月: 2016年8月

ジャクソンホール待ちの相場に

ジャクソンホール待ちの相場に

FOMC議事録の内容は、「早期利上げに関して見解が分かれた」、「何人かのメンバーが、利上げにはインフレ目標達成に更なるデータが必要」など、以前の内容と変わった感じではなく、タカ派でもハト派でも無いような内容でした。ただ数日前のダドリー総裁の発言で、早期の利上げ観測が出ていたこともあり、その反動からドル安に推移しました。今夜23時からダドリー総裁の講演があるので、それに注目が集まりますが、来週のイエレン議
長期もみ合いのユーロに反発の兆しアリ! 米利上げ観測後退による米ドル安がカギに ブログ

長期もみ合いのユーロに反発の兆しアリ! 米利上げ観測後退による米ドル安がカギに

■流動性不足気味の中、ドル/円は一時99.50円台へ下落 みなさん、こんにちは。

 先月(7月)の日銀金融政策決定会合でヘリマネ期待が霧散した米ドル/円の下落トレンドは変わらず、今週(8月15日~)も続落。

【参考記事】

●株高に反応薄も悪材料に敏感なドル/円。政府・日銀も為替はもう手立てなしかも!?(8月16日、西原宏一&大橋ひろこ)

 今週(8月15日~)は、本邦勢がお盆休暇、欧米勢がサマーホリデーに入っていることもあり、為替市場の流動性は不足気味。

 このようなマーケット環境下、8月15日(月)の米国債償還の影響もあり、米ドル売り需要が増加しました。

米ドルVS世界の通貨 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)

 流動性が枯渇する中、米ドル/円は節目の100.00円をブレイク。一時、99.50円台と久しぶりに2ケタに突入しました。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

■日銀の追加緩和も効果は半減…。円高トレンド変えられず 9月の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待も残っていますが、日銀の追加緩和も回を重ねるうちに徐々に賞味期限切れで効果は半減しており、なかなか円高トレンドを変えられず。

世界の通貨VS円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 週足)

 過去のコラムで何度かご紹介させていただいていますが、100.60円はアベノミクス相場の50%戻し。

【参考記事】

●ドル/円は105円決壊で100.60円へ下落中! 英ポンド/円は1カ月以内に30%乱高下!?(6月16日、西原宏一)

●ドル/円のボラティリティがリーマン以来の高水準! 日銀会合後の乱高下に要注意(7月28日、西原宏一)

 ザラ場では何度かブレイクしていますが、仮に週足ベースでこの50%戻し水準を明確に割り込んでくると、米ドル/円は2ケタに回帰していく公算が高まってきます。

 ただ、米ドル/円は高値の125円から、すでに20%調整しています(過去のコラム参照)。

【参考記事】

●日銀ゼロ回答&初の為替監視リスト入り! 米ドル/円は106円台到達で目標は100円に(5月2日、西原宏一)

 対円での米ドル安はトレンドこそ変わりませんが、そのスピードは徐々に緩慢になる可能性も。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 米ドル安は、対円ではなく、他通貨にその場を移行していくのかもしれません。

米ドルVS世界の通貨 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)

  中央銀行の追加緩和効果が薄れているという意味では…
アングル:政府・日銀、苦渋の臨時会合 具体策なく「張子の虎」 News

アングル:政府・日銀、苦渋の臨時会合 具体策なく「張子の虎」

[東京 18日 ロイター] - 外為市場で18日、ドル/円<JPY=EBS>が一時100円を割り込んだ。財務省、金融庁、日銀は同日午後、臨時の三者会合を開催し、足元の円高をけん制。市場に対して政府・日銀の姿勢をアピールするのが狙いだが、具体策が伴わなければ「張子の虎にすぎない」(市場関係者)と効果を疑問視する声も出始めている。

焦点:7月輸出大幅減、円高と輸出環境停滞 外需は2四半期悪化の公算 News

焦点:7月輸出大幅減、円高と輸出環境停滞 外需は2四半期悪化の公算

[東京 18日 ロイター] - 7月貿易統計では輸出が大幅に落ち込み、7─9月期の景気の足を引っ張る展開が予想される。数量ベースの伸び悩みが生産計画に影響、円高に伴う金額ベースの落ち込みが企業収益低下と設備投資マインドの冷え込みにつながる可能性が高いためだ。世界経済や米金融政策の方向性をめぐる不透明な状況は晴れず、円高と輸出環境の好転は当面見込みにくい。7─9月期の外需は、2四半期連続のマイナスとなる公算が大きい。

日経平均は大幅反落、1万6500円割れ 日銀買い入れめぐる観測で軟化 News

日経平均は大幅反落、1万6500円割れ 日銀買い入れめぐる観測で軟化

[東京 18日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落。1ドル100円割れへとドル安/円高方向に振れた為替が重しとなった。日銀によるETF(上場投信)買いへの期待感から、売り先行後は下げ幅を縮小する展開となった。だが、日銀の買い入れの動きが見られないとの観測が広がり、後場に入り再び軟化した。

東京外為市場・15時=ドル99円後半、弱地合いの中で政策期待が支え News

東京外為市場・15時=ドル99円後半、弱地合いの中で政策期待が支え

[東京 18日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の99.80/82円(訂正)だった。午後のドル/円は100円を挟んだもみ合いが続いた。弱地合いながら、日銀緩和など政策面への思惑から一時的に水準を切り上げる場面があった。

3つの米ドル上昇要因、いずれもその 可能性は低い。当面は米ドル売り戦略で! ブログ

3つの米ドル上昇要因、いずれもその 可能性は低い。当面は米ドル売り戦略で!

■100円を切っても一気に円高は進まない 先週8月11日(木)は、山の日の祝日で当コラムの寄稿をお休みさせていただきました。

 その前の週、8月4日(木)のコラムで、米ドル/円について、「2013年5月に103.74円まで上昇したあと約半年間、98円あたりを挟んで、上下5円程度のレンジ相場が続いたような相場展開をイメージしている」とお伝えしましたが、具体的には、大きなレンジとしては95円-105円、もう少し狭いレンジで98円-103円ぐらいのレンジで考えておきたいと思っていました。

 今回は100円を切ったからといって、一気に円高が進むという展開にはならないとも話をしておきました。その見方は、依然として維持しておきたいと思います。

【参考記事】

●日本国債市場大混乱で円金利が急上昇!米ドル/円の100円という大台に意味はない(8月4日、今井雅人)

■一時的に利上げムード高まり、米ドル/円は101円台へ 8月16日(火)、ダドリーNY連銀総裁が「9月の利上げはあり得る」と発言したほか、「市場は利上げに対して過小評価している。たとえば、米10年債利回りが1.5%というのは低過ぎる」などの見解を表明。

 また、ロックハート・アトランタ地区連銀総裁も早期利上げに前向きな発言をしていたために、一時的に利上げムードが高まって米ドル高に向かいました。

 米ドル/円も101円台を回復。一時101.169円まで上昇する動きになりました。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

■FOMC議事録を受けて、米ドル/円は99円台へ下落 しかし、翌日の8月17日(水)に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(7月26日-27日分)を見ると、ごく一部が「今すぐの利上げの必要性を表明」したものの、メンバーが総じて、「追加利上げをするにはさらに多くの指標を点検する必要があるとの見方で一致している」ことがわかりました。

 「数人は先行きの雇用ペース減速が、近い将来の利上げに反対する理由になるだろう」とも述べています。

 これによって、再び米ドル/円は100.00円を割り込み、一時、99.644円まで米ドル安・円高が進んでいます。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 しかし、先ほども申し上げたとおり…