ファイルコイン(Filecoin/FIL)とは?基本情報・特徴・購入方法などを解説
仮想通貨(暗号資産)ファイルコイン(Filecoin/FIL)に関する基本情報や特徴・メリット・将来性・購入方法・取り扱っている取引所などをわかりやすく解説します。
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ファイルコイン(Filecoin/FIL)とは?
ファイルコイン(Filecoin/FIL)とは、IPFSと呼ばれる分散型のインターネットファイルシステムを開発している「Protocol Labs」が開発した”ユーザー同士でストレージの貸し借りを行うことできる分散型ストレージネットワーク“のことであり、このネットワークで参加者に支払われる暗号資産(仮想通貨)も「Filecoin(FIL)」と呼ばれています。
2017年8月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を実施した「Filecoin」は、最初の1時間で1億8,600万ドル(約170億円)の資金を調達しただけでなく、合計2億5,700万ドル(約280億円)もの資金を調達したことでも知られており、数多く誕生したICOプロジェクトの中でも”特に注目されているプロジェクトの1つ”となっています。
IPFS(Interplanetary File System)とは?
IPFSとは「Interplanetary File System(インタープラネタリー・ファイルシステム)」の略であり、簡単に説明すると、WebブラウザがWebサーバと通信する際に使用している主流の通信プロトコル「HTTP」を不特定多数の端末がサーバを介さずに端末同士で直接データファイルを共有することができる「ピアツーピア(P2P)方式」へと切り替えるようなもののことを指します。
従来のインターネットではファイルが保存されている”特定のサーバー”にアクセスしてデータを取得していましたが、IPFSは既存のデータセンターに加えて”個人のパソコン・スマホの空き容量”を提供してもらうことによって「巨大な分散型ネットワーク」を構築します。
このようなIPFSは「対改ざん性・耐障害性・対検閲性・負荷分散」などのメリットを有しており、ブロックチェーン技術がもたらす新しいWebとして注目されている”Web 3.0″に欠かせない技術として世界的に注目されています。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は、この”巨大な分散型ネットワーク”に参加して空き容量を提供する参加者に報酬を支払う際などに使用されることとなります。また、ストレージや検索サービスを利用したいユーザーは暗号資産「FIL」を購入してマイナーに支払うことによってサービスを利用することが可能です。
Filecoin・IPFSの特徴
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は「Google Drive」のような管理者のサーバーを利用したファイル共有サービスとは違い、”世界中の誰もが気軽に参加でき、保存されたデータも消えず、データの改ざんもできない“という特徴を有しています。
従来型のクラウドストレージサービスでは管理者のサーバーに保管されているデータにリクエストが集中してしまう可能性があるため、ネットワークが重くなってしまう可能性がありましたが、IPFSでは不特定多数のユーザーが直接やり取りすることができるP2P方式を採用しているため、リクエストを分散してネットワーク全体の負担を軽減することができるようになっています。
IPFSに参加したユーザーが特定のファイルにアクセスする際には、ネットワーク上のユーザー全体に対して問い合わせを行います。「どのユーザーが何のファイルを保存しているか」はIPFSでインデックス情報を管理しているため、それを用いてファイルを見つけ出すことになります。
各ユーザーの端末ですべてのファイルを保管する必要はなく、必要なファイルのみを保管すれば良い仕組みとなっているため、高性能なパソコンである必要はありません。
分散型システムで「地球規模のハードディスク」を実現
従来のインターネットでは「中央集権型のサービスや管理体」がデータを管理していたため、そのような特定のデータセンターがハッキングされたり停止した場合などには、管理されていたデータが破損したり情報が漏洩したりする可能性がありました。
しかし「Filecoin」のネットワークでは、ネットワークに参加する世界中のコンピューターでデータが分散管理されるため、特定のデータセンターでデータが消滅した場合などにもその他のパソコンに記録された情報からデータを復元することが可能となります。
また「Filecoin」は空き容量を提供するネットワーク参加者が増えることによって利用可能な容量を増やすことができる仕組みとなっているため、拡張性にも優れており、より多くの人々が参加すれば「地球規模の大規模なハードディスク」を実現できるような設計となっています。
