新興国から資金流出! その行き先は…!? 大型M&Aがドル/円押上げるも攻めきれず
2018-05-10
5月に入ってからの金融市場での注目は、まず、新興国。
アルゼンチンは、5月4日(金)に緊急利上げを決定。4月27日(金)以降、8日間で3回目となる利上げで、政策金利は40%へ……。
アルゼンチン政策金利(出所:Bloomberg)
政策金利が4%ではなく、40%という数字に驚かされます。
それでも、アルゼンチンペソの下落は止まらず…。
【参考記事】
●アルゼンチンが政策金利を40%に引き上げ! 新興国通貨にバーナンキショック再来も!?(5月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/アルゼンチンペソ 日足(出所:Bloomberg)
また、4月に利上げを実施したトルコリラも続落。
米ドル/トルコリラ 日足(出所:Bloomberg)
つまり、こうした新興国から資金が流失しているわけです。
■新興国からの資金の流出先は米ドル その資金の流出先は、米ドル。
この資金移動のきっかけは、米国の連続利上げによる米長期金利の上昇。米長期金利は、再び3.00%台を回復しています。
米長期金利(10年物国債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
米金利が上昇してくると、リスクをとって新興国通貨へ投資している資金が米国に還流してきます。
結果、米ドル高に。
こうした資金フローの動きは、2013年のバーナンキショックを思い起こさせます。
【参考記事】
●日経平均大暴落! 豪ドルに悪材料続出! 急落中の豪ドル/円、下値メドは95円か(2013年5月23日、西原宏一)
当時、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が金融緩和の縮小を示唆したことで、新興国の株価や新興国通貨が急落。
通貨防衛のため、新興国の中央銀行は利上げで対抗しましたが、効果はありませんでした。
これが主要国にも影響を及ぼし、リスクオフに。
呼応して、米ドル/円が急落しました。
ただ、今回は、米国株が高値圏を維持していることもあり、米ドル/円は米金利上昇に呼応して、109円台の高値圏で推移しています。
この米ドル/円の高止まりは、相次ぐ大型買収の…