オンチェーンガバナンスで自動的にアップデートするテゾス【テゾスジャパン 香川氏インタビュー後編】

オンチェーンガバナンスで自動的にアップデートするテゾス【テゾスジャパン 香川氏インタビュー後編】

テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンです。テゾスジャパンのJay Kagawa氏へのインタビューの後編をお届けします。前編はこちらから。

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テゾス(Tezos)の組織はどうなっているの?

質問:テゾスジャパンについて教えてください。テゾスファウンデーションとの関係性はどのようになっているのでしょうか?

香川氏:まず、テゾスファウンデーションとテゾスジャパンは別の独立した組織です。しかしながら、全く関係がないというわけでもありません。

テゾスジャパンはグランティ(助成金受領者)であって、テゾスファウンデーションから活動資金という形で予算を拠出され、活動しています。その際に、活動内容が細かく指示されているわけではありません。

テゾスというプロトコルを使って何かする人を増やすということが基本的な考え方です。次世代の企業の役に立ちたく、それは技術面も然り、助成金やVC資金をあててエコシステムを育てる役割を持っています。

韓国やシンガポール、香港でこのような動きがあり、それぞれローカルで動いています。
具体的には、さまざまな企業を回ってテゾスに合った案件を探し、プロジェクトを組成するというようなことも行っています。企業利用という観点では、テゾスはオープンソースなので、極端に言えば企業がテゾスをフォークして自分たちの目的に合うように再デザインも可能です。エンタープライズ版テゾスのようなイメージです。

より将来的には、パブリックブロックチェーンとパーミッションドブロックチェーンを接続するような話もあるかもしれませんね。健全なネットワークを作るために、教育・ビジネス・企画を考えるのがテゾスジャパンの使命です。

テゾス(Tezos)の優位性は?

質問:アプリケーションを作れるブロックチェーンはイーサリアムやEOSなどさまざまな種類があります。テゾスは分散性がありスマートコントラクトの形式検証が可能な点で金融分野で相性が良いことはすでにお話して頂きました。金融よりもよりライトなアプリケーションを作る場合に、テゾスが他のスマートコントラクトプラットフォームより優れている点はどこにあるのでしょうか?

香川氏:イーサリアムの最新の状況をよく調べてはいないですが、2.0がローンチするまで右往左往している印象を受けています。一方で、いくつかの分野でテゾスは数年先をいっているのではないかと思います。

例えばプルーフ・オブ・ステーク(PoS)一つをとっても、すでに最初のローンチ時点で稼働をしています。また、少数のノードがバリデートする形式ではなく分散性がある「Liquid Proof-of-Stake」を実現しています。

必ずしも全ての分野でイーサリアムより優れているとは思わないですが、分散性のあるネットワークのインフラストラクチャーとして機能しています。テゾスの2名の創業者のうち、アーサー・ブレイトマン(Arthur Breitman)は金融領域、キャスリーン・ブライトマン(Kathleen Breitman)はゲーム領域に可能性を見出しているようです。

ライトなアプリケーションと言う意味では、Michelson(マイケルソン)という独自のスマートコントラクト用言語はスタックベースの言語であるため、将来的には色々なシンタックスでプログラミング言語を記述できるようになりやすい点があげられます。

テゾス(Tezos)の面白さとは?

質問:香川さん個人としてテゾスジャパンに関わるモチベーションはなんなのでしょうか?

香川氏:関数型言語・形式検証という概念は元々はブロックチェーンとは関係ない分野で実用されている技術であり、学問として確立しています。関数型言語は、ペースメーカーや原子力、航空機などで利用されています。これに対して、ブロックチェーンはインフラストラクチャーであるという考え方です。絶対に事故が起きてはいけない分野でこの技術を取り込もうとする所に惹かれました。

このような関数型言語によって、とっつきにくいブロックチェーンになっているかもしれませんが、個人的にはとても重要なことであると思っています。

参照元:CoinChoice

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