このようなFilecoinの基盤となっている”IPFS”はファイルコインの開発企業である「Protocol Labs」のJuan Benet(ユアン・ベネット)氏が最初に提唱したプロトコルですが、この技術は過去数年の間に大手企業などでも活用され始めているため、今後は「Web3.0」を支える主流の技術として普及していく可能性があると期待されています。
Filecoin(FIL)のマイニングについて
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は、IPFS(分散型ファイルシステム)のための空きストレージ提供者などに報酬として支払われる暗号資産であるということは先述しましたが、ファイルコインはビットコイン(BTC)などとは違う「Proof of Storage(プルーフ・オブ・ストレージ)」と呼ばれるコンセンサスメカニズムに基づいており、プルーフ・オブ・ストレージは「Proof-of-Replication(PoRep)」および「Proof-of-Spacetime(PoSt)」と呼ばれる2つの要素で構成されています。
これらのコンセンサスメカニズムを採用しているFilecoinには「ストレージマイニング(Storage Mining)」と「リトリーブマイニング(Retrieve Mining)」という2種類のマイニング方法が存在しているため、以下の項目ではこれら2つのマイニング方法について解説します。
ストレージマイニング(Storage Mining)
ストレージマイニング(Storage Mining)は、自分が持っている空き容量の一部(=セクター)をIPFSに貸し出すことによって、その報酬として「Filecoin」を得ることができるマイニング方法です。
ストレージマイナーの人々は空き容量の一部を貸し出す際に、一定期間空き容量がオンラインに存在することを宣誓し、担保としてFILトークンをブロックチェーンに送信、セクターの容量と値段を設定してストレージマーケットで売りに出します。売りに出されたセクターを借りたいユーザーが現れると代金が支払われ、ストレージマイナーの元にデータが転送されることになります。
ただし、ストレージマイナーの人々は随時「Proof of Storage」を発行して”自分が情報を保持していること”を証明しなければなりません。「宣誓が守られない・データが紛失する・オフラインでアクセスできなくなる」などの問題が発生した場合には担保の一部が没収されることになります。
また、データの保有量に応じてブロックの生成を行う権利も得ることができます。ブロック報酬と取引手数料を獲得する確率は「マイナーがFilecoinネットワークに提供するストレージの量」に比例し「ハッシュ力」ではありません。
リトリーブマイニング(Retrieve Mining)
リトリーブマイニング(Retrieve Mining)では、分割された情報の破片をユーザーの代わりに集めて提供することによって「Filecoin」を得ることができます。
リトリーブマイナーはファイルを管理する仕組みの1つであるアロケーションテーブルをもとにして、ユーザーから要求を受けたデータをストレージから引き出します。その後、ユーザーとリトリーブマイナーの交渉が成立すると「Filecoin」と「データ」の交換が行われます。
リトリーブマイニングでは、その性質上「ストレージマイナー」がリトリーブマイナーの役割を果たすことが多く、リトリーブマイナーの帯域幅と取引の入札/初期応答時間(待ち時間とクライアントへの近接性)によって、ネットワーク上の検索取引を成立させる能力が決まります。Filecoin(FIL)を獲得する確率はこの能力に比例して決まります。
Filecoin(FIL)の基本情報
・トークン名称:Filecoin(ファイルコイン)
・ティッカーシンボル:FIL
・公開月:2017年9月
・コンセンサスアルゴリズム:Proof of Storage
・最大供給料:200,000,000 FIL
・運営発行元:Protocol Labs(プロトコル・ラボ)
Filecoin(FIL)の価格・チャート
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は2020年6月時点では暗号資産取引所に上場していないため、現物資産の価格・チャート情報などは公開されていません。
ただし、一部の暗号資産取引所では「Filecoinの先物取引」が提供されているため、暗号資産関連のデータを配信している「CoinMarketCap」では”先物取引”での価格情報が既に公開されています。
このデータによると、2020年6月時点でのFIL先物価格は「1FIL=1,290.81円」とされています。
Filecoin(FIL)を取扱う仮想通貨取引所
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は2020年6月時点では暗号資産取引所に上場していませんが、以下の取引所では「FILの先物取引(IOU)」が既に提供されています。
・Gate.io
・BitForex
・LBank
・TOKOK
ファイルコイン(Filecoin/FIL)関連リンク
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