(HashPort代表取締役社長の吉田世博氏コメントあり)HashPortと米STO関連企業Tokensoft(トークンソフト)が業務提携
HashPortと米STO関連企業Tokensoft(トークンソフト)が業務提携
株式会社HashPortが米セキュリティートークン企業Tokensoft(トークンソフト)社と日本市場での展開に関する業務提携を発表した。
TokensoftはSTO(セキュリティトークンオファリング)のプライベート、パブリックオファリングの実施、セキュリティートークンの発行・管理、流動性の提供を行なっている。同社はブローカーディーラーとトランスファーエージェントのライセンスを保持している。そして同社のプラットフォームには50カ国以上から機関投資家が登録しており、登録した投資家の運用資産残高は10億ドルを超えているとのこと。
またTokensoftはアメリカでは会計・税務に関してErnst & Youngとの協業、投資家としてFidelity INVESTMENTS、coinbase、e.ventures、Base10などが参加していることが明らかになっている。
株式会社HashPort 代表取締役社長 吉田世博(よしだせいはく)氏は「この度のTokensoft社との提携は非常に光栄であり、Tokensoft社の米国におけるセキュリティトークンに関するテクノロジーやノウハウを日本市場に活用できると考えております。これから急成長が見込まれる日本のセキュリティトークン市場において、Tokensoft — HashPortアライアンスが、世界基準の高い実績と信頼性を持ち、日本の法規制に最適化された、フェアな価格設定のセキュリティトークンソリューションを提供していくことで、市場全体の発展の一助になればと考えております」コメントしている。
Tokensoft, Inc. 共同設立者兼最高経営責任者Mason Borda氏は「日本市場は、規制への取り組みとサイバーセキュリティに関して高い水準を維持しています。 当社のテクノロジーは、セキュリティトークン管理のための安全なコールドストレージやマルチシグネチャソリューションを市場に投入し、STO市場において価値の高いアセットを提供し続けています。このパートナーシップにより、セキュリティトークンにおいて我々が提供する高水準のサイバーセキュリティと、規制遵守へのサポートが日本市場にもたらされるでしょう」コメントしている。
あたらしい経済編集部はHashPort代表取締役社長の吉田世博氏へ取材を行った。
ーTokensoftはその他セキュリティートークン(ST)企業Securitize、tZeroと比較した際に、どのような強みがあると考えられますか?
“市場・顧客に合わせた細やかなカスタマイズ”と”資本面での独立性”の二点が重要な強みであると考えております。
一つ目の”市場・顧客に合わせた細やかなカスタマイズ”については、TokensoftがST関連システムの開発ベンダーから発展した点が大きな強みになると考えております。既にSTの発行と取引の実績を有し、米国SECが発行するBroker DealerとTransfer Agentのライセンスを保持しており、欧州などの海外でも業務を展開している企業が、世界の主要なST企業だと仮に定義します。
その意味で、世界の主要なST企業の条件に当てはまるほとんどの企業は、当初からプラットフォームとして運営されており、そのプラットフォームを利用させる形での海外展開を行なっております。
一方、Tokensoftは開発ベンダーとして強みを活かし、クライアントごとに最適なシステムを提供できることが強みとなっております。その強みによって、特殊な規制環境・商習慣を持つ日本市場において、より使いやすいサービスとして定着できると考えております。
二つ目の”資本面での独立性”については、Tokensoftが日本企業と直接的な資本関係を持たず、フェアな立場でカスタマイズされたソリューションを提供できる点が重要なポイントになると考えております。TokensoftはCoinbaseやFidelity Investmentなど米国の大手VCより出資を受けておりますが、資本提携については非常に慎重な姿勢をとっております。
ST発行におけるノウハウ・情報の管理は非常にセンシティブな問題です。Tokensoftは高い独立性と透明性を保ち、あくまでクライアントのST関連システム構築をサポートするパートナーとして、クライアントサイドのノウハウの蓄積をサポートしていくという素晴らしいスタンスを持っています。なので私たちはTokensoftが日本市場で信頼を勝ち取ることができると考えております。とコメントしている。
ーTokensoftは日本市場に何を期待しているのでしょうか。
Tokensoftは日本市場のプレイヤーとこれまでも様々な形での営業活動を行なってきました。
その過程において、日本市場でTokensoftの強み発揮するためには、細やかなローカライゼーションを行い、日本の法規制に対応したサービスを行なっていくことが重要であると認識しておりました。
その意味で、今回の弊社HashPortとの業務提携においては、これまでのエンタープライズブロックチェーン領域・暗号資産交換業関連領域でのコンサルティングと開発の豊富な実績を評価いただき、ローカライゼーションを強力に推進していくパートナーとして選んでいただきました。
コロナ後というタイミングで、Tokensoftが今回の提携を決断したことは、欧州に続く重要な市場としての日本への強いコミットメントの現れである考えております。
日本市場では既にセキュリティトークン関連ソリューションを提供する企業が多く存在しますが、TokensoftとHashPortが手を携えることで、グローバル基準の実績、事業体としての独立性・透明性、柔軟なカスタマイズ、日本市場に精通したチームによる細やかな対応など、多くの点で日本のクライアントの皆様に選ばれるサービスを提供できると考えております。
編集部のコメント
Tokensoftはその他セキュリティートークンプラットフォームと異なり、コンプライアンスに対応したカスタマイズ性がポイントとのことです。それはTokensoftが自社のSTに関する商品を提供していないからです。あくまでも流通プラットフォームだけを提供しているので、各国の法制度に基づいてプラットフォームの機能を実装することができます。そしてTokensftの子会社がトランスファーエージェントライセンスを保持しているので、証券台帳の管理の中で名義書換え業務機能を実装することができます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/antoniokhr)
参照元:ニュース – あたらしい経済