小売大手「SPAR」スイスでビットコイン決済を試験導入|ライトニングネットワークを採用
ツーク市でビットコイン決済受け入れ開始
大手小売チェーン「SPAR」は2025年4月中旬、スイスのフィンテック企業DFX Swissとの提携により、同国ツーク市のスーパーでビットコイン(BTC)決済を導入しました。
決済システムには、DFX Swissが提供する「OpenCryptoPay」を使用し、取引スピードを向上させるライトニングネットワークを採用しています。これにより、顧客はレジで直接ビットコインで支払えるようになり、スイス国内でもビットコイン対応の先駆的なスーパーとなりました。
なお、記事執筆時点ではSPAR側からの正式な発表はありませんが、DFX Swissが4月17日にLinkedInで情報を共有しており、同店舗はビットコイン利用可能店舗を示す地図サービス「BTC Map」にも登録されています。
ツーク市のSPARが表示(画像:BTC map)
欧州でBTC決済サービス開始
SPARがツーク市を選んだ背景
ツーク市は「Crypto Valley(クリプトバレー)」と称されるほどブロックチェーン企業が集積する欧州有数の仮想通貨先進地です。公共料金の支払いにもビットコインが利用できるなど、先進的な取り組みで知られ、仮想通貨に対する理解が深い土地柄として評価されています。
SPARがこの場所を選んだ理由として、仮想通貨に精通した顧客から即座にフィードバックを得て、ビットコイン決済の実用性を検証する狙いがあると見られています。
この動きは、スイス全体で広がる仮想通貨活用の流れに沿ったものでもあります。スイスはヨーロッパでも仮想通貨に寛容な国として知られ、2023年にはルガーノ市が市の公共サービス料金をビットコインやテザーで支払える「Plan ₿」プロジェクトを立ち上げるなど、革新的な試みが続いています。
現在、スイス国内では1,000以上の企業・店舗がビットコイン決済をすでに導入しており、今回のSPARの取り組みもその流れに続くものと考えられています。
仮想通貨で公共料金の支払いが可能に
ビットコイン小売決済の未来
SPARは世界48ヵ国で13,900店舗以上を展開し、1日あたり約1,470万人が利用する世界的な小売チェーンです。
SPARのツーク市での試みはスイス国内の先駆的な事例ですが、世界的に見れば食料品店でのビットコイン決済はすでに広がりを見せています。例えば南アフリカの大手スーパー「Pick n Pay」は2023年に、1,600店舗以上でライトニングネットワークを使ったビットコイン決済サービスを始めています。
世界各国で日々の買い物にビットコインを利用する流れが少しずつ広がっており、今回のSPARの取り組みが成功すれば、スイス国内の他店舗だけでなく、SPARが展開する他国への拡大も期待されます。スイス発の「仮想通貨での日常的な買い物」という新しいトレンドが世界へ広がるのかもしれません。
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Source:DFX Swiss公式LinkedIn
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像