95年の榊原ブルドーザー介入と似ている? ドル/円は史上最安値から60円の円安も!
■一時、125円台に達した米ドル/円! その後は… 前回のコラム執筆時から見ても、米ドル/円はさらに上昇(米ドル高・円安に)。
一時的ではありましたが、とうとう125円台に達しています。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
その後は、達成感が出たことや、ユーロ/米ドルでユーロ高・米ドル安が進んだことの影響を受け、少し落ち着いています。
■米ドル/円上昇の背景は「米ドル高」よりも「円安」 今回の米ドル/円の上昇は、確かに、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が年内に利上げを示唆するような発言をしたことで、米ドルが買われ、米ドル/円も米ドル高・円安になった局面もありましたが、その後の動きを見ていると、どうも「米ドル高」ではなく「円安」という要因で動いています。
それはユーロ/米ドルの動きを見ればよくわかります。ユーロ/米ドルでは、EU(欧州連合)諸国の景気が予想以上に良さそうだということなどから、むしろユーロ高・米ドル安が進んでいます。
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
当コラムでよく例に挙げている、IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見ても、かなりユーロ/米ドルのショートポジションが積み上がったままの状態だったので、その巻き返しが起きています。
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
その結果として、ユーロ/円でユーロ高・円安が進み、6月に入ってとうとう140円の大台に乗ってきました。少し、局面が変わってきたなという印象です。
■米ドル/円の次の目標は、135.20円水準か さて、今度の相場ですが、30年ぐらいの長期のチャートを見てみると、2007年の高値124.14円を上抜けてきているので、そうなると次の目標は2002年の高値である135.20円という水準が視野に入ってきます。
【参考記事】
●買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり(5月27日、今井雅人)
もし、そんなことが起きれば、2011年につけた史上最安値の75.311円から始まっている上昇相場であるので、60円も円安が進むことになり、それはないだろうと思われる方がいるかもしれません。
米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)
しかし、かつてそのようなことが実際にありました。
それは、1995年に79.75円の安値をつけてから、1998年に147.64円の高値をつけるまで、実に68円近く円安が進行した局面です。
このときも、米ドル/円は1米ドル=50円ぐらいまで円高になってしまうのではないかという声が高まっていた時、当時、国際金融局長だった榊原英資さんが、ブルドーザー介入と言われた大量の米ドル買い介入をしながら、国内の機関投資家の海外への投資規制を緩和して、どんどん海外に投資するように仕向けるとともに、海外のヘッジファンド、国家ファンドなども巻き込んで円安相場への大転換をさせました。
当時、国際金融局長だった「ミスター円」こと、榊原英資氏。財務官その後、財務官などを歴任
(C)Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images
今回はどうでしょう…
一時的ではありましたが、とうとう125円台に達しています。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
その後は、達成感が出たことや、ユーロ/米ドルでユーロ高・米ドル安が進んだことの影響を受け、少し落ち着いています。
■米ドル/円上昇の背景は「米ドル高」よりも「円安」 今回の米ドル/円の上昇は、確かに、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が年内に利上げを示唆するような発言をしたことで、米ドルが買われ、米ドル/円も米ドル高・円安になった局面もありましたが、その後の動きを見ていると、どうも「米ドル高」ではなく「円安」という要因で動いています。
それはユーロ/米ドルの動きを見ればよくわかります。ユーロ/米ドルでは、EU(欧州連合)諸国の景気が予想以上に良さそうだということなどから、むしろユーロ高・米ドル安が進んでいます。
ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
当コラムでよく例に挙げている、IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見ても、かなりユーロ/米ドルのショートポジションが積み上がったままの状態だったので、その巻き返しが起きています。
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
その結果として、ユーロ/円でユーロ高・円安が進み、6月に入ってとうとう140円の大台に乗ってきました。少し、局面が変わってきたなという印象です。
■米ドル/円の次の目標は、135.20円水準か さて、今度の相場ですが、30年ぐらいの長期のチャートを見てみると、2007年の高値124.14円を上抜けてきているので、そうなると次の目標は2002年の高値である135.20円という水準が視野に入ってきます。
【参考記事】
●買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり(5月27日、今井雅人)
もし、そんなことが起きれば、2011年につけた史上最安値の75.311円から始まっている上昇相場であるので、60円も円安が進むことになり、それはないだろうと思われる方がいるかもしれません。
米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)
しかし、かつてそのようなことが実際にありました。
それは、1995年に79.75円の安値をつけてから、1998年に147.64円の高値をつけるまで、実に68円近く円安が進行した局面です。
このときも、米ドル/円は1米ドル=50円ぐらいまで円高になってしまうのではないかという声が高まっていた時、当時、国際金融局長だった榊原英資さんが、ブルドーザー介入と言われた大量の米ドル買い介入をしながら、国内の機関投資家の海外への投資規制を緩和して、どんどん海外に投資するように仕向けるとともに、海外のヘッジファンド、国家ファンドなども巻き込んで円安相場への大転換をさせました。
当時、国際金融局長だった「ミスター円」こと、榊原英資氏。財務官その後、財務官などを歴任
(C)Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg via Getty Images
今回はどうでしょう…