ブエノスアイレス当局がワールドコイン(WLD)提訴、ユーザー保護法違反で1.7億円の罰金可能性も

最大で1.7億円の罰金

アルゼンチンのブエノスアイレス州の当局が、ワールドコイン(Worldcoin)を4月11日告発した。

当局によれば、ワールドコインは拘束力のある契約に不公正な条項を盛り込み、全国消費者保護法を違反した疑いがあるという。また、ワールドコインから報告された情報と、州内各地で実施された検査から得られた情報間に矛盾があるとも当局は指摘している。

ワールドコインは、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が立ち上げた暗号資産(仮想通貨)プロジェクト。AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が立ち上げた。

ワールドコインは「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで虹彩をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行する。これによりワールドコインは世界的なIDシステムの構築を目指している。

今回当局は、ユーザーがワールドコインのサービスを利用する際に受け入れる、「利用規約」、「プライバシー通知」、「データ同意書」などのいくつかの契約で、アルゼンチンの消費者の権利を脆弱にしていると指摘。これらの条項のうち、不当とみなされるものは、同社にユーザーへの払い戻しなしにサービス停止を可能にする条項だ。

これらの契約は、ユーザーに集団的請求権の放棄を強制し、ケイマン諸島の規制をアルゼンチン人に適用するものだという。さらに、あらゆる係争事項は、カリフォルニア州の司法権における仲裁を通じて解決されることになると契約では定められており、アルゼンチンの法律に抵触するものだと当局は指摘している。

ブエノスアイレス州の商業開発・投資促進次官であるアリエル・アギラール(Ariel Aguilar)氏は、ワールドコインの契約の複雑さ、事業の斬新さ、問題となっている資産、そして情報不足が、この事業全体の規則と運営について正確な把握を阻んでいると述べた。

またアルゼンチン州は、実施した調査の中で、ワールドコインがサービス対象年齢を18歳以上であることを示す標識を表示していないことを発見したと指摘。さらにアルゼンチン人ユーザーの顔と目から収集されたバイオメトリック・データの使用、保護、保管に関して同社が提供する情報に矛盾があることも判明したとし、これらの個人情報はどうやらブラジルに保管されるようだとと同州は報告している。

これらの侵害の容疑でワールドコインは、最大10億ペソ(約1.7億円)の罰金を科される可能性があるとのことだ。

個人情報保護の観点から各国懸念の声も

ワールドコインのウェブサイトによると、虹彩スキャンに登録した人の数は120カ国で400万人を超えた。しかしこのプロジェクトはアルゼンチンからドイツに至るまで、個人情報保護の活動団体から批判を浴びている。

韓国や香港でもデータプライバシーの観点から調査が開始されている。

昨年10月には、ケニア政府の合同特別調査委員会が同国規制当局に対し、ケニアでのワールドコインの事業停止を勧告。今年に入り2月には香港の個人情報保護委員会(PCPD)が、ワールドコインの香港事務所6つに立ち入り調査を行い、また韓国の個人情報保護委員会もワールドコインについて調査開始を発表している。

ワールドコインは3月、スペインでの営業禁止を受け、同国のデータ保護規制当局に対して訴訟を起こしたことを発表している。

現在オーブでの虹彩スキャンは無料ででき、スキャンしたユーザーは暗号資産「Worldcoin(WLD)」を受け取れる。この「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されている。

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参考:発表
images:iStock/Pict-Rider

参照元:ニュース – あたらしい経済

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