武田薬品と三菱倉庫、ブロックチェーンで医薬品流通を可視化

武田薬品と三菱倉庫が医薬品サプライチェーンを可視化

武田薬品工業と三菱倉庫が、ブロックチェーンを用いたデータプラットフォームを活用し、一部医薬製品の温度・位置情報を可視化する取組みを開始していたことが分かった。

この取り組みに利用されるデータプラットフォームは三菱倉庫開発の「ML Chain」とのこと。IBM社のブロックチェーン技術が採用されているとのことで、データの完全性と安全性を保持しながら、医薬品流通過程の各種情報を可視化し、輸送に関わる事業者間でリアルタイムに共有することが可能になると説明されている。

「ML Chain」は今年1月に武田薬品の「物流センター」から「医薬品卸倉庫」までの国内の流通経路で、「全製品」において運用を開始したとのこと。さらに今回発表された5月からの取り組みでは、サプライチェーンの川上の範囲を広げ、製品の「製造工場」である武田薬品の光工場から武田薬品の「物流センター」、そして「医薬品卸倉庫」への配送において、「一部製品」を対象に運用を開始したとのことだ。

武田薬品は「ML Chain」の取り組みについて、将来的にはオープンなプラットフォームとして、流通品質管理向上のみならず、偽造医薬品対策や在庫レベルの適正化、安定的供給の維持など、業界全体として医薬品流通の高度化に貢献するものと考えているとしている。

なお「あたらしい経済」編集部は、「ML Chain」採用のIBMのブロックチェーン技術について武田薬品に質問を行っている。ただしIBMのブロックチェーンを採用した企業の過去事例を鑑みるとエンタープライズ向けブロックチェーン基盤「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」が採用されている可能性が高いだろう。

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参考:武田薬品
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Who_I_am

参照元:ニュース – あたらしい経済

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