Circle、新たな送金ネットワークCPNを導入|USDCを使ったリアルタイムのクロスボーダー決済が可能に
Circle、国際送金をリアルタイム化する「CPN」を導入
米ドル連動ステーブルコインUSDCの発行元であるCircle(サークル)社は2025年4月22日に、新たなリアルタイム決済インフラ「Circle Payments Network(CPN)」の導入を発表しました。
CPNは銀行・ネオバンク・決済サービス事業者・仮想通貨サービス事業者・デジタルウォレットなど世界中の金融機関をつなぎ、USDCやEURC(ユーロ連動型ステーブルコイン)などの規制下にあるステーブルコインを活用して国際送金をリアルタイムで処理できる決済ネットワークです。
この取り組みを通じて、Circle社は信頼性の高いステーブルコインや開発者向けプラットフォームの提供にとどまらず、世界規模の決済ネットワーク構築という新たな領域に踏み出すことになります。
なお、CPNは2025年5月に限定的に提供開始される予定で、ライセンスを取得した金融機関の参加登録が始まっています。
リップル社も国際送金ソリューションを発表
CPNが実現するリアルタイム決済
CPNは厳格なルールのもとで運営され、参加する金融機関は正規のライセンスを持ち、AML/CFT(マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策)などの厳しい基準を満たす必要があります。
USDCやEURCといった規制された仮想通貨を活用することで、CPNは各国の即時決済システム同士をスムーズにつなげ、金融機関に必要な法令順守、安全性、信頼性を担保しながらサービスを展開します。
CPN上では企業・金融機関・個人を問わず、サプライヤーへの支払いや個人間送金、給与支払い、資本市場の決済、企業の資金管理、さらにはオンチェーン金融アプリケーションまで、幅広い用途に対応しています。
またこのネットワークはスマートコントラクト(自動実行される契約)と使いやすいAPIで作られているため、外部の開発者も簡単に新しい金融サービスや自動化の仕組みを作れるようになっています。
Circle社のジェレミー・アレールCEOは「創業以来、Circleのビジョンは”お金の移動をメール送信のように簡単で効率的にすること”でした。CPNはそのビジョンを世界中の企業にとって現実のものにする大きな一歩です」と述べています。
USDCでガス代支払い可能に
USDC決済導入が世界的に拡大
Circle社のCPN計画は、仮想通貨(暗号資産)業界と従来の金融業界が目指す「迅速で低コストな送金」という流れに沿った取り組みです。
連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォラー理事も、ステーブルコインが決済の世界に「より活発な競争、効率性の向上、処理速度の改善」などのメリットをもたらすと述べています。
実際、大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)の決済サービス「Binance Pay」ではUSDCが標準通貨として採用され、利用者は手数料なしで即座に送金できる仕組みが整っています。
また、決済大手のVisaもUSDCを使った国際送金の試験運用を広げており、提携している決済代行会社へブロックチェーンを通じてUSDC建ての送金を行い、加盟店への支払いスピードを上げる取り組みを進めています。
ステーブルコイン関連の注目記事はこちら
Source:Circle公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像