米ドル/円は110~112円のレンジトレードで。 リスクオフ回避でも楽観できない理由は?
■金融市場の停滞はさらに長引くかも… 金融市場の方は、相変わらず、方向感のない停滞した動きを続けています。
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
こうした流れは、当面、続くと話をしてきましたが、さらに長引きそうな気配です。
【参考記事】
●米中貿易交渉の合意期待でリスクオンだがドル/円は右往左往!? 狙いはユーロ/ドル!(4月5日、今井雅人)
世界的な景気後退懸念から、リスクオフの動きが起きる可能性も、以前のコラムで指摘しましたが、それも今のところ、回避できそうなムードとなってきました。それは、以下の3つのことが要因でしょう。
【参考記事】
●ハト派は米国だけじゃない! 米ドル安より円高を警戒。ユーロ/円の売り戦略を検討へ(3月28日、今井雅人)
■米中通商交渉は合意間近! まず、1点目は、米中通商交渉の行方についてです。
現在、閣僚級協議が終わったあとも、実務者会議が断続的に行われていますが、どうやらかなり、合意に近づきつつあるようです。
トランプ米大統領も「もう少しで合意できるところまで来ている」と発言していますが、中国の習近平国家主席も、同様の発言をしています。
【参考記事】
●米中貿易交渉の合意期待でリスクオンだがドル/円は右往左往!? 狙いはユーロ/ドル!(4月5日、今井雅人)
こうした動きの背景には、昨年(2018年)の秋口から、中国経済が大きく減速したことがあります。
現在、実務者会議が断続的に行われている米中通商交渉は、かなり合意に近づきつつあるようだ。2018年の秋口から中国経済が大きく減速したことも、局面が大きく変わってきている背景にあると今井氏は指摘している。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの (C)Bloomberg/Getty Images
中国側も、最初は米国と全面戦争の構えを見せていましたが、今の時点で米国と真正面から対立するのは、中国側にとって、よりダメージが大きいと判断したようで、そこから局面が大きく変ってきているのだと思います。
トランプ米大統領のことですから、最後まで、その行方が分からないという一抹の不安は残りますが、今回は、合意する可能性が、かなり高いと考えています。
■中国発の経済危機リスクは後退へ 2点目は、中国の景気対策です。
先日(3月5日~)の全人代(全国人民代表大会)において、中国政府は2兆元、日本円にして約35兆円程度の景気対策を講じることを決定しました。内容は、企業の税負担と社会保険料負担を軽減するというものです。
リーマンショックのときは、40兆円以上の景気対策を講じましたが、多くは公共事業でした。しかし、今回は、企業への負担を軽減するという対策で、公共事業依存の対策よりは、より効果のある対策だと思っています。
これが、中国経済の下支え要因になってくる可能性は、十分にあります。ですから、中国発の経済危機というリスクも、かなり遠のいたのではないかと考えています。
3点目は…
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世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
こうした流れは、当面、続くと話をしてきましたが、さらに長引きそうな気配です。
【参考記事】
●米中貿易交渉の合意期待でリスクオンだがドル/円は右往左往!? 狙いはユーロ/ドル!(4月5日、今井雅人)
世界的な景気後退懸念から、リスクオフの動きが起きる可能性も、以前のコラムで指摘しましたが、それも今のところ、回避できそうなムードとなってきました。それは、以下の3つのことが要因でしょう。
【参考記事】
●ハト派は米国だけじゃない! 米ドル安より円高を警戒。ユーロ/円の売り戦略を検討へ(3月28日、今井雅人)
■米中通商交渉は合意間近! まず、1点目は、米中通商交渉の行方についてです。
現在、閣僚級協議が終わったあとも、実務者会議が断続的に行われていますが、どうやらかなり、合意に近づきつつあるようです。
トランプ米大統領も「もう少しで合意できるところまで来ている」と発言していますが、中国の習近平国家主席も、同様の発言をしています。
【参考記事】
●米中貿易交渉の合意期待でリスクオンだがドル/円は右往左往!? 狙いはユーロ/ドル!(4月5日、今井雅人)
こうした動きの背景には、昨年(2018年)の秋口から、中国経済が大きく減速したことがあります。
現在、実務者会議が断続的に行われている米中通商交渉は、かなり合意に近づきつつあるようだ。2018年の秋口から中国経済が大きく減速したことも、局面が大きく変わってきている背景にあると今井氏は指摘している。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの (C)Bloomberg/Getty Images
中国側も、最初は米国と全面戦争の構えを見せていましたが、今の時点で米国と真正面から対立するのは、中国側にとって、よりダメージが大きいと判断したようで、そこから局面が大きく変ってきているのだと思います。
トランプ米大統領のことですから、最後まで、その行方が分からないという一抹の不安は残りますが、今回は、合意する可能性が、かなり高いと考えています。
■中国発の経済危機リスクは後退へ 2点目は、中国の景気対策です。
先日(3月5日~)の全人代(全国人民代表大会)において、中国政府は2兆元、日本円にして約35兆円程度の景気対策を講じることを決定しました。内容は、企業の税負担と社会保険料負担を軽減するというものです。
リーマンショックのときは、40兆円以上の景気対策を講じましたが、多くは公共事業でした。しかし、今回は、企業への負担を軽減するという対策で、公共事業依存の対策よりは、より効果のある対策だと思っています。
これが、中国経済の下支え要因になってくる可能性は、十分にあります。ですから、中国発の経済危機というリスクも、かなり遠のいたのではないかと考えています。
3点目は…