仮想通貨エニグマ(Enigma)のプロトコル変更でガバナンス要素が追加!
エニグマにガバナンス要素が追加
ブロックチェーンのプライベートソリューションを進めるエニグマ(Enigma)は、先日メインネットをローンチした。メインネットのローンチにあたりプロトコルに変更があり、その内容の1つにガバナンス要素が追加されている。この機能によって、コミュニティには投票権が与えられることとなり、エニグマのプロトコル開発に影響を与えることが可能となっている。
出典:An Introduction to Enigma Governance
現在、ノードを運営してシークレット(SCRT)トークンをステーキングするバリデータが20以上存在している。ガバナンスの仕組みが追加されたことで、多くのエニグマコミュニティが、プロトコルの開発方針に意見を投じることができるようになった。今後、エニグマの開発チームは、ネットワークバリデータによって投票により承認された提案を使用してプロトコルを変更することになる。
エニグマネットワークの投票プロセス
出典:An Introduction to Enigma Governance
今回追加されたエニグマのガバナンスは、下記のように行われる。
提案
ユーザーは、エニグマネットワーク上にデポジットすることで提案できる。ネットワークに入金された総額が一定額に達した段階で、その提案に対する投票期間が開始される。
提案内容を検討するには、提案されてから1週間以内に1,000SCRTをデポジットしなければならない。提案者のみでデポジットを行う必要はなく、支持者による寄付でも可能であり、この仕組みは無差別に提案されることを防ぐものとなっている。最小入金額に達しない場合、もしくは提案が承認された場合はデポジットした者に返金されるが、否認された場合、デポジットされたSCRTトークンは全てバーンされる。
デポジットしたユーザーは提案が拒否されない限り、デポジットを回収できる。また、投票期間に入る前であれば、同様に回収可能となる。
投票
提案へのデポジットが最低額に達すると、1週間の投票期間が開始される。SCRT保有者は、その提案に「Yes」「No」「NoWithVeto」「Abstain」で投票することができる。注意点として、まずガバナンスに参加できるのは、ステーキングされたトークンのみであり、投票されたSCRTの量によって、投票した意見の影響力が決まる。
投票できる内容は次の4種類となっている。
- Yes(承認)
- No(否認)
- NoWithVeto(断固拒否)
- Abstain(棄権)
「NoWithVeto」は、「No」としてカウントされることに加え、拒否権も追加される。また「Abstain」は、提案に賛成または反対で投票するつもりはないが、投票の結果を受け入れることを示すこともできる。
また委任者は、バリデータの決定に反する投票をしない限り、委任した先のバリデータと同じ投票内容を継承する。
集計
次の要件を満たす場合に承認となり、以後実装段階へと移っていく。
- 投票期間の終了時の投票率が33.4%以上であること。要件が満たされない場合、提案は拒否される。
- 投票に参加したトークンの50%以上が賛成票であった。
- 拒否票が、全体の33.4%未満であった場合
なお、投票に関する現在の条件をまとめると次の通りだ。
項目 | 数値 |
---|---|
入金期間 | 1週間 |
投票期間 | 1週間 |
最低入金額 | 1,000SCRT |
定足数 | 33.4% |
しきい値 | 50% |
拒否権 | 33.4% |
開発に勢いをつけるエニグマ
ブロックチェーンは、オープンソースで開発が行われることが醍醐味の1つでもある。エニグマでもその考え方で開発が進められるようにガバナンスを追加したようだ。これにより、SCRTトークンのステーキング行っているユーザーは、プロトコルの開発提案に対し投票を行うことができる。
また、エニグマではシークレットDAO(分散型組織)の実験を計画しているようだ。シークレットDAOの開発や実験はさまざまなプロジェクトで行われており、分散型の未来において重要なポジションであるとも考えられる。今後のエニグマプロトコルの開発も注目しておきたいところだ。
参照
・An Introduction to Enigma Governance
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参照元:CoinChoice