「イーサリアムの巨大な船」立て直しに必要なこと|バンクレス創設者

「イーサリアムの巨大な船」立て直しに必要なこと|バンクレス創設者の提言(Ethereum's massive ship and what it takes to fix it|Insights from Bankless founder)

バンクレス創設者が語る「イーサリアムが直面する壁」

仮想通貨メディアBanklessの共同創設者であるデイヴィッド・ホフマン氏は2025年4月18日に、イーサリアム(ETH)コミュニティが直面する課題とその解決策についての記事を公開しました。

ホフマン氏は記事の中で、イーサリアムが抱える課題として「技術的な壁」や「レイヤー2エコシステムの分散化」を挙げています。特に土台となるレイヤー1の開発がおろそかになり、レイヤー2に力が注がれすぎた結果、ネットワーク全体の強みが失われつつあると指摘しています。

さらに同氏は、レイヤー2間の連携が複雑になりすぎてユーザーが戸惑っている状況や、明確なビジョンを打ち出すリーダーシップの不足も課題として取り上げています。

ホフマン氏の提言:イーサリアムの課題と再建戦略

ホフマン氏は解決策として、まず「レイヤー1の処理能力向上」が重要だと訴えています。

短期目標としては、1ブロックで処理できる取引量を決める「ガスリミット」を現在の約3,600万から1億へ引き上げることを提案しています。

次回の大型アップデート「グラムステルダム」では、このガスリミットをさらに3億まで拡大する計画です。また、ゼロ知識証明技術(zkVM)を取り入れることで、レイヤー1の処理能力を現在の約100倍に高める構想も示しています。

コミュニティ運営については「技術中心」から「利用者中心」への発想転換を促し、ユーザー体験(UX)の改善と開発者支援の強化が必要だと指摘しています。

また、レイヤー2の各ネットワーク間の相互連携を深め、レイヤー1とレイヤー2を統合的に発展させることも重要視しています。さらに開発計画を短くして技術革新のペースを速めるべきだとの見解も示しました。

こうした動きを受け、イーサリアム財団は2025年3月にトマシュ・スタンチャク氏とシャオウェイ・ワン氏を新たな共同エグゼクティブ・ディレクターに迎え、組織の団結力を高める体制づくりを進めています。

同氏は「イーサリアムは多様性を活かしつつ、ユーザーと開発者を引きつける魅力的な基盤として生まれ変わるべきだ」と強調しました。

イーサリアム復権へ向けたアップグレード

イーサリアムの復権に向けて、ここ数カ月で具体的な取り組みが動き始めています。

技術面では、2025年5月7日に予定されている大型アップデート「Pectra(ペクトラ)に注目が集まっています。このアップデートでは財布機能の充実、取引手数料の引き下げ、処理能力の拡大が実現し、レイヤー2の効率も良くなる見通しです。

さらにその後のアップグレードとして「PeerDAS」や「フサカ」も計画されており、継続的な技術改善が進められています。

ネットワークの状況にも明るい兆しが見えています。最近では実際に使われているアドレス数が約10%増えて50万に達しました。大きな資金を持つ投資家(クジラ)がETHを積極的に買い増している報告もあり、市場の信頼が戻りつつあります。

今後のアップデートやシステム全体の改善によって、かつて「世界のコンピュータ」と呼ばれたネットワークの復活に期待が高まっています。

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Source:デイヴィッド・ホフマン氏記事
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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