目が厳しくなる中、コアな支持者を大切にしようという姿勢が強まりそう… (C)Mark Wilson/Getty Images

 であるとすれば、マーケットに対してネガティブな発言が今後も続く、あるいは、さらに増えてくると考えておくべきでしょう。

【参考記事】

●“アレ”に比べたら北朝鮮リスクもトランプ氏のゴタゴタも小粒! クロス円は一巡後上昇へ(8月18日、陳満咲杜)

●トランプ氏の“ご乱心”に市場は過剰反応。今回の「リスクオフ」はホンモノではない!(8月14日、陳満咲杜)

 そうした状況下では、やはり米ドルを積極的に買っていくのは…
ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを 買えない一番の原因はトランプ大統領だ! ブログ

ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを 買えない一番の原因はトランプ大統領だ!

■米ドルは、よほどのことがない限り上昇しない! この1週間でよりはっきりしたことは、米ドルは、よほどのことがない限り上昇しないということです。

 8月4日(金)に発表された米国の7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が20万人台まで増加したほか、平均時給も高い水準を維持するなど、かなり強い結果となり、一時的に米ドルは上昇。

 米ドル/円は一時、111.053円まで値を上げることとなりましたが、翌週(8月7日~)からすぐに失速しました。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

■北朝鮮問題は、今後も相場に影響を与える材料となりそう… その直接的な原因となったのは、北朝鮮情勢の緊張感が高まったことでした。

 「グアム沖30~40キロメートル地点を弾道ミサイルで攻撃」する北朝鮮の計画が明るみなったほか、トランプ米大統領も挑発的な発言を繰り返すなど、一触即発の状態となりました。

 しかし、北朝鮮側が「米国の出方を見守る」という理由で「ミサイル攻撃」の実施を目先、取り止めたことが伝わると、緊張感がやや緩んだことで影響は急低下しました。

【参考記事】

●北朝鮮リスクは調整材料に使われただけ!? 基本トレンド変化なし。円高進めば買いたい(8月10日、今井雅人)

●トランプ氏の“ご乱心”に市場は過剰反応。今回の「リスクオフ」はホンモノではない!(8月14日、陳満咲杜)

 ただ、この問題は今後もくすぶり続けるので、そのたびに、一時的にせよ相場に影響を与えることになるでしょう。

■一番の原因はトランプ大統領、米ドルは買えない それよりも深刻なのは、やはりトランプ政権に対する不信感です。

【参考記事】

●米ドルを買う気になれない理由はどこに? ドル/円は引っ張り合いでレンジ長期化!?(7月27日、今井雅人)

 8月16日(水)、トランプ大統領は大企業幹部らが参加する大統領の諮問機関「米製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」を解散すると発表しました。

 そもそも、会議が積極的に開かれていた形跡もなく、事実上機能していなかったわけで、実際の影響という面では不透明なところはありますが、米製造業評議会のメンバーであった製薬大手メルク、半導体大手インテル、スポーツ衣料品大手アンダーアーマー、複合企業3M(スリーエム)、航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ、食品大手キャンベル・スープの各CEO(最高経営責任者)らが、トランプ大統領の白人至上主義に反発して相次いで辞任したため、解散に追い込まれたというのが実情です。

米製造業評議会と戦略・政策フォーラムは解散に追い込まれた格好に…。米ドルを買う気になれない一番の原因は、やっぱりトランプ大統領!? (C)Mark Wilson/Getty Images

 コーンNEC(米国家経済会議)委員長も「嫌悪感を覚えるとともに動揺している」とトランプ大統領を痛烈に批判。トランプ大統領の直近の支持率は、36%程度にまで低下してきています。

 これでは、とても米ドルは買えないというのが、投資家の正直な感想でしょう。

 さらに、8月16日(水)に公表された…