仮想通貨取引所コインベース、環境問題などマイニングに関わる説を検証
アメリカを拠点としている仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)が5月25日、環境への影響などマイニングにまつわる複数の通説に関する検証記事を公開した。
ビットコインのマイニングは気候変動の原因となっているのか
まずコインベースが取り上げたのは、「ビットコインは気候変動の大きな原因になっている」というものだ。この説のきっかけは、4月に出た中国でのマイニングに関するレポートであり、同時にこのレポートに欠陥があることを、コインベースは指摘している。
コインベースによると、中国でのマイニングに関するレポートでは、中国全体で使用されているエネルギーの組み合わせから、マイニングによる環境への影響を算出している。さらに中国の電力の多くは石炭で賄われており、レポートでもマイニングが石炭に依存している前提で書かれているという。
コインベースではこのレポートに対して、マイナーが実際に使用しているエネルギーの組み合わせとは異なると指摘。世界のマイニングの半分は、中国の四川省で行われており、四川省では、余剰な水力発電により95%の再生可能エネルギーによって賄われている。また、マイナーの75%は、エネルギーミックスの一部として再生可能エネルギーを取り入れているという。
さらに、24時間ごとのビットコインの電力消費量をグラフ化しているケンブリッジ・ビットコイン電力消費インデックス(the Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index)の研究者が、「ビットコインが環境に及ぼしている影響は、現在のところせいぜいわずかである」と結論付けている。
ビットコインはエネルギーを使いすぎているのか
続いて「ビットコインはエネルギーを使いすぎている」という項目についても検証している。コインベースはこの説に対して、「ノルウェーのような国と同じくらいのエネルギーを消費するという考えには衝撃を受けるかもしれない」とし、「ノルウェーのGDPが約4,000億ドルであることを考えて欲しい」と続ける。
また、直接的に比較するのは難しいとしながらもビットコインの時価総額を引き合いに出し、重要なことは「全てのものがエネルギーを使用している」としている。「エネルギーの使用を正当化できるかどうかは、使用することで得られる価値に依存している」という見解も示している。
ビットコインのエネルギー消費は、金の採掘産業の半分であり、銀行の支店やATMの5分の1以下だという。コインベースは、このような観点から、ビットコインは多くの産業に比べて資源を効率的に利用しているとまとめた。
参考
・FACT CHECK: Is Bitcoin mining environmentally unfriendly?
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参照元:CoinChoice